第1604回 プレーオフをにらむフランス(1) 2位がほぼ確定したフランス

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■2位以内が確定したスペインとフランス

 前回までの本連載では大詰めを迎えたワールドカップ予選でのグルジア戦、ベラルーシ戦の模様を紹介した。この時点のグループIの順位を確認してみよう。首位はスペイン、4勝2分で勝ち点14(得失点差+8)、2位はフランスで4勝2分1敗で勝ち点14(得失点差+6)、3位はフィンランドで2勝3分2敗で勝ち点9、4位はグルジアで1勝2分4敗で勝ち点5、最下位の5位はベラルーシで1勝1分5敗で勝ち点3となっている。
 2位のフランスと3位のフィンランドの勝ち点差は5、フィンランドは残り1試合であることから、スペインとフランスの2位以内が確定した。

■首位をほぼ手中にしているスペイン、プレーオフ濃厚なフランス

 首位争いに関してはスペインとスペインは勝ち点では並んでいるものの、消化試合数が違う。スペインは残り2試合、フランスを含めてグループIのほかのチームは残り1試合である。したがって、フランスが最後のフィンランド戦で勝利しても、スペインが残りをホームで戦うベラルーシ戦とグルジア戦で1勝1分以上の戦績を残すとスペインが首位となる。またフランスが最終戦で勝利し、スペインが残り2試合を1勝1敗となった場合、あるいはフランスもスペインも残り全試合負けた場合、スペインとフランスは勝ち点で並ぶがその場合、まず総得失点差で順位が決まることになる。いずれにせよ、スペインがホームでの2試合で敗れる可能性は非常に少なく、スペインが首位、フランスが2位をほぼ確定したと言えるであろう。

■順位がほぼ決定したグループAのベルギーとクロアチア

 フランスは10月に豪州との親善試合、フィンランドとの予選の試合を残しているが、気になるのは11月15日と19日に行われるプレーオフであり、他のグループの動向である。
 欧州予選は9つのグループに分かれて行われているが、2位チームのうちでプレーオフに出場できるのは上位8チームだけである。さて、他のグループの状況を見てみよう。グループI以外の8グループは6チームからなるグループで、グループA以外のグループBからグループHは各チームとも8試合消化し、残り2試合である。
 フランスとスペインの争うグループIは順当な結果に落ち着きつつあるが、他のグループの状況を見ると、グループIのようにほぼ順位が確定したグループ、すでに本大会出場を決めたチームのあるグループ、予想外の結果となったグループ、混戦となっているグループなどさまざまである。
 まず、グループIと同様にほぼ順位が決まったのがグループAである。
 グループAは第3シードのベルギーが勝ち点22で首位(残り2試合)、2位に第2シードのクロアチア(勝ち点17、残り2試合)、3位に第3シードのセルビア(勝ち点11、残り1試合)ということでベルギーとクロアチアが2位以内を決めており、直接対決は残っているものの、ベルギーの首位突破、クロアチアの2位が濃厚である。

■出場権を獲得したイタリアとオランダ

 次にすでに首位突破を決めたのがグループBのイタリアとグループDのオランダである。
 グループBは第1シードのイタリアが6勝2敗の勝ち点20という安定した成績で本大会出場を決めた。2位争いが興味深く、第4シードのブルガリアが勝ち点13、第2シードのデンマークが勝ち点12、勝ち点1差であるが、両チームとも残り2試合、ブルガリアはチェコ戦、デンマークはイタリア戦を残している。
 グループDも第1シードのオランダが快調な戦いを見せ、7勝1分で勝ち点22で本大会出場を決めている。このグループは3チームが2位の座を争っている。現段階で2位は第3シードのハンガリーで勝ち点14、第2シードのトルコが勝ち点13(得失点差+7)が3位、第4シードのルーマニアが勝ち点13(得失点差+1)と混戦である。2位の座を狙う3チームは残りの試合で直接対決はない。オランダは実力が抜きんでているとはいえ、すでに本大会出場を決めている。このオランダとの戦いを残しているのがハンガリーとトルコである。
 首位が早々と決まったグループBとDであるが、2位争いは最後までもつれるであろう。(続く)

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