第1638回 チャンピオンズリーググループリーグ終了(1) 5連敗マルセイユ、最下位決定

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■折り返し点を迎えるクラブシーン

 本連載ではワールドカップ出場をかけたウクライナとのプレーオフ、そして本大会の組み合わせ抽選について紹介してきたが、国内、欧州でのクラブのサッカーシーンは例年通り進んでいく。国内リーグに関しては年内で前半戦が終了するとともに、年が明けると1部勢はフランスカップに参戦し、リーグの後半戦も始まる。また、欧州においてはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグが年内で終了し、決勝トーナメント進出チームが決まる。

■3強1弱となったグループF

 本連載では第1621回から第1625回にかけてチャンピオンズリーグの第2節から第4節にかけてのパリサンジェルマンとマルセイユの戦いについて紹介してきたが、終盤の第5節と第6節の戦いについて紹介しよう。
 チャンピオンズリーグの第5節は11月26日と27日に行われた。前週に行われたプレーオフの興奮も冷めない中での第5節、火曜日の26日に登場したのはグループFのマルセイユである。第4節を終えた段階でのグループFの順位はアーセナル(イングランド)とナポリ(イタリア)がいずれも3勝1敗の勝ち点9で並ぶが、得失点差でアーセナルが+3、ナポリが+1となっており、アーセナルが1歩リードしている。3位はボルシア・ドルトムント(ドイツ)で2勝2敗で勝ち点6、得失点差+2である。
 そしてマルセイユは4連敗で勝ち点0、得失点差-6とこのグループの中で1人負けである。すでに3位以下は決定しているが、数字の上ではマルセイユが連勝し、ボルシア・ドルトムントが連敗すれば勝ち点で並び、得失点差等で上回って3位に入ることができる。最終戦ではマルセイユはボルシア・ドルトムントをホームのベロドロームに迎えることから、何とか3位になってヨーロッパリーグに転戦したいところである。

■プレーオフの立役者マチュー・バルブエナを擁するマルセイユ

 マルセイユの第5節はアウエーでのアーセナル戦である。アーセナルは3強1弱の構造のグループFで一歩抜け出すためにも4連敗中のマルセイユに対して勝ち点3を確保したいところである。欧州の舞台では振るわないマルセイユであるが、第4節でナポリに敗れた後はウクライナとのプレーオフを挟んで行われたソショー戦、アジャクシオ戦で連勝、リーグ順位は4位とまずまずの位置にいる。フランス代表選手についていえばアーセナルはローラン・コシエルニー、オリビエ・ジルーとウクライナとのプレーオフでは第1戦に出場し、精彩を欠いた2人と出番のなかったバカリ・サーニャであるのに対し、マルセイユは中盤で大活躍したマチュー・バルブエナ、そしてベンチで戦況を見守った第2GKのスティーブ・マンダンダ、ディミトリ・ペイエという陣容である。それ以外にこの11月中旬にワールドカップ予選を戦ったメンバーとしてはマルセイユのアンドレ・アユーとジョルダン・アユーがガーナ代表として本大会出場を勝ち取っている。
 残念なことに、マルセイユは直前のプレーオフで活躍したバルブエナはベンチスタート、ペイエは負傷でメンバーから外れ、ジョルダン・アユーは先発したがアンドレ・アユーはメンバー登録から外れる。アーセナルはサーニャ、コシエルニー、ジルーが先発メンバーに名を連ねる。

■イングランド代表ジャック・ウィルシャーが2得点

 試合は10月にワールドカップ出場を決めていたメンバーが活躍する。まず開始30秒、イングランド代表の若き21歳のタレント、ジャック・ウィルシャーが先制点をあげる。試合化は離れていたサーニャのパスをスピードあふれるプレーでシュートした。以後もアーセナルが攻め続け、マルセイユはチャンスを作れない。アーセナルの37分のメスト・エジルのPKをマンダンダがストップ、マルセイユに流れが変わるかに見えたが、後半に入ってからのバルブエナ投入も実らず、65分にはウィルシャーが2点目を決める。
 0-2と敗れ、5連敗となったマルセイユは最下位が確定、11月で早くも欧州の舞台から去ることが決まったのである。(続く)

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