第1514回 ナイジェリア、3度目の優勝(1) 決勝トーナメントに進出したチームとフランス人監督

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■開催国の南アフリカ、第1シードのガーナ、グループ首位で決勝トーナメントへ

 1月19日から南アフリカで繰り広げられたアフリカ選手権はナイジェリアの3度目の優勝で幕を閉じた。アルジェリアでの人質事件から1月、大会期間中もマリをはじめとするアフリカの政情は不安定である。その中で2010年のワールドカップを開催した南アフリカではこれといった混乱もなく、大会が執り行われた。
 大会を振り返ると、グループリーグは1月19日から30日まで行われ、開催国南アフリカを含むグループAは開幕戦で地元南アフリカがカーボベルデとスコアレスドロー、地元ファンを心配させたが、この両チームが1勝2分という成績でモロッコ、アンゴラをおさえて決勝トーナメントに進出した。
 グループBの注目は第1シードのガーナであったが、南アフリカが引き分けた翌日にガーナもコンゴ民主共和国と引き分けた。しかし、ガーナはマリ、ニジェールに連勝して首位でグループリーグを突破、2位は1勝1分1敗のマリが続き、コンゴ民主共和国とニジェールはグループリーグで敗退した。

■前回優勝のザンビアはグループリーグ敗退、優勝候補のコートジボワールは早々に8強入り決める

 前回優勝で第1シードとなったザンビアはグループCの初戦でエチオピアと引き分ける。ザンビアは続くナイジェリア戦、ブルキナファソ戦といずれも引き分け、3分でグループリーグ敗退となる。ディフェンディングチャンピオンのいるこのグループから決勝トーナメントに進出したのは1勝2分のブルキナファソとナイジェリアであり、古豪エチオピアもグループリーグ敗退となった。
 そして優勝候補の呼び声高いコートジボワールはグループD、第1シード4チームの中で最後に登場となったが、第1戦でトーゴを2-1と下し、第1シード勢で唯一の白星スタートとなる。コートジボワールは第2戦でもチュニジアを下して連勝、第2戦を終えた段階で決勝トーナメント進出を決める。このグループDでコートジボワールに続いて8強入りしたのは得失点差でチュニジアを上回ったトーゴであり、コートジボワール戦で大敗したチュニジア、最初の2試合で連敗したアルジェリアがグループリーグで姿を消した。

■好調な西アフリカ勢、8チーム中7チームがグループリーグ突破

 準々決勝に相当する決勝トーナメント1回戦の組み合わせは南アフリカ-マリ、コートジボワール-ナイジェリア、ブルキナファソ-トーゴ、ガーナ-カーボベルデとなり、南アフリカ以外の7チームは西アフリカの国であった。またフランスから独立した国としてはマグレブ3国がそろってグループリーグで敗退したが、西アフリカの国々は好調で、8チーム出場したうち、ニジェール以外の7チームがグループリーグを突破した。
 これ以外の4か国は英国から独立した南アフリカ、ナイジェリア、ガーナ、ポルトガルから独立したカーボベルデであるが、アフリカ選手権の本大会に初出場となったガーボベルデの決勝トーナメント進出は前回大会の赤道ギニアと同様の偉業である。

■フランス国内で活躍した監督はグループリーグ敗退

 決勝トーナメントに進出した8か国の監督についてみると、南アフリカ、ナイジェリア、ガーナ、カーボベルデの4か国は自国人の監督であるが、マリ、コートジボワール、トーゴはフランス人監督、ブルキナファソはベルギー人監督である。
 前大会で優勝監督となったフランス人のエルベ・ルナールのザンビアはグループリーグ敗退、これまでフランス人のビッグネームがだれも達成できなかったアフリカ選手権で2度目の優勝監督になることは今大会ではかなわなかった。また、コンゴ民主共和国を率いたクロード・ルロワ、アルジェリアを率いたバヒド・ハリホジッチ、ニジェールのゲルノト・ロールなどフランスで監督として優れた実績を持つ監督のチームはそろってグループリーグで姿を消した。
 グループリーグを勝ち抜いたフランス人監督はディディエ・シス(トーゴ)、パトリス・カルトロン(マリ)、サブリ・ラムシ(コートジボワール)であり、監督としてはフランス国内ではあまり知られていない3人の名が連なったのである。(続く)

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