第1101回 マルセイユ、18年ぶりのリーグ優勝 (2) 首位3チームが同勝ち点で4月を迎える
■試合消化数の多いモンペリエとリヨン
ボルドーが独走かと思われた今季のリーグ戦であったが、2月になって試合消化数の関係もあり、状況が変わってきた。2月末の段階の順位は首位はボルドー(16勝3分5敗:勝ち点51、得失点差+22)、2位は同じ勝ち点のモンペリエ(16勝3分7敗:勝ち点51、得失点差+9)である。そして3位はリヨン(14勝7分5敗:勝ち点49)、4位がマルセイユ(14勝6分5敗:勝ち点48)となっている。これを見ていただければわかるとおり、各チームの試合消化数に差があり、モンペリエとリヨンが26試合、マルセイユが25試合、ボルドーが24試合である。
この段階で残り試合が多いと言うことは、勝ち点制で争われるという点では有利であるが、シーズン終盤に他のタイトルの試合との過密日程が課題となる。3月を迎える段階で、ボルドーはリーグカップとチャンピオンズリーグ、マルセイユはリーグカップとヨーロッパリーグ、リヨンはチャンピオンズリーグも並行して戦い、モンペリエだけがリーグ戦に専念できる。
■注目のボルドーとモンペリエの首位攻防戦
そして3月はこの上位チーム同士の戦いがあり、7日に勝ち点で並ぶボルドーとモンペリエが直接対決するほか、21日にはマルセイユ-リヨン戦がある。さらにボルドーはリール、オセールと言う上位陣との戦いが控えている。一方リヨンはマルセイユ戦以外は降格圏内のチームとの対戦となる。
このような状況で7日のボルドーでの首位攻防戦に注目が集まった。満員のファンが32分に信じられない光景を目にした。フランス代表の加わったばかりのストッパーのミカエル・チアニが自陣ペナルティエリア内での後方からのタックルでレッドカードを突きつけられ、退場してしまう。ボルドーは残りほぼ1時間を10人、しかも最終ラインの中央の選手抜きで戦わなくてはならない。さらに主審のステファン・ブレ氏はペナルティスポットを指差す。この好機にPKを蹴ったのはグアドループ育ちのアルゼンチン人MFアルベルト・コスタである。守るGKはフランス代表の3番手であるセドリック・カラッソ、カラッソが見事なセーブで失点を防ぐ。そして42分にもモンペリエはPKのチャンスを得るが再びカラッソがスーパーセーブを見せ、前半は両チーム無得点で終わる。
■2回PKを失敗したアルベルト・コスタのロスタイムの得点でドロー
そして後半、先制点をあげたのは1人少ないボルドーであった。マルーアン・チャマクが59分に均衡を破る。守備の要を欠くボルドーはそこから守りを固め、試合はロスタイムに入る。ロスタイムの表示は4分、そしてそのロスタイムの最後の段階で、今日2回PKをとめられたコスタが値千金の同点ゴールを決めて首位攻防戦は1-1のドローとなる。
この激戦でボルドーもモンペリエも燃え尽きてしまったのであろうか、両チームの3月の成績は1勝2分1敗と勝ち点5を上積みするにとどまった。
■3月末にボルドー、モンペリエに追いついたオセール
3月を終えた時点でボルドーもモンペリエも勝ち点56で首位を譲らなかったが、両チームがもたつく間に勝ち点を伸ばしたチームが現れた。それがオセールである。
オセールは折り返しの段階では5位であったが、1月は2勝1分、2月は2勝1敗、そして3月は3勝2分と確実に勝ち点を伸ばし、3月末の段階の勝ち点は56であり、ボルドー、モンペリエと並ぶ。得失点差でボルドー(+22)が1位、モンペリエ(+7)が2位、オセール(+6)が3位、そして勝ち点2差の54には4位リール(+24)、5位リヨン(+18)、さらに勝ち点53には6位のマルセイユ(+20)がひしめき合い、4月を迎えたのである。
またこれらの上位6チームのうち、首位ボルドーと6位マルセイユが28試合消化(残り10試合)、それ以外の2位のモンペリエから5位のリヨンまでは30試合消化(残り8試合)しており、残り試合数の違いが影響を与えそうである。(続く)