第1452回 欧州カップ開幕(2) 強豪と争うチャンピオンズリーグ、第1シードに入ったヨーロッパリーグ
昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■リーグ順位とは大きく異なるUEFAインデックスでシード分け
前回の本連載で紹介した通り、今季のチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに出場するフランス勢のうち3チームが予備戦やプレーオフからの参戦となったが、すべて勝ち抜き、本戦に出場することになった。チャンピオンズリーグにはモンペリエ、パリサンジェルマン、リールの3チーム、ヨーロッパリーグにはリヨン、ボルドー、マルセイユの3チームが出場することになった。
注目の組み合わせであるが、UEFAインデックスによって出場チームはシード分けされる。このUEFAインデックスは過去の欧州カップでの成績を積み重ねたものである。したがって、今季のチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの出場順位とはこのシード順は必ずしも一致しない。むしろフランス勢については大きく異なるといっていいであろう。
■フランス勢のポジションが大きく異なるチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグ
チャンピオンズリーグに出場する3チームのUEFAインデックスは昨季リーグ2位のパリサンジェルマンがフランス勢の中で最上位であり、続いてリーグ3位のリール、そしてリーグチャンピオンのモンペリエは3番目である。本戦出場32チームを8チームずつ第1シードから第4シードまでクラス分けているが、フランス勢はパリサンジェルマンとリールが辛うじて第3シード、モンペリエは第4シードである。モンペリエのUEFAインデックスは本戦出場32チーム中下から2番目である。
一方、ヨーロッパリーグであるが、フランス勢のポジションは大きく異なる。フランスから出場する3チームはいずれも欧州カップの常連チームである。したがって本戦出場48チームを12チームずつの4つのシードに分けたところ、フランス勢3チームはいずれも第1シードに入った。出場48チーム中、リヨンは3位、マルセイユは5位、ボルドーは10位であり、だ1シードに3チーム送り込んでいるのはフランスだけである。ちなみに、1位はインテル・ミラノ(イタリア)、2位は昨年優勝のアトレチコ・マドリッド(スペイン)、4位はリバプール(イングランド)であり、フランス勢はそうそうたるメンバーの中に食い込んでいる。
■強豪に挑戦するパリサンジェルマン、リール、モンペリエ
組み合わせ抽選であるが、8月30日の夕方にモナコで行われ、パリサンジェルマンはグループA、第1シードのポルト(ポルトガル)、第2シードのディナモ・キエフ(ウクライナ)、第4シードのディナモ・ザグレブ(クロアチア)と同じ組になる。ジョイシードチームのポルト、ディナモ・キエフとも各シード内では下位のチームであり、チャンスはある。
リールはグループF、第1シードのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、第2シードのバレンシア(スペイン)、第4シードのBATE(ベラルーシ)と同じグループである。上位2チームにどこまで食い下がることができるかが見ものである。
初のチャンピオンズリーグとなるモンペリエはグループB、第1シードからアーセナル(イングランド)、第2シードからシャルケ04(ドイツ)、第3シードのオリンピアコス(ギリシャ)と実績のあるチームとの戦いとなる。
■ヨーロッパリーグ参加国で上位に位置するリヨン、ボルドー、マルセイユ
一方、ヨーロッパリーグではリヨンはグループI、アトレチコ・ビルバオ(スペイン)、スパルターク・プラハ(チェコ)ハポエル・キリヤット・シュモナ(イスラエル)と同じ組である。
ボルドーはグループD、ニューカッスル・ユナイテッド(イングランド)、CSマリティモ(ポルトガル)、クラブ・ブルージュ(ベルギー)がライバルとなる。
マルセイユはグループCでフェネルバフチェ(トルコ)、ボルシア・メンヘングランドバッハ(ドイツ)、AELリマソール(キプロス)と戦う。
このように見るとフランス勢はチャンピオンズリーグでは厳しい戦いを強いられ、ヨーロッパリーグではグル―pyリーグ突破に向けてはある程度楽観視できると思われるような組み合わせになり、熱戦の火ぶたは9月20日に切って落とされた。(続く)