第1624回 チャンピオンズリーグ グループリーグ中盤戦(4) 3連敗のマルセイユ、3連勝のパリサンジェルマン
一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■同じ相手と連戦する第3節と第4節
フランスのクラシックと言われるマルセイユ-パリサンジェルマン戦はチャンピオンズリーグ連勝スタートのパリサンジェルマンが、連敗スタートのマルセイユに逆転勝ちした。
グループリーグの前半戦最後の試合となる第3節もこの両チームは同じ結果となった。第3節は10月22日と23日に行われる。第3節と第4節は同じ相手と対戦する。したがって、第3節で勝利をあげれば第4節でも優位に立つことができる。グループCのパリサンジェルマンはベルギーのアンデルレヒト、グループFのマルセイユはイタリアのナポリと対戦する。
■ナポリに敗れて3連敗となったマルセイユ
フランス勢は22日にマルセイユがナポリをホームに迎え、23日にパリサンジェルマンがアンデルレヒトとアウエーで対戦する。ナポリはここまで1勝1敗、ホームでボルシア・ドルトムント(ドイツ)に勝利し、アウエーでアーセナル(イングランド)に敗れており、ボルシア・ドルトムントと勝ち点で並ぶ3位である。ホームでマルセイユは勝利しておきたいところであったが、マルセイユはパリサンジェルマン戦の次に行われたニースとの試合でも敗れ、チャンピオンズリーグ第2節のボルシア・ドルトムント戦から3連敗でこのナポリ戦を迎える。
この日は1トップにアンドレ・ピエール・ジニャックを起用したマルセイユであったが、元気のない戦いで、ナポリがマルセイユを圧倒する。ナポリは前半終了間際の42分にゴンサロ・イグアインが得点を演出する。ナポリは今夏エディソン・カバーニをパリサンジェルマンに放出し、6000万ユーロという大金を得る。この大金を使って獲得したのがレアル・マドリッド(スペイン)のイグアインであり、かつてはフランス代表入りも検討されたストライカーである。イグアインからのクロスを同時期にレアル・マドリッドから移籍してきたカジュホンがゴールし、前半を折り返す。後半に入っても67分に注目のベルギー代表ドリエス・メルテンスから出されたボールをコロンビア人のデュバン・サパタのミドルシュートで追加点。対するマルセイユは86分にアンドレ・アユーがボレーシュートで1点を返すのとどまり、1-2で敗れ3連敗となったのである。
■20年ぶりの対戦となった首都対決
その翌日、パリサンジェルマンはブリュッセルのコンスタン・ファンデンストック競技場に姿を見せる。パリsなジェルマンはマルセイユ戦の次に行われたバスティア戦でも4-0と大勝し、マルセイユとは対照的な成績でこの第3節を迎える。アンデルレヒトと言えばピエール・イブ・カルパンティエのイメージがあまりにも強烈であるが、フランスとパリの首都にあるクラブ同士の対戦となった。両チームはちょうど20年前にUEFAカップの3回戦で対戦し、ブリュッセルの第1戦はアントワン・コンブアレのゴールでパリサンジェルマンが1-1と追いつき、パリでの第2戦はスコアレスドローでパリサンジェルマンが準々決勝に進出し、それ以来20年ぶりの対戦となった。
■ズラタン・イブラヒモビッチ、驚きの4ゴール
立ち上がりこそアンデルレヒトは攻めたものの、それ以降はパリサンジェルマンがアンデルレヒトを圧倒する。パリサンジェルマンの先制点は17分、ズラタン・イブラヒモビッチがグレゴリー・ファンデルビールのクロスをシュートしてゴールネットを揺らす。このコンビはその5分後も機能し、22分にもイブラヒモビッチが追加点をあげる。この日絶好調のイブラヒモビッチは36分には25メートルのミドルシュートを豪快に決めて、ハットトリックを達成する。
後半に入ってパリサンジェルマンは52分にゴール前で相手のミスからボールを奪い、今季の新戦力として注目のカバーニが得点を決めて、4-0とする。そしてイブラヒモビッチの勢いは止まらず、67分にもマルコ・ベラッティからのパスをきれいに決めてこの日4点目。追加点を奪うチャンスもあったが、5-0というアウエーで大勝したパリサンジェルマンは3連勝を飾ったのである。(続く)