第1194回 フランス勢4チームが決勝トーナメントに進出 (4) 最終節直接対決を制したリール
■初戦をホームで落としたリール
これまで3回の連載ではチャンピオンズリーグのグループリーグの模様を紹介してきたが、もう1つの欧州カップであるヨーロッパリーグも忘れてはならない。フランスからはパリサンジェルマンとリールがグループリーグに残り、グループリーグの初戦でリールが敗れパリサンジェルマンが勝利したところまで本連載の第1154回、第1155回、第1159回で紹介してきた。今回はリールとパリサンジェルマンのその後の戦いを紹介しよう。
リールは初戦をホームでスポルティング・リスボン相手に落とした。ヨーロッパリーグとなってから、グループリーグは4チームで争われ、ホームアンドアウエー方式で各チーム6試合戦い、上位2チーム8が決勝トーナメント進出というチャンピオンズリーグと同じ大会方式になったとはいえ、初戦のホームでの敗戦は重い。
■フランスリーグでは負けないリール、本領を発揮
第2戦は9月30日にアウエーでゲント(ベルギー)と戦うことになった。国内リーグでは開幕以来4試合連続引き分けで第7節まで終了した段階で2勝5分で7位のリール、負けない試合をアウエーゲームでも展開したい。リールは5分に先制を許したが、21分にピエール・アラン・フローのゴールで追いつき、1-1のドローに持ち込んで勝ち点1を獲得した。
そして第3節と第4節はブルガリアのレフスキ・ソフィアとの対戦である。レフスキ・ソフィアはここまで1勝1敗で勝ち点3の2位であるからリールはここで逆転しておきたい。そのリールの思惑通り、10月21日のホームでの戦いは後半開始早々の49分にFKからカメルーン代表のオーレリアン・シェジュのヘディングシュートで1点を奪い、これを90分間守り抜いてグループリーグで初勝利、順位を2位に上げる。
11月4日のアウエーでの試合も2たびリードを許しながらすぐさま追いつき、2-2のドロー、中盤戦のレフスキ・ソフィア戦を1勝1分と制したリールは順位を2位でキープしたまま終盤戦を迎える。
■リスボンでの敗戦により、最終戦直接対決に
12月1日に行われた第5節の相手は開幕戦で対戦したスポルティング・リスボンである。スポルティング・リスボンは前半戦を3連勝したが、第4節でゲントに敗れ、3勝1敗の勝ち点9で首位。リール相手に引き分け以上だと決勝トーナメント進出が決まる。リールはこのリスボンでの試合にかけたが、不運なことに28分に相手のハンド気味にシュートがゴールネットを揺らす。オランダ人の主審に対し、リールは抗議するが認められず、ミカエル・ランドローとシェジュが警告を取られてしまった。精神的に不安定なリールは追いつくことができず、結局0-1で敗れてしまう。そして勝ち点4同士のもう1つの戦いに勝利したゲントに抜かれ3位に落ちてしまった。
■リーグ首位のリール、ゲントに完勝
迎えた12月16日の最終戦、スポルティング・リスボンに次ぐ第2のチケットをめぐってリールはゲントを迎えて戦うことになった。この段階でゲントは勝ち点7、リールは勝ち点5、リールは勝てば決勝トーナメント、アウエーのゲントは引き分けでも決勝トーナメントである。
最終節の直接対決ということで盛り上がった1戦、リールはスポルティング・リスボンに敗れてから国内リーグではロリアンに6-3と大勝して首位に返り咲き、最下位のアルル・アビニョンにもアウエーで1-0と手堅く勝利して首位をキープしている。グランドコンディションは良くなかったが、リールのチーム状態をそのまま反映するような試合となった。試合開始直後からリールがボールを支配、30分にはポーランド代表のルドビック・オブラニヤックが先制点をあげる。グラウンド同様、荒れた試合で頻繁にイエローカードが出される。しかし、冷静だったのはリールのほうだった。後半の56分にフローが追加点、これでリールは安全圏に入る。さらに88分にはセネガル代表のムッサ・ソウが得点をあげ、3-0と快勝したリールが決勝トーナメントに駒を進めたのである。(続く)