第1291回 アルバニア、ルーマニアと連戦(1) アウエーでの連勝を目指す23人
3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、救援活動、復旧活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■終盤を迎えたグループDの順位
来年の欧州選手権の本大会出場をめぐる予選も最終段階を迎えた。フランスの所属するグループDは各チーム10試合予定されているが、各チームとも6試合ないしは7試合消化しており、残りは9月と10月に行われる3試合あるいは4試合である。フランスは残り4試合で9月はアルバニア、ルーマニアとアウエーで戦い、10月はアルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナとホームで連戦する。
昨年の9月に始まった欧州選手権予選は6月の初めに行われてから夏を挟み3か月ぶりの試合となるが、現段階での順位を確認しよう。まず首位はフランスであり、6試合行い、4勝1分1敗(勝ち点13)である。2位は7試合消化し、3勝3分1敗で勝ち点12のベラルーシ、3位は6試合消化し、3勝1分2敗で勝ち点10のボスニア・ヘルツェゴビナ、4位は6試合消化し、2勝2分2敗で勝ち点8のルーマニア、5位のアルバニアはルーマニアと同じ成績であるが、得失点差で4位をルーマニアに譲っている。そして最下位の6位のルクセンブルクは7戦して1分6敗と勝ち点1にとどまっている。
■首位で本大会出場を狙うフランス
首位は本大会出場となるが、2位になった場合は9グループ中成績のよい8チームがプレーオフに進む。数字の上では5位のアルバニアまで首位突破の可能性は残されているが、首位争いは上位3チームが中心となるであろう。フランスとしては2010年のワールドカップ予選でアイルランドとのプレーオフを経験していることから何としても首位で突破したいところである。ベラルーシとボスニア・ヘルツェゴビナは9月の連戦をホームアンドアウエーで戦う。この連戦で連勝すれば、首位に近づく。
フランスは2位のベラルーシとはホーム、アウエーとも試合を終えており、3位のボスニア・ヘルツェゴビナと10月11日の最終戦でホームで対戦するが、9月のアルバニア、ルーマニアという東欧への遠征で連勝し、10月7日のアルバニア戦で本大会出場を決めてしまいたい。
■8月25日に発表された23人の東欧遠征メンバー
この9月の東欧遠征のメンバー23人が8月25日に発表された。
GKはウーゴ・ロリス、スティーブ・マンダンダ、セドリック・カラッソの3人、DFはバカリ・サーニャ、パトリス・エブラ、エリック・アビダル、ユネス・カブール、アントニー・レベイエール、アディル・ラミ、ローラン・コシールニーの7人、MFはアルー・ディアラ、ヤン・エムビラ、サミール・ナスリ、フローラン・マルーダ、ヨアン・カバイエ、ブレーズ・マツイディ、マルバン・マルタン、マチュー・バルブエナの8人、FWはジェレミー・メネス、ケビン・ガメイロ、カリム・ベンゼマ、ロイック・レミー、フランク・リベリーの5人である。
直前の8月のチリ戦とのメンバーの変更は、負傷のためストッパーのママドゥ・サコが外れ、その代わりにコシールニーが2月のブラジル戦以来の代表入りとなる。FWはギヨーム・オラオ、ディミトリ・ペイエが外れ、リベリーが復帰した。
■不安の残るストッパー
懸案はストッパーである。フィリップ・メクセスがまだ負傷から復帰できず、サコも負傷離脱、さらにアルバニア戦はラミは出場停止となっている。今回はボルドーのミカエル・チアニ、モンペリエのマプー・ヤンガ・エンビワなど代表未経験の選手の招集、あるいは昨年のワールドカップ以降代表から離れている34歳のウィリアム・ギャラスの復帰も検討されたが、結局は2月のブラジル戦の際に代表に初めて招集したコシールニーの名前をリストに加えるにとどまった。しかし、7か月ぶりに代表のメンバーとなったコシールニーも代表の出場経験がなく、メクセスとラミがストッパーを組んだブラジル戦はベンチで90分間戦況を眺めていた。アルバニア戦は若いカブールと本来はサイドDFであるアビダルのコンビで臨むことになるのである。(続く)