第1702回 フランスリーグ、フィナーレ(1) 首位で折り返したパリサンジェルマン、2位で追うモナコ

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■大型補強で注目を集めるパリサンジェルマンとモナコ

 これまでに本連載ではパリサンジェルマンのリーグカップ優勝(4月19日)、フランスカップでのギャンガンの優勝(5月3日)を紹介してきた。5月3日のフランスカップ決勝の日を迎えてもまだ覇権の行方が確定していないのがフランスリーグである。
 今年のフランスリーグの注目は2点、カタール資本の参画によりビッグクラブとなり、大型補強をして昨季19シーズンぶりにリーグ優勝を果たしたパリサンジェルマンの連覇なるか、が一点目の注目点である。そして今季1部に復帰したモナコもロシア人富豪のオーナーの下で、大型補強を行い、いきなりパリサンジェルマンを差し置いて優勝なるか、というのが2番目の注目点である。今季初めの本連載第1594回から第1596回で紹介した通り、モナコは復帰初戦を勝利で飾り、第4節の時点でリーグ首位に立ったのである。

■開幕して2試合連続ドローのパリサンジェルマン

 一方、優勝候補筆頭と目されたパリサンジェルマンはスタートでつまずく。開幕戦は先代のリーグチャンピオンであるモンペリエとアウエーで戦い引き分け、第2節はホームでアジャクシオとドロー。順位を13位まで落とす。大拙はアウエーのナント戦、2-1と勝利してようやく今季初勝利。さらに第4節はギャンガン相手に2-0の勝利、今季初めて地元ファンの前で勝ち星をあげる。ちょうどこの第4節でモナコが首位に立ったが、パリサンジェルマンはこの段階で4位である。このあたりから、開幕前に話題となっていた2チームに注目が集まるようになった。第5節は首位モナコ、4位パリサンジェルマンともに勝利、パリサンジェルマンは順位を1つ上げて3位になる。

■前半戦の対戦は、両チームのエースが得点してドロー

 そして9月22日の第6節、モナコで両チームは対戦する。この試合はパリサンジェルマンのズラタン・イブラヒモビッチ、モナコのラダメル・ファルカオと両エースが1点ずつゴールを決め、1-1のドロー、結果だけではなく得点者も今季の二大注目チーム同士の対戦にふさわしいものであった。
 パリサンジェルマンとモナコに注目が集まる中で、面白くないのはマルセイユである。第3節では首位に立ち、上位につけている。そのマルセイユがパリサンジェルマンと対戦したのは、ワールドカップ予選の最終節を前にした10月6日、ベロドロームでの第10節の試合である。パリサンジェルマンはチアゴ・モッタが31分に退場。そのチョキ後の34分にマルセイユはアンドレ・アユーが先制点を入れるが、パリサンジェルマンは前半終了間際にマクスウェルが同点ゴール、さらに66分にはイブラヒモビッチが逆転ゴール、パリサンジェルマンはライバルのマルセイユに逆転勝ちし、モナコに肉薄する。

■第10節で首位に立ったパリサンジェルマン、そのまま「秋の王者」に

 そしてワールドカップ予選が終了し、フランスリーグは10月19日から再開する。第10節の最初の試合に登場したのはパリサンジェルマン、バスティアに4-0と大勝して暫定的ではあるが、首位に躍り出る。その翌日にソショーと対戦したモナコは引き分け、この時点でパリサンジェルマンが今季初の首位に立つ。
 ここからパリサンジェルマンは首位を譲ることなく、モナコも一時期リールに2位の座を譲ったものの、2位をキープする。パリサンジェルマンもモナコも極端に負けの数が少なく、国内リーグでパリサンジェルマンが最初に敗れたのは12月4日の第16節のエビアン戦、モナコも11月3日の第12節のリール戦、という具合である。
 年末の折り返しとなる第19節を迎える段階で首位パリサンジェルマンが勝ち点43、2位モナコは勝ち点41で、第19節の結果次第では前半戦の首位である「秋の王者」の座が逆転する可能性もあったが、バランシエンヌと対戦したモナコは今季2敗目を喫し、パリサンジェルマンは3位のリール相手にドロー、パリサンジェルマンが首位、勝ち点3差で2位モナコが追う展開で新たな年を迎えることになったのである。(続く)

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