第1761回 チャンピオンズリーグ開幕 (3) パリサンジェルマン、モナコとも1勝1分で序盤戦を終える
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■同節でのフランス勢の無敗は2年ぶり
今季のチャンピオンズリーグのグループリーグの初戦、モナコはホームで勝利し、パリサンジェルマンはアウエーで追いつかれてドローとなった。フランスから出場したチームがグループリーグの同じ節で黒星を喫しなかったことは昨季はなく、一昨年の12月までさかのぼらなくてはならない。両チームとも国内リーグでは本来の力を発揮しているとはいえず、この欧州の戦いでリズムをつかみたいところである。第2節は9月30日にパリサンジェルマン、10月1日にモナコが登場する。
パリサンジェルマンはカーンに勝利したが、リヨン、トゥールーズと引き分け、相変わらず無敗を続けているが、第2節を迎える段階の順位は1つ上がったものの4位、一方のモナコはギャンガン、モンペリエに勝利、ニースに敗れたが、順位を大きく上げて12位になる。
■バルセロナに迫るビッグクラブとなったパリサンジェルマン
第2節は両チームにとって重要な相手となる。パリサンジェルマンはホームにバルセロナ(スペイン)を迎え、モナコはアウエーでゼニト・ペテルスブルク(ロシア)と対戦する。
パリサンジェルマンにとってバルセロナは欧州の頂点を目指すためにはどこかで倒さなくてはならない相手である。昨季の準々決勝も2試合とも引き分けながらアウエーゴールの差で敗れたパリサンジェルマン、今季も大型補強を続け、年間予算は5億ユーロに迫り、バルセロナとの差はわずかである。
9月30日のパルク・デ・プランス、超満員の観客で膨れ上がる。この日のパリサンジェルマンは外国人選手が多く、先発の中でフランス人選手はブレーズ・マツイディのみであり、残り10人は外国人選手ですべて代表歴があり、さらにこの夏のワールドカップに出場した選手は6人という布陣である。
■点の取り合いを制したパリサンジェルマン、バルセロナに19年ぶりの勝利
試合はバルセロナがバルセロナらしくボール保有率で上回る。しかし、パリサンジェルマンは守備陣がよくまとまるともに、チームとして機能し、少ない好機を確実にバルセロナのゴール前まで攻め込む。先制点は10分、パリサンジェルマンのダビド・ルイスがルーカスからのFKを右足でシュート、満員のパルク・デ・プランスを歓喜させる。しかし、その直後にバルセロナはリオネル・メッシのゴールで追いつく。26分にパリサンジェルマンはイタリアコンビの活躍で勝ち越す。チアゴ・モッタからのCKをマルコ・ベラッティが決める。
そして後半に入り、ようやくフランス人選手が得点にからむ。右サイドのDFのグレゴリー・ファンデルビールからのクロス、ファーサイドでマツイディが合わせて3-1と差を広げる。バルセロナはその直後にもう1人の千両役者のネイマールが1点差に迫るゴールを決めるが、パリサンジェルマンが3-2と競り勝つ。パリサンジェルマンは1995年3月15日以来のバルセロナ戦勝利であり、バルセロナに2勝したフランスで初めてのチームとなったのである。
■モナコ、アウエーのサンクトペテルブルクでスコアレスドロー
さて、その翌日はモナコがサンクトペテルブルクに乗り込む。前日に行われたチャンピオンズリーグのCSKAモスクワ(ロシア)-バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)戦でCSKAモスクワが敗れたため、モナコがゼニト・サンクトペテルブルクに勝利すれば、UEFAインデックスでフランスはロシアを抜いて6位に浮上する。
サンクトペテルブルクで行われたこの試合、ゼニト・サンクトペテルブルクは第1節でアウエーでベンフィカ(ポルトガル)を下しているにもかかわらず、会場のペトロフスキ競技場は1万3000人とさびしい風景である。試合開始直後、モナコのディミタール・ベルバトフがビッグチャンスをつかむが、ゴールならず。その後は両チームとも決め手を欠く。さらにモナコはベルバトフの膝の調子が思わしくなく途中で交代、両チームともノーゴールで引き分ける。
フランスからチャンピオンズリーグに出場したパリサンジェルマンもモナコも1勝1分で第3節を迎えることになった。
そしてパリサンジェルマンとモナコはこの直後の10月5日、リーグ戦第9節で対戦し、1-1と引き分けたのである。(この項、終わり)