第1535回 パリサンジェルマン、バルセロナと第1戦はドロー(3) スペイン勢に相性のいいパリサンジェルマン

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■国内リーグでのバルセロナとパリサンジェルマンの比較

 チャンピオンズリーグの優勝候補の筆頭ともいえるバルセロナ、今年のチャンピオンズリーグでもグループリーグは4勝1分1敗の勝ち点13でグループGを首位で突破、決勝トーナメントの1回戦はACミラン(イタリア)と対戦し、アウエーの第1戦は0-2と落としたものの、ホームの第2戦は4-0と大勝し、2回戦に進出した。そして国内リーグでも首位であるが、第27節を終了した時点で23勝2分2敗の勝ち点71、総得点85、総失点30で得失点差は+55という成績である。2位のレアル・マドリッドは18勝4分5敗の勝ち点58、総得点66、総失点25であり、勝ち点で13、得失点差で14の差をつけている。
 この数字をパリサンジェルマンをはじめとする他のリーグの首位チームと比較してみよう。フランスリーグはスペインよりも1試合多い第28節が終了しているが、パリサンジェルマンの成績は17勝6分5敗で勝ち点は57、総得点51、総失点18で得失点差は+33という成績である。フランスリーグの2位のリヨンは15勝8分5敗で勝ち点53、総得点47、総失点26で得失点差は+21である。パリサンジェルマンの成績はスペインのリーガ・エスパニョーラでは2位とほぼ同じである。また、1試合当たりの得点についてはバルセロナの3.15に対し、パリサンジェルマンは2.04、1試合当たりの得点に1点以上の差がある。パリサンジェルマンに勝機があるとすれば1試合当たりの平均失点が0.64とバルセロナの1.11のほぼ半分であることであり、堅い守備をベースにした試合運びをしたいところである。

■欧州レベルで図抜けているバルセロナとバイエルン・ミュンヘン

 イタリアのセリエAの首位のユベントスはフランスリーグ同様第28節まで終了しているが、19勝5分4敗で勝ち点62、総得点55、総失点18で得失点差は+37、バルセロナとの比較をするならば、パリサンジェルマンよりはやや近いが、相当の差があると言えるであろう。
 唯一、バルセロナに比肩するのはドイツのブンデスリーガの首位のバイエルン・ミュンヘンであろう。第25節を終えた時点で21勝3分1敗の勝ち点67、総得点67に対し総失点は10、得失点差は実に+57である。2位のボルシア・ドルトムントもチャンピオンズリーグの8強に残っているが、こちらの戦績は13勝7分5敗の勝ち点46、総得点55、総失点30で得失点差は+25である。すなわちバイエルン・ミュンヘンは2位に勝ち点で20の大差をつけており、ブンデスリーガは18チームで争われ第34節までしかないことから、おそらく準々決勝を戦っている間に優勝を決めてしまうことも十分に考えられ、シーズンの終盤をチャンピオンズリーグに絞って戦うこともできるであろう。

■過去の戦績は1勝1分1敗と互角

 このように国内リーグの戦績を見るとバイエルン・ミュンヘンとともに他を圧倒するバルセロナであるが、パリサンジェルマンとの過去の欧州カップでの直接対決の戦績は1勝1分1敗と全く互角である。最初に対戦したのは1994-95シーズンのチャンピオンズリーグである。チャンピオンズリーグの準々決勝で両チームは対戦している。1995年3月1日にバルセロナで行われた試合ではバルセロナが先制したがパリサンジェルマンはジョルジュ・ウェアのゴールで追いつきドロー、2週間後のパルク・デ・プランスでの試合は後半立ち上がりにバルセロナが先制したが、パリサンジェルマンはライーが同点ゴール、バンサン・ゲランが逆転ゴールを決め、準決勝に進出している。
 そして1996-97シーズンのカップウィナーズカップの決勝で両チームは対戦、ロッテルダムで行われた試合で連覇を狙ったパリサンジェルマンであるが、ロナウドのPKによる1点でバルセロナが優勝している。

■ホームアンドアウエー形式のノックアウト戦では4回ともスペイン勢を下しているパリサンジェルマン

 また忘れてはならないことであるが、パリサンジェルマンが欧州カップでスペイン勢に滅法強いということである。1992-93シーズンのUEFAカップでの伝説のレアル・マドリッド戦、そしてその翌シーズンのカップウィナーズカップ準々決勝でもレアル・マドリッドを下している。近くは今年の決勝トーナメント1回戦のバレンシア戦も同様、ノックアウト方式でスペイン勢に敗れたのは先述の1997年カップウィナーズカップの決勝だけであり、それ以外のホームアンドアウエー形式の4回はすべてスペイン勢を下しているのである。(続く)

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