第1596回 帰ってきたモナコ、首位に立つ(3) マルセイユとの首位攻防戦で逆転勝利、首位奪還

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■土曜の夜以外の試合が増えたフランスリーグ

 大型補強で注目されたモナコ、1部復帰初戦のアウエーのボルドー戦で2-0と勝利し、白星で発信する。第1節10試合のうちアウエーで勝利したのはモナコとサンテチエンヌとマルセイユの3チームである。今季のフランスリーグはテレビ中継の関係で土曜日の夜以外の試合が増えた。金曜の夜に1試合、土曜日の夕方に1試合、土曜日の夜に5試合、日曜の昼に1試合、夕方に1試合、夜に1試合となり、土曜日の夜に行われるのは半分だけになった。

■エマニュエル・リビエールのハットトリックでホームでも勝利

 さて、第2節のモナコ、待望のホームゲームである。モナコの登場は日曜日の昼間、8月18日の14時である。相手はモナコが2部で戦っていた1年目に1部で優勝したモンペリエである。モンペリエは優勝時のエースで得点王となったオリビエ・ジルーがイングランドのアーセナルに移籍し、戦力ダウン、昨年は9位と不本意な成績であったが、今年は巻き返したい。前回の本連載で紹介した通り、開幕戦は前年度王者のパリサンジェルマンとホームで引き分け、今季初勝利を同じ地中海を望むモナコであげたいところである。
 この試合、モナコは第1節で得点をあげたエマニュエル・リビエールを先発出場させ、ラダメル・ファルカオと2トップを組む。この布陣が功を奏し、モナコが先手を取る。18分にPKを得てファルカオが決めて先制、モンペリエも24分に追いつくが、前半終了間際にリビエールが勝ち越し点を奪い、前半をリードして折り返す。後半に入ってもリビエールの勢いは止まらず、57分と80分に得点をあげ、ハットトリックを達成する。フランスリーグで今季初めてのハットトリックをあげたリビエールは2試合で4得点と、得点王争いのトップになるとともに、大型補強組以外も活躍していることをファンに知らしめたのである。
 第2節まで終えた時点で連勝してスタートしたのはモナコ以外にリヨン、マルセイユ、サンテチエンヌいうビッグクラブが並んだ。得失点差で首位はリヨン(+6)、2位がモナコ(+5)、3位がマルセイユ(+4)、4位がサンテチエンヌ(+2)となっている。

■第3節のトゥールーズ戦はスコアレスドロー、順位は2位をキープ

 第3節は8月23日の金曜日にモナコは登場し、トゥールーズとのホームゲームである。この試合も第2節のモンペリエ戦同様、リビエールとファルカオが2トップを組む。古巣のトゥールーズ相手に得点を決めたいリビエールであったが、この日は得点をあげることができず、スコアレスドローとなり、モナコは3連勝することができなかったが、この段階で勝ち点1を上積みし、勝ち点7となり、暫定ではあるが首位に躍り出た。
 その翌日、マルセイユが因縁のバランシエンヌ戦で1-0と勝利し、首位の座は一夜で明け渡すことになったが、首位グループでつまずいたのは第2節と第3節の間にチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのプレーオフを戦ったリヨンとサンテチエンヌである。リヨンはスタッド・ランスに、サンテチエンヌもリールにいずれもアウエーで0-1で敗れ、モナコは順位を2位にキープしたまま第4節を迎えたのである。

■首位マルセイユに逆転勝利、首位に立ったモナコ

 第4節が行われたのは8月31日と9月1日であった。第4節ではモナコはアウエーで首位マルセイユと対戦する。かつての黄金カードが早くも首位攻防戦となり、第4節の一番最後の試合、すなわち9月1日の21時キックオフということでファンの注目を集めた。第4節はリヨンが最下位のエビアンに1-2と敗れる波乱で始まり、9月1日には昼14時キックオフの試合でサンテチエンヌがボルドーを下し、勝ち点を9に伸ばす。そして勝ち点9のマルセイユの本拠地ベロドロームに勝ち点7の復帰組のモナコが乗り込む。
 この試合の前にモナコはU-20ワールドカップ優勝でフランス代表入りしたジョフレイ・コンドグビアを獲得、夏の移籍市場最後のビッグディールとなった。ベロドロームの5万の大観衆の前で先制したのはマルセイユ、44分にゴールをあげ、モナコは今季初めてリードを許す。しかし、後半に入り57分にファルカオが同点ゴール、さらに73分にファルカオに代えてリビエールを投入すると、リビエールが79分に勝ち越し点を決める。ブーイングの中モナコが勝利、マルセイユを2-1と下して、首位に立ったのである。(この項、終わり)

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