第1641回 ヨーロッパリーグ グループリーグ (1) 第1シード上位に入ったリヨンとボルドー

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■プレーオフで敗れたサンテチエンヌとニース

 前回までの本連載でチャンピオンズリーグを戦ったフランス勢のパリサンジェルマンとマルセイユを紹介したが、今回からはもう1つの欧州のタイトルのヨーロッパリーグについて紹介しよう。今季のヨーロッパリーグに参戦したフランス勢は昨季リーグ4位のニース、昨季のフランスカップの勝者のボルドー、昨季のリーグカップの勝者のサンテチエンヌの3チームであるが、この中でグループリーグに無条件で参戦できるのはボルドーだけであり、サンテチエンヌは予備戦3回戦とプレーオフ、ニースはプレーオフに勝たなければ9月に始まるグループリーグに出場できない。
 サンテチエンヌは8月初めに始まった予備戦3回戦はモルドバのミルサミにホーム、アウエーとも連勝したが、プレーオフはデンマークカップの勝者であるエスビャウに連敗し、8月末の段階で欧州の舞台を断念せざるを得なかった。
 ニースはプレーオフでキプロスのカップウィナーのアポロン・リマソルと対戦する。アウエーの第1戦はアポロン・リマソルが勝利、ニースのホームゲームは開始早々の4分にニースのダリオ・ツビタニッチが先制点をあげ、幸先の良いスタートを切ったが、残り86分間、ニースは得点をあげることができず、結局2位通算スコア1-2で敗れてしまい、プレーオフ経由のフランス勢は全滅する。

■ビッグクラブだけが参戦した欧州カップのグループリーグ

 グループリーグに参戦したのはボルドーと、昨季リーグ3位でチャンピオンズリーグのプレーオフで敗れたリヨンの2チームとなる。チャンピオンズリーグとあわせた欧州カップのグループリーグに出場したクラブはパリサンジェルマン、マルセイユ、リヨン、ボルドーとビッグクラブだけになった。

■組み合わせ抽選で非常に高い評価となったフランス勢2チーム

 グループリーグには48チームが参戦し、4チームずつの12のグループに分かれる。組み合わせ抽選にさきだってUEFAインデックスによってシード分けがされたが、欧州での実績もあるリヨンとボルドーはともに第1シードとなるポット1に入った。リヨンは出場48チーム中2番目、ボルドーは6番目という高い評価を受けている。ちなみに1番目はスペインのバレンシア、3番目はイングランドのトットナムホットスパー、4番目はウクライナのディナモキエフ、5番目はオランダのPVSアイントホーヘンである。これらの中でリヨンとPSVアイントホーヘンがチャンピオンズリーグのプレーオフで敗退し、ヨーロッパリーグに転戦してきたチームである。

■リヨンはスコアレスドロー、ボルドーは0-3と完敗

 リヨンもボルドーも参加チームの中では抜群の成績を残していることからグループリーグ突破だけではなく、上位進出や優勝も夢ではないとフランスのファンは期待した。ところが、組み合わせの段階からこのシナリオは少々崩れてしまった。
 抽選の結果、リヨンはグループIに入る。グループIには第2シードからベティス(スペイン)、第3シードからギマエラス(ポルトガル)、第4シードからHNKリエカ(クロアチア)というメンバーがそろい、まずまずの組み合わせとなった。
 しかし、ボルドーはグループFに入り、第2シードからアポエル・ニコシア(キプロス)、第3シードからフランクフルト(ドイツ)、第4シードからマッカビ・テルアビブ(イスラエル)となった。いずれのチームも欧州での実績をある程度残しているクラブである。実はこの第2シード以下のチームはすべて各シードの中で最上位に位置するチームでちょっとした「死のグループ」となったのである。 9月19日にグループリーグが開幕する。リヨンもボルドーも第1戦はアウエーでの対戦となる。リヨンはこの段階でリーグ8位、ボルドーはリーグ15位と国内リーグでも実力通りの結果を残していない。リヨンはベティスでの試合をスコアレスドローでしのいだが、フランクフルトに0-3と完敗する。上位シードのフランス勢にとっては厳しいスタートになったのである。(続く)

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