第100回 新生フランス代表、チュニジアでスタート(1) 4人が代表に初選出

 このサイトも今回が連載第100回を迎えました。これも皆様のご支援のおかげであると感謝しております。今回紹介する代表初選出の4人のようなフレッシュな気持ちを常に持ち、執筆活動を続けたいと思っております。今後とも皆様からのご支援・ご鞭撻、よろしくお願い申し上げます。

■再起を期すフランス代表、チュニジアと親善試合

 優勝候補の呼び声も高かったが、ワールドカップのグループリーグで1分2敗と惨敗したフランス。しかし、世界のサッカーカレンダーは動いている。9月7日には2004年欧州選手権ポルトガル大会の予選の初戦をキプロスで戦うことになる。その欧州選手権を控え、8月21日にフランス代表はアウエーでチュニジアと親善試合と対戦することになった。

■注目の初選出は若い4人

 チュニジアとの試合は首都チュニスの近郊にあるラデスで行われる。この試合に臨む22人のメンバーが8月12日に発表された。ちょうどフランスリーグも2節終了し、序盤から熱戦が繰り広げられていることは前回までの連載で紹介したとおりである。この数年間、固定化したメンバーが成果を残しており、メンバーの入れ替えが少なかったが、今回はワールドカップでの惨敗、新監督の就任ということでメンバーの入れ替えが注目された。
 その結果、22人のメンバーのうち、初選出は4人、ワールドカップには出場しなかった返り咲き組が3人であり、ワールドカップに出場した選手は3分の2にあたる15人となった。注目の初選出はDFのフィリップ・メクセス(オセール、20歳)、アントニー・レベイエール(レンヌ、22歳)、MFのブルーノ・シェルー(リバプール、24歳)、FWのシドニー・ゴブー(リヨン、23歳)である。年齢をみていただければわかるとおり若い選手ばかりであり、また近年のアンダーエイジの大会で活躍しているメンバーばかりである。

■国内クラブで生え抜きの3人、国外クラブの1人

 メクセスは日本も出場した昨年のワールドユースでも活躍しただけではなく、ワールドカップに先立って5月にスイスで行われた欧州U-21選手権でも、フランスチームの中で最年少でありながら準優勝に貢献した。代表チームではストッパーとしてマルセル・デサイー、フランク・ルブッフの後継者として期待されている。
 右サイドバックのレベイエールも欧州U-21選手権で活躍したメンバーである。右サイドバックはリリアン・テュラムの指定席だったが、今後はテュラムをストッパーで起用する方針であり、レベイエールにとっては大きなチャンスである。
 無得点に終わったワールドカップでの得点力不足を解消すると期待されているのが、ゴブーである。リヨンの優勝メンバーであり、これまでの連載でクラブでの国内外での活躍を何回か紹介してきた。メクセス、レベイエールとともに、欧州U-21選手権の準優勝メンバーであり、20001-02シーズンは非常に充実したシーズンであった。
 新メンバーのうち最年長のシェルーは唯一国外のチームに所属している。他の3人は現所属チームの生え抜きであり、移籍したことがないが、パリ近郊出身のシェルーはランス、ラシン92(現在ナショナルリーグ所属)、リールと移籍を繰り返し、今年の7月にリバプールの一員となった。1978年生まれであるからダビッド・トレゼゲ、ティエリー・アンリ、ミカエル・シルベストル(以上1977年生まれ)、フィリップ・クリスタンバル(1978年生まれ)、ニコラ・アネルカ(1979年生まれ)と同世代である。フランスが久しぶりに年代別の世界選手権に出場し、彼らが活躍した1997年ワールドユース・マレーシア大会では、シェルーはメンバーには選出されておらず、アンダーエイジではブルーのユニフォームに腕を通すことができなかった。マレーシアで若きブルーたちを率いたのは現在シェルーが所属するリバプールの監督のジェラール・ウリエであった。大会ではベスト8にとどまったウリエも当時からシェルーの存在だけは認識していたであろう。(続く)

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