第1708回 栄光目指す23人(2) 第3GKはミカエル・ランドロー、左サイドバックはルーカス・ディーニュ
3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■23人のメンバーと7人の予備メンバーを発表したディディエ・デシャン監督
5月13日夜、フランス代表の試合を通常から中継しているTF1の番組にディディエ・デシャン監督が出演し、メンバーを発表した。この13日の段階では30人の予備登録メンバーを発表することが義務付けられていたが、デシャン監督はこの日に23人のメンバーを発表し、合わせて7人の予備メンバーも発表した。
■第3GKはミカエル・ランドロー
GKは規定通りの3人、ウーゴ・ロリス(イングランド・トットナム)、スティーブ・マンダンダ(マルセイユ)が順当に選出され、注目の第3GKはミカエル・ランドロー(バスティア)になった。第3GKは事前の予想ではランドローかサンテチエンヌのステファン・ルフィエか、意見が分かれた。ルフィエに関してはサンテチエンヌを今季リーグを4位に導き、27歳とロリス、マンダンダと同世代である。一方のランドローは35歳であり、所属するバスティアは順位は中ほどの9位であるが、今季はリーグ戦以外も含め32試合しか出場していない。ロリスが56試合、マンダンダが46試合、ルフィエが42試合出場しているのと比べると少ないが、第3GKは本大会では試合に出場する可能性はきわめて少ない。ゴールを守る戦力という点ではランドローはルフィエには及ばないが、チーム最年長としてチームをまとめていく役割を期待されてのメンバー入りである。
ちなみに前回の南アフリカ大会はロリス、マンダンダ、ルフィエがメンバー入りしたが、ルフィエは第3GKとして当初メンバー入りしていたセドリック・カラッソの負傷離脱によりメンバー入りしている。南アフリカ大会でのチームの内紛がおこったことが敗因だったことから、チームをまとめる意味での年長者のランドローを選んだことは規律を重んじるデシャン監督らしい選択であると言えよう。なお、ルフィエは予備メンバーとして30人の中に入っている。
■控えの左サイドバックはパリサンジェルマンでも控えのルーカス・ディーニュ
続くDFには8人が選出された。ラファエル・バラン(スペイン・レアル・マドリッド)、ローラン・コシエルニー(イングランド・アーセナル)、ママドゥ・サコー(イングランド・リバプール)、エリキアム・マンガラ(ポルトガル・ポルト)、ルーカス・ディーニュ(パリサンジェルマン)、マチュー・ドビュッシー(イングランド・ニューカッスル)、バカリ・サーニャ(イングランド・アーセナル)、パトリス・エブラ(イングランド・マンチェスター・ユナイテッド)の8人である。
ポジション別にみるとストッパーはバラン、コシエルニー、サコー、マンガラ、ディーニュの5人、右サイドバックがドビュッシー、サーニャの2人、左サイドはエブラとディーニュである。前回の本連載では左サイドのバックアップメンバーが課題であると紹介したが、結局、このポジションはディーニュを選んだ。パリサンジェルマンのディーニュは20歳、所属するパリサンジェルマンでもブラジル代表のマクスウェルがレギュラーであり、ディーニュの出場はわずか19試合であるが、3月のオランダ戦の後半に代表にデビューしており、デシャン監督もブラジル行きを見越してのオランダという手ごわい相手との試合での起用となったのであろう。
■DFの予備メンバーは2人のサンテチエンヌ勢
なお、DFの予備メンバーについてはストッパーのロイック・ペラン、左サイドのブノワ・トレムリナスというGK同様にサンテチエンヌから選ばれ、2人とも28歳である。ペランは、サンテチエンヌの上位進出に貢献したが、フランス代表に招集されることもこれが初めてである。
一方、トレムリナスはボルドー育ちでボルドーでプロとしてのキャリアを積み、ビシャンテ・リザラズの再来と言われる。フランス代表歴は2試合、昨夏ウクライナのディナモ・キエフに移籍、そしてこの1月にサンテチエンヌにレンタル移籍、コンスタントに試合に出場し、昨年6月の南米遠征以来の代表招集となった。(続く)