第1796回 秋の王者はマルセイユ (2) 直接対決後は2連勝のマルセイユとパリサンジェルマン
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■マルセイユでのスウェーデン戦に3人が先発したマルセイユ
11月9日、敵地パルク・デ・プランスでのパリサンジェルマンとの直接対決で完敗したマルセイユ、首位の座はキープしているものの、2位パリサンジェルマンに勝ち点1差に迫られた。 11月中旬には代表チームのインターナショナルマッチデーがあり、続く第14節は中2週あけて11月21日から再開する。本連載第1775回から第1779回で紹介したスウェーデンとの親善試合、マルセイユからフランス代表にはGKのスティーブ・マンダンダ、FWのディミトリ・ペイエ、アンドレ・ピエール・ジニャックの3人が選出されている。11月18日のスウェーデン戦はマルセイユで行われ、マルセイユから選出された3人がそろって先発出場し、フランス代表が快勝している。
■2本のPKで追いつかれたパリサンジェルマン、終盤に勝ち越す
さて、インターナショナルマッチデー明けの第14節、チャンピオンズリーグのグループリーグの第5節の試合を火曜日の25日に控えているパリサンジェルマンは他チームより早く11月21日にアウエーでメッスと対戦する。9位のメッスは今季ホームゲームでは負けなし、一方のパリサンジェルマンもアウエーゲームでは3勝4分と負けなし、興味深い対戦となった。
試合は9分にパリサンジェルマンのハビエル・パストーレが先制、さらに16分にはメッスのガエタン・ブスマンがオウンゴールと、序盤でパリサンジェルマンが2点のリードを奪う。さらに39分にもズラタン・イブラヒモビッチのパスを受けたアドリアン・ラビオがネットを揺らすがオフサイドの判定でゴールは認められず、その後もパリサンジェルマンが圧倒して前半を終える。
ところが後半49分にラビオのファウルでPK、メッスのモビド・マイガが決めて1点差、さらに53分に今度はグレゴリー・ファン・デル・ビールがファウルでPK、これもマイガが決めてメッスが追い付く。4分間の2つのPKで追いつかれたパリサンジェルマン、追いついたメッス、試合は激しい展開となる。勝ち越し点は84分、パリサンジェルマンのエセキエル・ラベッシが右サイドからのクロスを決める。3-2と競り勝ったパリサンジェルマンが暫定とはいえ首位の座に立ったのである。
■ボルドーに快勝、パリサンジェルマンを2日で首位から引きずりおろしたマルセイユ
首位の座を明け渡したマルセイユ、第14節の試合は日曜日の23日である。ベロドロームに迎える相手が難敵ボルドーである。ボルドーも今季は欧州カップ出場を逃し、国内タイトルに専念、この段階で4位、マルセイユとは勝ち点3の差である。これが1部リーグで103回目の対戦、現在の1部リーグのカードでこれ以上の対戦回数を誇るのはボルドーとサンテチエンヌの105試合である。
勝たなければ、首位奪還ができないマルセイユ、前半は押しながらもジニャックが決定機を外すなどして無得点に終わる。後半になってようやく電光掲示板が動いた。55分にボルドーのトマ・トゥーレが先制点を入れる。これに対し、マルセイユは60分に右サイドのペイエからのパスをマリオ・レミナがヘディングで同点ゴールを決める。勝ち越し点を決めたのはこの試合、ファンのため息を誘ってきたジニャックであった。85分にCKをヘディングで決める。さらにマルセイユは89分にもミッチー・バシャウィがゴールを決め、3-1と勝利、パリサンジェルマンの天下を2日で終わらせたのである。
■11月最後の週末はマルセイユ、パリサンジェルマンとも勝利し、勝ち点1差で師走へ
続く第15節は逆にマルセイユが先に試合を行う。11月28日に4位のナントを迎える。マルセイユは24分にフローリアン・トーバン、39分にロッド・ファンニがそれぞれゴールを決めて2-0と勝利する。翌日に試合を行うパリサンジェルマンに勝ち点4の差をつけ、首位で12月を迎えることになった。
追うパリサンジェルマンは翌日の29日、夕方の17時のキックオフでニースを迎える。15分にPKを得たパリサンジェルマンはイブラヒモビッチが決めて先制、イブラヒモビッチはようやく今季6得点目となる。この1点を安定した試合運びで守りきり、パリサンジェルマンは勝ち点1差で追走する。
順調に勝ち点3を積み上げた2強は勝ち点1差で12月を迎えたのである。(続く)