第1584回 U-20ワールドカップで初優勝(3) 好調な成績で本大会入りする21人

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■シーズン最初の中国・秦皇島での4か国対抗大会で優勝

 昨年7月にリトアニアで開催されたU-19欧州選手権の準決勝でスペインにPK戦で敗れたものの、今年のU-20ワールドカップの出場権を獲得したフランス、U-20ワールドカップの連続出場は初めてのことである。
 ワールドカップ出場を決めたチームの再始動は昨年9月に中国の秦皇島で開催された4か国対抗大会である。秦皇島と言えば北京オリンピックの際に日本女子チームがグループリーグ2試合と準々決勝の中国戦を行ったことから日本の皆様はよくご存じであろう。
 フランスは初戦の中国戦はスコアレスドローで引き分け、第2戦の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)戦は前半は無得点であったが、後半に3得点を入れ、3-1と勝利する。そして最終戦のメキシコ戦も3-1と勝利し、幸先よく優勝する。

■親善試合で4連勝、トゥーロン国際は3位

 その後も、昨秋から今春にかけて親善試合を行い、ウクライナ、ポルトガル、デンマーク、ルーマニア相手に4連勝する。
 リーグ戦も終わり、いよいよトゥーロン国際の季節となる。今年で41回目を迎える伝統ある大会、今年は日本の姿が見えない。前々年のU-18のチームからこのチームはピエール・マンコウスキーが指揮を執ってきたが、このトゥーロン国際は2000年代にフランス代表のDFとして活躍したビリー・サニョルが監督となる。10か国が参加しフランスはグループリーグで米国、コンゴ人民共和国に勝利したが、韓国と引き分け、コロンビアに敗れ、グループ2位となり3位決定戦にまわる。3位決定戦でポルトガルを下し、久しぶりの優勝はならなかったが、まずますの成績を残すことができたのである。

■エントリーされた21人の選手

 そしてトルコで行われたU-20ワールドカップにエントリーした21人のメンバーを紹介しよう。GKは3人、アルフォンス・アレオラ(パリサンジェルマン)、ポール・シャルオー(バランシエンヌ)、マキシム・デュペ(ナント)、DFは8人、ディミトリ・フルキエール(レンヌ)、ピエール・イブ・ポロマ(サンテチエンヌ)、ルーカス・ディーニュ(リール)、クルト・ズーマ(サンテチエンヌ)、サミュエル・アンティティ(リヨン)、ユスーフ・サバリ(パリサンジェルマン)、ナビー・サール(リヨン)、クリストファー・ジュリアン(オセール)、MFは5人、ジョフレイ・コンドグビア(スペイン・セビリア)、マリオ・レミナ(ロリアン)、ジョルダン・ブルトゥ(ナント)、ポール・ボグバ(イタリア・ユベントス)、アクセル・エンガンド(レンヌ)、FWも5人、アレクシー・ボゼッティ(ニース)、フローリアン・トーバン(バスティア)、ジャン・クリストフ・バーエベック(トロワ)、ヤヤ・サノゴ(オセール)、チボー・ビオン(ポルトガル・ポルト)という陣容である。

■注目のポール・ボグバをはじめとする国外組

 1993年1月1日以降生まれの選手に出場資格があるため1993年世代といわれるが、最大の注目選手は本連載でも取り上げたことのあるボグバである。3月のワールドカップで代表入りし、グルジア戦には途中出場、スペイン戦には先発出場している。今回の南米遠征も当然メンバーのリストには入ったが、このU-20ワールドカップのチームの中心となることになった。ブラジル行きは来年の本大会の楽しみとしてとっておこう。
 このチームにはポグバを含む3人が国外のクラブに所属しているが、セビリアのコンドグビアはRCランスでレギュラーを獲得し、2012年夏にセビリアに移籍、セビリアでもほとんどの試合に出場し、将来のフランス代表を背負って立つ人材の1人であろう。またビオンはまだポルトではBチームである。
 大会前の親善試合でギリシャに勝利し、コロンビアと引き分ける。昨年9月以降の戦績は実に10勝3分1敗という成績で本大会に臨むのである。(続く)

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