第1041回 チャンピオンズリーグ、グループリーグ終盤戦(1) プレーオフ直後のリーグ戦で明暗が分かれた3チーム

■プレーオフの翌週に行われる第5節

 前回までの本連載はアイルランドとのプレーオフから予選全体の回顧までほぼ1月にわたってワールドカップ予選について紹介してきた。アイルランドとの死闘、ティエリー・アンリの疑惑のハンド、そして南アフリカ行きが決まった翌週からフランスではすでに通常通りのサッカーシーンが再開されている。週末にはフランスリーグ第14節が行われ、その翌週の半ばにはチャンピオンズリーグのグループリーグ第5節が行われている。
 ボルドー、マルセイユ、リヨンの3チームが出場しているチャンピオンズリーグの模様については本連載の第1020回から1026回にかけて第4節までの戦いを紹介してきた。それぞれフランス代表選手を抱える3チームであるが、ボルドーとリヨンはアイルランドとのプレーオフの前に決勝トーナメント進出を決定し、マルセイユはFCチューリヒに連勝して上り調子で最後の2試合を迎える。
 チャンピオンズリーグのグループリーグは11月25日と26日に第5節が行われ、12月8日と9日に第6節が行われる。すでに決勝トーナメント進出を確保しているボルドーとリヨンは決勝トーナメントを優位に迎えることができるグループ首位を狙い、出遅れ感のあるマルセイユは混戦のグループCを勝ち抜いて決勝トーナメントに駒を進めたいところである。

■チャンピオンズリーグ出場3チームのフランス代表選手

 3チームともフランス代表選手を抱えており、アイルランド戦のメンバーに入ったのはボルドーからセドリック・カラッソ、アルー・ディアラ、ヨアン・グルクフの3人、マルセイユからはスティーブ・マンダンダただ1人、リヨンからはウーゴ・ロリス、アリー・シッソコ、ジェレミー・トゥーララン、シドニー・ゴブーの4人である。
 アイルランド戦に出場したフランスのクラブに所属する選手はロリス、アルー・ディアラ、ヨアン・グルクフが2試合フル出場、トゥールーズに所属するアンドレ・ピエール・ジニャックが2試合に先発出場しながら途中で退き、第2戦ではジニャックに代わってゴブーが出場している。すなわち、トゥールーズのジニャック以外の4人はチャンピオンズリーグに出場している選手なのである。
 フランスはプレーオフでは3人のGKを招集したが、3人のGKのうちアイルランド戦に出場したのはリヨンのロリスであり、マンダンダがベンチ、カラッソはスタンドから試合を見ていた。フィールドプレーヤに関してはアイルランド戦に出場したのはボルドーのアルー・ディアラとグルクフ、リヨンのゴブーだけであり、国内有力チームから代表のレギュラーとして活躍した選手が意外と少ないことが分かる。
 しかしながらプレッシャーのかかる中でフランス代表に入り、アイルランドとのプレーオフのため1週間以上チームに帯同するというのは並みならぬ疲労をもたらしたであろう。増してやロリス、アルー・ディアラ、グルクフのように2試合フル出場した選手の疲労は想像を絶するものであろう。

■プレーオフ直後のリーグ戦でつまずいたボルドーとリヨン

 ボルドーはアイルランド戦との第2戦の3日後の21日にリーグ戦でバランシエンヌと対戦したが、3人送り込んだ代表選手のうち、バランシエンヌ戦に出場したのは代表では第3GKのカラッソだけであった。リーグで下位を低迷する相手にホームで0-1と敗れてしまう。
 リヨンも同じ21日にアウエーで1分11敗(第11節は未消化)と今季未勝利のグルノーブルと対戦するが、代表メンバーで出場したのはロリスとゴブーだけであり、先制しながら同点に追いつかれてしまい、ロリスの疲労の影響が出てしまった。

■代表では第2GKのマンダンダが活躍し、宿敵を下したマルセイユ

 そしてマルセイユは変則的なスケジュールになった。第10節のパリサンジェルマン戦が新型インフルエンザの影響で延期となり、その大一番がアイルランド戦の翌々日の20日に行われた。マルセイユのGKはもちろんマンダンダ、このマンダンダの活躍でマルセイユは宿敵パリサンジェルマンを1-0と完封する。
 このようにプレーオフ直後に行われたリーグ戦では、代表チームに送り込んだ選手がプレーオフに出場したか否かで明暗が分かれたのである。(続く)

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