第1061回 2010年アフリカ選手権(2) 優勝はワールドカップ予選落ちのエジプト
■ワールドカップ出場5か国のシード順
ワールドカップイヤーのアフリカ選手権、注目を集めるのはワールドカップ出場チームである。今回の大会には南アフリカを除くコートジボワール、ガーナ、アルジェリア、ナイジェリア、カメルーンが出場している。
組み合わせ抽選前にシード順が発表された。シード順は過去3大会の成績で決定された。第1シードは開催国のアンゴラと前回優勝国のエジプト、そして残る2つの座はワールドカップ出場国であるカメルーンとコートジボワールが占めた。その他のワールドカップ出場組はガーナとナイジェリアが第2シード、アルジェリアは第3シードにとどまった。
しかし、昨年11月に行われた組み合わせ抽選の結果、5つのワールドカップ出場チームはうまく4グループに分散した。まずグループAにはアルジェリア(その他のチームはシード順にアンゴラ、マリ、マラウイ)、グループBにはコートジボワールとガーナ(トーゴ、ブルキナファソ)、グループCにはナイジェリア(エジプト、ベナン、モザンビーク)、グループDにはカメルーン(チュニジア、ザンビア、ガボン)とすべてのグループにワールドカップ出場組が入り、グループBに2チーム、それ以外の3グループには1チームずつが振り分けられた。
■5チームともグループリーグを通過
ワールドカップ出場を逃したチームは新チームになっており、現段階においては戦力ダウンしているチームも少なくない。したがって、ワールドカップ出場組の戦いぶりは順調であった。グループAではアルジェリアが初戦を落としたものの、開催国のアンゴラに次ぐグループ2位で決勝トーナメントに進出する。グループBはトーゴが出場辞退し、3チームで行われたが、コートジボワールが首位、ガーナが2位になっている。グループCのナイジェリアは初戦で2連覇中のエジプトに敗れたが、その後2試合は連勝し、2位に滑り込んでいる。そしてグループDは混戦となり、カメルーン、ザンビア、ガボンが1勝1分1敗の勝ち点4、得失点差0で並んだ。当該国間の対戦も1勝1敗、得失点差0ということで、当該国間の対戦での総得点で順位を決定することになり、カメルーンはザンビアに次ぐ2位に滑り込んだ。
このようにワールドカップ出場5か国はすべてグループリーグを突破し、決勝トーナメントに進出したのである。
■接戦の多かった準々決勝
準々決勝はこれら5チームに加え、開催国のアンゴラ、前回優勝国のエジプト、そして第3シードから接戦を勝ち抜いたザンビアが争う。準々決勝でもワールドカップ出場5チームはきれいに分散した。4試合すべてにワールドカップ出場チームが登場し、ワールドカップ出場国同士の戦いはコートジボワール-アルジェリア戦だけとなった。
準々決勝は1月24日から始まり、最初の試合は開催国のアンゴラにガーナが挑む。6万人の地元ファンを敵に回したガーナはギャンのゴールで開催国を下して準決勝に進出する。これ以外の準々決勝3試合は皆延長戦までもつれ込む接戦となった。
注目のコートジボワール-アルジェリア戦はコートジボワール有利と言う前評判であったが、アルジェリアが3-2と接戦を制する。ナイジェリアとザンビアは120分間戦っても両チームノーゴール、ナイジェリアがPK戦を制して4強入りする。唯一、ワールドカップ出場国で非出場国に敗れたのがカメルーンであった。エジプトと対戦したカメルーンは延長戦にもつれ込むが、延長戦でエジプトに突き放されてしまい、1-3と言うスコアでアンゴラの地を去る。
■エジプト、3大会連続7回目の優勝
準決勝はガーナ-ナイジェリアと言う西アフリカ勢同士の戦いと、アルジェリア-エジプトと言う北アフリカ勢同士の戦いとなった。ガーナはナイジェリアを1-0と下し、18年ぶりの8回目の決勝進出となる。
エジプト-アルジェリア戦は昨年11月のワールドカップ予選の再戦となった。ワールドカップ予選のリーグ戦では最終戦で対戦し、エジプトが勝利し両チームの成績が並び、中立地のスーダンでプレーオフを行い、アルジェリアが勝利して本大会出場を決めた。今回の準決勝はエジプトが4-0と大勝し、雪辱を果たした。
そして、1月31日に行われた決勝ではエジプトがガーナを1-0と下して3大会連続7回目の優勝を果たした。エジプトはワールドカップ出場国のうち4チームと対戦して、すべて勝利した。ワールドカップ予選敗退の無念を晴らしたのである。(続く)