第1642回 ヨーロッパリーグ グループリーグ (2) 第3節でようやく初勝利をあげたフランス勢
一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■国内リーグでも低空飛行のボルドー
ヨーロッパリーグの第1節、フランスから出場したボルドーはフランクフルト(ドイツ)に0-3と敗れ、リヨンはベティス(スペイン)との試合を0-0のスコアレスドロー、いずれもアウエーゲームとはいえ、第1シードの上位チームらしからぬ結果となってしまった。
そして2週間後、10月3日に第2節が行われる。ボルドーは国内リーグでも調子が上がらず、8節を終えたところで1勝しただけで、ヨーロッパリーグ第1節のフランクフルト戦以降は国内リーグで3戦連続して引き分けている。ボルドーの第2節の相手はイスラエルのマッカビ・テルアビブである。もっとも低い第4シードのチーム相手のホームゲーム、ここは勝ち点3を確実に奪いたいところである。ファンの期待も低く、本拠地のシャバン・デルマス競技場の観衆はわずか7000人。
■第4シードのマッカビ・テルアビブに逆転負け
前半は両チームとも守備的な試合運びでゴールのないまま後半に突入した。後半開始間もない48分、ボルドーはスピードのあるパス回しから最後はジュシエが先制点をあげる。ここから試合は荒れ気味になりイエローカード、メディカルスタッフが頻繁に登場する試合となった。ボルドーはルドビック・オブラニアックのFKなど追加点のチャンスもあったが、71分に追いつかれてしまう。さらに78分には逆転ゴールを許し、まさかの1-2での逆転負けとなった。この敗戦は勝ち点を失っただけではなく、ニコラ・モーリス・ベレとランドリー・エンゲモを負傷で当面欠くことになり、厳しいシーズンを戦うことになったのである。
■リヨン、痛恨のミスで2戦連続引き分け
一方、グループIのリヨンも国内リーグで連勝スタートしたものの、その後は連敗し、なかなか上位に進出できず、リーグ9位で10月を迎えた。9月最後の週末にリールを迎えながらスコアレスドローのリヨン、ポルトガルのギマラエス相手に快勝して、上位浮上のきっかけをつかみたいところである。ギマラエスは第1節で第4シードのクロアチアのHNKリエカに4-0と大勝している。しかしリヨンは地力のあるところを見せ、試合を支配し、危険なシーンはなかった。しかし、唯一のミスがギマラエスの先制点を生んだ。ギマラエスのロングフィードに対し、ストッパーに入っていたゲイダ・フォフォナが痛恨のクリアミスし、後方にそらす。これをギマラエスのFW陣がつないでシュート。リヨンにとってはまさかの失点となった。しかし、試合を優位に進めるリヨンは後半に入って53分にマキシム・ゴナロンがFKから得点、ここからも試合を優勢に進めたリヨンであるが、ギマラエスのブロックを組んだ守備を崩すことができず、勝ち越し点を奪えない。結局、2試合連続のドローとなった。
■最下位相手に第3節で初勝利をあげたボルドーとリヨン
序盤の2試合を終えた段階でフランス勢は2チーム合わせて勝ち点3、まさかのスタートとなったが、第3節でついに目覚める。10月24日の第3節と11月7日の第4節は同じ相手と連戦し、ボルドーはアポエル・ニコシア(キプロス)、リヨンはHNKリエカと最下位チームと対戦する。フランス勢はまずホームで戦い、第4節ではアウエーで戦う。第3節のホームゲームで勝利することが優位に次の試合を迎えることができる。まず、ボルドーの相手のアポエル・ニコシアも1分1敗とスタートでつまずいている。ボルドーは押し気味に試合を進め、24分にラミヌ・サネが先制点を奪い、前半終了間際に追いつかれてしまう。このまま試合終了かと思われたが、ロスタイムに入る前の90分、ボルドーは右サイドのFKからカルロス・エンリケがゴールを奪い、勝ち越し、ようやく初勝利をあげる。
リヨンもHNKリエカ相手に一方的な展開となったが、なかなかゴールを奪えなかった。しかし、後半の65分にクレマン・グルニエが得点をあげて、これが決勝点となり、フランス勢はそろって初勝利をあげたのである。(続く)