第1023回 ボルドーも首位で折り返し(2) バイエルン・ミュンヘンに逆転勝ちで首位奪還

■14季前のUEFAカップ決勝はバイエルン・ミュンヘンの連勝

 9月30日の第2節で第4シードのマッカビ・ハイファ(イスラエル)にホームでてこずりながら勝利をあげたボルドー、10月21日の第3節では第1シードのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)との対戦である。チャンピオンズリーグのグループリーグの第3節というのは非常に重要である。それは単なる折り返しというだけにはとどまらない。折り返し点を挟んで第3節と第4節は同じ相手と対戦する。したがって、第3節で勝利すれば、心理的に優位な状況で第4節を迎えることができる。ボルドーの相手のバイエルン・ミュンヘンは第1シードであり、ホームゲームの第3節で星を落とすようだと連敗という可能性も少なくはないであろう。ボルドーはホームの試合では確実に勝利しておきたいところである。
 このボルドーとバイエルン・ミュンヘンは過去の欧州カップでは一度だけ対戦している。それは1995-96シーズンのUEFAカップの決勝戦である。このシーズン、フランス勢は欧州カップでは好調であり、チャンピオンズリーグではナントが準決勝に進出し、カップウィナーズカップではパリサンジェルマンが優勝、そしてUEFAカップでもボルドーが決勝に進出し、三大カップすべてでフランス勢は準決勝以上に進出した。ボルドーはホームアンドアウエー方式の戦いで、アウエー、ホームとも敗れて準優勝にとどまったが、これがクラブとして欧州での最高の成績である。ボルドーとしては14季前の雪辱を果たしたいところである。その時はまずミュンヘンで試合が行われたが、今回は逆である。

■10月に入ってリーグ戦で連敗したボルドー、ヨアン・グルクフ出場

 第2節のマッカビ・ハイファ戦の勢いを持ち込みたいボルドーであったが、10月に入ってリーグ戦では調子を落とす。3日のサンテエチエンヌ戦、17日のオセール戦とアウエーゲームが続いたが、連敗を喫し、リーグ首位の座から陥落する。ボルドーは国内外の公式戦のリーグ戦、カップ戦では今年の3月以来無敗であったが、実に7か月ぶりに黒星を記録したばかりか、連敗してしまう。ボルドーのリーグ戦での連敗は2年半ぶりのことになる。
 一方のバイエルン・ミュンヘンであるがフランスのファンのお目当てのフランク・リベリー、そしてもう1人のウイングのオランダ代表のアリエン・ロッペンともに負傷により欠場である。ボルドーはヨアン・グルクフが負傷をおして出場である。

■オウンゴールのミカエル・シアーニ、汚名返上の同点ゴール

 ボルドーのシャバン・デルマス競技場での試合は奇しくも9月30日のマッカビ・ハイファ戦以来となる。マッカビ・ハイファ戦の終盤に決勝点を決めてヒーローとなったストッパーのミカエル・シアーニがこの試合でも重要な役割を果たした。まず、6分に敵のCKに対してボールコントロールを誤り、オウンゴール、ボルドーには試合開始早々の失点となった。負傷から復帰したばかりのグルクフは本調子ではなく、攻撃を作ることができず、ボルドーは苦しい展開となる。ところが27分ボルドーはCKのチャンスをつかみ、このCKをシアーニは汚名返上とばかりにヘッドで同点ゴールを決める。

■逆転勝利のボルドー、バイエルン・ミュンヘンから首位を奪う

 同点に追いつかれたバイエルン・ミュンヘンはグループリーグ3試合目にして初失点である。その動揺か、30分には攻撃の要のミューラーがこの日2回目の警告を受け、レッドカード、バイエルンは数的に不利となる。そして40分、ボルドーのマルク・プラニュスが相手のクリアミスから逆転ゴールを決める。
 後半は数的優位に立つボルドーが試合を支配し、アウエーのバイエルン・ミュンヘンはカウンターアタックに活路を見出す。ボルドーは66分にPKのチャンスを得るがグルクフのシュートはバイエルン・ミュンヘンのGKにセーブされる。終盤の88分にはバイエルン・ミュンヘンのベルギー代表ダニエル・ファン・ブイテンがペナルティエリア内でファウルし、レッドカードを突きつけられ、バイエルンは9人になってしまう。このPKをジュシエが狙うが、またもやGKに阻まれる。
 最終的なスコアは2-1と僅差ではあったが、ボルドーが勝利し、グループAで首位の座をバイエルンから奪ったのである。ボルドーは、ミュンヘンに舞台を移して行われる第4節で、ミューラーとファン・ブイテンを出場停止で欠くバイエルン・ミュンヘンと戦うことになるのである。(この項、終わり)

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