第1552回 パリサンジェルマン、19年ぶり優勝(4) 盤石のパリサンジェルマン、久しぶりの失点と敗戦

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■無失点記録が949分で止まるが、バスティア相手に快勝

 後半戦の4試合目となる第23節で勝利し、ライバルのリヨンに勝ち点3、マルセイユに勝ち点6の差をつけたパリサンジェルマン、続く第24節も3強は同じような結果になり、パリサンジェルマンがさらに差を広げることになった。
 第23節に続き、第24節もパリサンジェルマンはライバルの2チームより先に試合を行う。パリサンジェルマンは金曜日の2月8日にバスティアをパルク・デ・プランスに迎える。バスティアは13位であるが直近の3試合は2勝1分と好調である。一方のパリサンジェルマンはリーグ戦では昨年12月1日のニース戦を最後に無失点である。前半は好調同士の両チームの戦いらしく、互角の戦いで両チーム無得点。そして先にゴールネットを揺らしたのはパリサンジェルマンであった。56分にハビエル・パストーレからのパスを受けたジェレミー・メネスがかつてパリサンジェルマンに所属していたミカエル・ランドローの守るゴールを破って先制点。そしてこの日はベンチスタートだったズラタン・イブラヒモビッチが途中出場し、72分にPKを決めて2-0と差を広げる。この得点で気が緩んだのか、83分に途中出場してきたワビ・カズリが30メートル以上のFKをゴールに蹴り込み、堅守を誇っていたサルバトーリ・シリグの頭上を抜けてゴールを決める。パリサンジェルマンにとっては949分ぶりの失点となった。しかし、パリサンジェルマンは終了間際にエセキエル・ラベッシがダメ押しゴール、3-1と勝利した。

■2人の退場を出したマルセイユはドロー、リールに敗れたリヨン

 このパリサンジェルマンの勝利の翌々日の10日の日曜日の午後、マルセイユはエビアンとアウエーで対戦。4位のサンテチエンヌは前日に雪中の戦いでモンペリエを4-1と下しており、勝ち点2差に迫られている。マルセイユはアンドレ・ピエール・ジニャックのゴールで50分に先制したところまではよかったが、57分にサイドDFのラフィディーヌ・アブダラーがペナルティエリア内でリールのサベル・カリファにファウル、PKを献上するとともに、アブダラーは2枚目のイエローカードとなり退場する。このPKをエビアンのヤニック・サグボが決めて同点となる。勝ち越したいマルセイユは73分にマチュー・バルブエナに代えてジョルダン・アユーを投入。しかしこの交代が裏目に出る。出場直後にジョルダン・アユーはイエローカードを受け、出場して2分もたたないうちに今度はファウルし、2枚目のイエローカードを受け、退場処分となる。2人少ないマルセイユが勝ち越し点を奪うことはできず、勝ち点1を獲得するにとどまり、パリサンジェルマンとの勝ち点差は8である。
 夜になり、リヨンはリールとアウエーで対戦。リヨンは精彩を欠き、リールに3点を先行され、リサンドロ・ロペスがPKで1点を返すのが精一杯、1-3と敗れ、パリサンジェルマンとの勝ち点の差は2勝分に相当する6になった。

■ロスタイムに決勝点をあげたマルセイユ、ボルドーに大勝したリヨン

 2節連続して3強の中で勝利したのがパリサンジェルマンだけとなり、首位と2位以下の差が開いたが、第25節では逆の現象が起こった。土曜日の2月16日、マルセイユはホームにバランシエンヌを迎える。因縁の相手との対戦はマルセイユが一方的に押し込むがなかなか得点を奪うことができず、ロスタイムに入る。3戦連続して勝ち星なしか、と思われた94分、ジェレミー・モレルからのクロスを前線に上がっていたロッド・ファンニが右足で決勝ゴール。マルセイユは暫定的ではあるが、リヨンを抜き2位浮上、パリサンジェルマンに勝ち点5差に迫ったのである。
 日曜日の17日の夕方、リヨンはボルドーとアウエーで対戦。2戦連続して勝ち星のなかったリヨンはゴールラッシュでボルドーを4-0と一蹴する。この段階でリヨンは2位に復活、パリサンジェルマンとの勝ち点差を3として、21時からソショーで行われるパリサンジェルマンの試合を見守ったのである。

■伏兵ソショーに敗れ、今年初めての敗戦

 ソショー相手にパリサンジェルマンは試合を支配するがパスミスが目立つ。しかし、29分にはパストーレのパスからアレックスが先制、しかし同点に追いつかれ、後半立ち上がりには逆転される。76分にソショーのオウンゴールで追いついたパリサンジェルマンであったが、84分にソショーはセドリック・バカンブが勝ち越し点を決め、パリサンジェルマンは2013年になって公式戦で初めての黒星、リーグ戦では昨年12月のニース戦以来10試合ぶりに敗れたのである。(続く)

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