第1605回 プレーオフをにらむフランス(2) 最終節まで順位争いが予想される4グループ

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ドイツの首位、スウェーデンの2位が濃厚なグループC

 前回の本連載ではほぼ順位が決まったグループと、首位が独走し、早々と出場権を獲得したグループを紹介したが、グループCはその中間と言える。第1シードのドイツは7勝1分の勝ち点22と独走している。2位は第2シードのスウェーデンは勝ち点17、最終節はホームでドイツとの直接対決であるが、その前の10月11日にドイツがホームでアイルランド相手に引き分け以上の成績を残せば、ドイツの1位が確定する。また古豪オーストリアも勝ち点3差でスウェーデンを追っている。アイルランドはスウェーデンと勝ち点6差であり、数字の上では2位に入ることも可能であるが残り2試合で大量得点差の勝利が必要であり、首位ドイツ、2位スウェーデンが濃厚であろう。

■アイスランド、スロベニア、ノルウェーの2位争い

 首位がほぼ決まったが、2位争いが熾烈なのがグループEである。第3シードのスイスが勝ち点18で首位、予想外の展開となった。2位は第4シードのアイスランドが勝ち点13、3位は第3シードのスロベニアで勝ち点12、第1シードのノルウェーは勝ち点11で4位に甘んじている。残り1勝で本大会出場となるスイスは残り試合にアルバニア戦を残しており、ほぼ本大会出場は確実である。注目は勝ち点2差の中に3チームがひしめく2位争いである。10月11日のスロベニア-ノルウェー戦、15日のノルウェー-アイスランド戦と直接対決が2試合残っており、プレーオフに出場濃厚なフランスとしては最も気になるグループであると言えよう。

■ロシアとポルトガル、ボスニア・ヘルツェゴビナとギリシャの首位争い

 上位2チームで激しい首位争いを繰り広げているのがグループFとグループGである。 グループFは第2シードのロシアが勝ち点18、第1シードのポルトガルが勝ち点1差の17で追っている。3位は第3シードのイスラエルで勝ち点12、残り2試合の対戦相手はロシアは最下位のアゼルバイジャンと5位のルクセンブルクと下位チームとの連戦であり、一方ポルトガルはイスラエルと10月11日に直接対決があるため、ロシアが首位突破に向けて優位な立場にある。
 グループGはこの段階で首位に勝ち点の同じチームが並んでいる唯一のグループである。第3シードのボスニア・ヘルツェゴビナと第1シードのギリシャがともに6勝1分1敗の勝ち点19で並び、ともに2位以内を確定した。得失点差ではボスニア・ヘルツェゴビナが+20とギリシャの+5を大きくリードしている。残り試合はボスニア・ヘルツェゴビナは最下位のリヒテンシュタインと4位のリトアニア、ギリシャが3位のスロバキアとリヒテンシュタインであり、ここまで8試合で25得点という驚異的な得点力を誇るボスニア・ヘルツェゴビナが優位であろう。

■4チームに首位突破の可能性のあるグループH

 グループHは大混戦のグループである。首位は第1シードのイングランドで勝ち点16、2位は第3シードのウクライナで勝ち点15(得失点差+15)、3位は第2シードのモンテネグロで勝ち点15(得失点差+7)、4位は第4シードのポーランドで勝ち点13となっている。5位のモルドバは勝ち点5、6位のサンマリノは勝ち点0であり、下位2チームの勝ち点の合計5は9グループの中で最小であり、上位4チームが星をつぶしあっている。首位イングランドと4位ポーランドの勝ち点差はわずか3、それ以外のグループで首位と4位の勝ち点差は最大で14(グループAでベルギーの22とスコットランドの14)、最小でも7(グループEでスイスの18とノルウェーの11)であり、残り2試合の目が離せない。10月11日にウクライナ-ポーランド戦とイングランド-モンテネグロ戦と4強同士の戦いがあり、15日には4強同士の戦いはイングランド-ポーランド戦があり、ウクライナとモンテネグロは下位2チームとの対戦となる。上位陣との連戦の続くのがイングランドとポーランドであるが、イングランドは2試合ともホームゲーム、ポーランドは2試合ともアウエーゲーム、このあたりも首位争い、2位争いに影響を与えそうである。(続く)

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