第1639回 チャンピオンズリーググループリーグ終了(2) パリサンジェルマン、首位通過確定
一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■決勝トーナメントまで残り勝ち点1のパリサンジェルマン
前回の本連載ではチャンピオンズリーグの第5節でマルセイユがアーセナル(イングランド)に0-2で敗れ、5連敗となったマルセイユは最終節を残して最下位が決定し、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグという欧州の舞台から退出することになった。
マルセイユと対照的な成績を残してきたのがライバルのパリサンジェルマンである。ここまで4試合で3勝1分と負けなしで勝ち点10。2位のオリンピアコス(ギリシャ)は2勝1分1敗で勝ち点7、3位のベンフィカ(ポルトガル)は1勝1分2敗で勝ち点4、そして最下位のアンデルレヒト(ベルギー)は1分3敗で勝ち点1、と首位から最下位まで勝ち点3ずつの差で並んでおり、パリサンジェルマンはあと勝ち点1を獲得すれば2位以内が確定する。
■プレーオフを勝ち抜いた両国のリーグチャンピオンの戦い
そのパリサンジェルマンの第5節は2位のオリンピアコスを本拠地パルク・デ・プランスに迎える。昨シーズンのフランスチャンピオンとギリシャチャンピオンの戦いとなるが、両国はプレーオフでワールドカップ出場を決めたばかりである。
パリサンジェルマンでプレーオフを戦った選手はフランス代表ではブレーズ・マツイディだけであるが、ウルグアイ代表のエディソン・カバーニもレバノンとの大陸間プレーオフに出場している。そして忘れてはならないのがポルトガルに敗れたスウェーデンのズラタン・イブラヒモビッチである。一方のオリンピアコスであるが、ギリシャ代表選手が目白押しであり、6人をプレーオフのメンバーに送っている。その中で注目すべきはエースのコンスタンティノ・ミトログル、守備陣では主将のジャニス・マニアティス、ホセ・ホレバス、ディミトリス・シオバスなどであろう。またプレーオフに出場していない選手としては、アルゼンチン代表として活躍したハビエル・サビオラも今季スペインのマラガから加入した。
■ワールドカップ出場を逃したズラタン・イブラヒモビッチが先制ゴール
おそらく最後となるであろうワールドカップ出場を逃したイブラヒモビッチも先発メンバーに名を連ね、定位置のCFとしてファンの拍手を浴びる。そしてイブラヒモビッチがこの日もまた先制点を決める。開始間もない7分、右サイドDFのグレゴリー・ファンデルビールがカバーニめがけてクロスをあげる。このこぼれ球に反応したイブラヒモビッチが至近距離から先制点をあげる。
試合はこのまま進むが、後半の立ち上がり早々、パリサンジェルマンのマルコ・ベラッティがこの日2枚目のイエローカード、パリサンジェルマンは残り45分を10人で戦わなくてはならなくなった。
数的に不利になったパリサンジェルマンであるが、ボールを支配し、1点リードのまま終盤を迎える。80分、オリンピアコスは左サイドからのCKを得る。このCKをストッパーのコスタス・マノラスがヘディングでシュート、こぼれたところを今度は蹴り込んで同点に追いつく。
■勝ち越しゴールはウルグアイ代表のエディソン・カバーニ
引き分けても決勝トーナメント進出の決まるパリサンジェルマンであるが、ここまでの成績を考えれば本拠地で引き分けはあり得ない。そのファンの期待に応えたのがウルグアイでのプレーオフから戻ってきたカバーニである。90分にパリサンジェルマンはマルキーニョスが同点ゴールのマノラス、主将のマニアティスというオリンピアコスの守備陣の間を狙ったスルーパス、このパスを受けたのはカバーニ、GKと一対一になり、冷静にゴールを決めて勝ち越す。
パリサンジェルマンはプレーオフで明暗の分かれたスウェーデンのイブラヒモビッチとウルグアイのカバーニのゴールでオリンピアコスに勝利し、グループリーグを首位で突破することになったのである。グループリーグ5試合で4勝1分の勝ち点13、これは19年前にリーグチャンピオンとして出場した1994-95シーズンの5連勝以来の好成績であり、2月からの決勝トーナメントが楽しみである。(続く)