第1551回 パリサンジェルマン、19年ぶり優勝(3) アウエーでトゥールーズに大勝、頭一つ抜け出す
一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■金曜日の試合で勝利し、暫定首位に立ったリヨン
後半戦に入り、最初の第20節で首位に立ったリヨンであるが、次の第21節でパリサンジェルマンに逆転され、再びパリサンジェルマンが首位に立った。しかし、第21節を終えた段階の勝ち点はパリサンジェルマンとリヨンが42で並び、マルセイユが41で追う立場になる。
第22節も金曜から日曜日までの3日間にわたって行われ、3強はそれぞれ違う日に登場し、リヨン、マルセイユ、パリサンジェルマンの順に試合を行う。先に戦ったチームの結果が次に戦うチームに心理的圧力を与えることもあろう。
1月25日、バランシエンヌで試合を行うのが前節に首位から陥落したリヨンである。リヨンはこの試合、8分にフォフォナが先制点、さらに28分にはアレクサンドル・ラカゼットのパスを前節のエビアン戦で振るわなかったバフェタンビ・ゴミスが決めて2-0と勝利し、勝ち点3を獲得、パリサンジェルマンをかわして暫定首位となる。
■マルセイユ、2度のリードを追い付かれドロー
その翌日の1月26日にはレンヌでマルセイユが登場、レンヌのフレデリック・アントネッティ監督、マルセイユのエリ・ボー監督、この2人は現在の1部リーグで最もキャリアの長い監督2人である。これまでの対戦はボー監督8勝、アントネッティ監督5勝、そして5つの引き分けである。3位のマルセイユが5位のレンヌを常に先行する形で試合は進み、37分にアンドレ・アユーが先制、レンヌは後半に入って58分にロマン・アレサンドリーニからのCKをケビン・テオフィル・カトリーヌがヘディングで同点ゴール。82分にはマルセイユはジョルダン・アユーが勝ち越し点を奪うが、88分にレンヌはアレサンドリーニが起死回生の同点ゴール。ガーナ代表から漏れたアユー兄弟の活躍にもかかわらず、マルセイユにとっては痛いドローとなり、勝ち点でパリサンジェルマンと並ぶにとどまった。
■パリサンジェルマン、幸運なオウンゴールで首位奪還
2日前に首位の座を奪われたパリサンジェルマンは2年前のリーグチャンピオンのリールをパルク・デ・プランスに迎える。リールであるが、メンバーを見る限り、リーグ中位の11位に甘んじているような陣容ではない。試合はパリサンジェルマンが優勢に進めつつもリールもよく守り、特にリールのストッパーのオーレリアン・シュジューがズラタン・イブラヒモビッチを完封、0-0で折り返す。そして後半に入って68分、パリサンジェルマンのエセキエル・ラベッシが右からクロスをあげる。このクロスボールをリールのGKのスティーブ・エラナが飛び出すが処理できず、シュジューに当たり自らのゴールにボールが吸い込まれる。パリサンジェルマンにとっては幸運な得点であった。この1点を堅守のパリサンジェルマンは守りきり、リールに勝利、リヨンと勝ち点45で並び、得失点差(パリサンジェルマン:+26、リヨン:+19)で上回り、リヨンに奪われた首位をわずか2日で取り戻したのである。
■パリサンジェルマン、アウエーで大勝、ライバルたちは敗れる
続く第23節、2月1日から3日にかけて行われ、金曜日の1日には首位のパリサンジェルマンがトゥールーズと対戦する。このアウエーでの試合でパリサンジェルマンはゴールラッシュで4-0と大勝する。この時点で2位リヨンとは勝ち点で3差、そして得失点差で11点の差をつけた。この大勝で追う2チームは戦意を喪失させたのか、翌々日に登場したリヨンは昼間のアウエーでの試合でアジャクシオに1-3と敗れ、マルセイユは夜のホームでの試合でナンシーに0-1と敗れる。
ライバルたちが次々と敗れ、2月最初の第23節が終了した時点でパリサンジェルマンは頭一つリードしたかに見える。しかし、フランスリーグは第38節まである。長丁場のシーズンであり、上位陣同士の直接対決も後半戦ではまだ行われていないのである。(続く)