第1850回 終盤を迎えたリーグ戦 (2) 好調リヨン、トゥールーズに勝利して今季初の首位

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■勝てば今季初の首位となるリヨン

 マルセイユ、リヨン、パリサンジェルマンが勝ち点3の中で始まった後半戦、第20節の初日にマルセイユがモンペリエに敗れ、2日目に登場したパリサンジェルマンは2点差で勝利すれば、暫定ながら単独首位に立つことができたが、バスティア相手に2点を先制したが、4点奪われて大逆転負け、この日勝利したサンテチエンヌに抜かれて4位に陥落した。
 そして、3日目の1月11日の日曜日には3試合が行われ、2位のリヨンがトゥールーズを本拠地のジェルラン競技場に迎える。首位マルセイユとは勝ち点2差であり、勝利すれば、マルセイユを抜いて今季初の首位に立つことができる。一方、マルセイユ、パリサンジェルマンと同様に敗れてしまうと、サンテチエンヌと同勝ち点のままにとどまる。

■新聞社襲撃事件に対するデモを尊重し、遅くなったキックオフ時間

 本連載第1806回でも紹介した通り、ピッチを取り囲む看板は「JE SUIS CHARLIE」の黒いメッセージが流れる。この試合は当初14時キックオフの予定であったが、1月7日に起こった新聞社襲撃事件に対するデモ行進に多くの国民が参加することを考慮し、17時にキックオフ時間が変更された。
 リヨンは今季ジェルランでは好調で、ここまで11戦して9勝1分1敗、現在8連勝中である。昨季は年間でジェルランで8勝しかしておらず、ほぼ半シーズンで昨年以上の勝利をリヨンのファンは見たことになる。一方、トゥールーズは今までリヨンで勝利したことがない。また直前に行われたフランスカップでもリヨンは初戦を突破したが、トゥールーズはボルドーに敗れている。

■トゥールーズを圧倒、本拠地9連勝で首位に躍り出る

 このような過去の戦績とチームの勢いを反映するような試合の展開となった。試合開始直後からトゥールーズを圧倒、14分にはアレクサンドル・ラカゼットが先制ゴールをあげる。さらに27分にもラカゼットは追加点をあげる。今季早くも19得点目、そして複数得点をあげたのはこの試合が4試合目となる。トゥールーズも守勢ながら積極的にシュートを放つが、得点には至らず、ハーフタイムを迎える。
 そして後半に入り、49分にはナビル・フェキルが3点差となるゴールを決め、試合は決着がつく。3-0と勝利したリヨンは勝ち点を42に伸ばし、勝ち点41のマルセイユをかわす。リヨンは今季初めて首位に立ったのである。
 リヨンは第21節でRCランス、第22節でメッスに勝利する。この間、フランスカップのベスト16決定戦ではナントに敗れたものの、リーグ戦では首位の座を固める。

■2月初旬の山場、モナコとスコアレスドロー、パリサンジェルマンと対戦

 リヨンにとって最初の山場は2月上旬のモナコとパリサンジェルマンとの連戦であった。2月1日に対戦したモナコは前半戦はまごついたが、後半戦になってようやくエンジンがかかり、この時点で5位、リヨンに勝利すれば優勝争いに加わる可能性も出てくる。昨年末以来、リーグ戦では7連勝のリヨンと6勝1分のモナコ、好ゲームが期待されたが、モナコの堅守をリヨンは崩すことができず、ノーゴールに終わる。一方のモナコも得点を奪うことができず、スコアレスドローとなる。
 そして、その翌週の2月8日の相手はパリサンジェルマンである。パリサンジェルマンもリーグ戦再開初戦では敗れたものの、その後は3連勝、また並行して行われているフランスカップ、リーグカップでも勝ち進み、3つの大会を合わせると6連勝中となる。
 このリヨン-パリサンジェルマン戦のキックオフの段階でのリヨンの勝ち点は49、対するパリサンジェルマンは47、すなわちパリサンジェルマンがこの直接対決で勝利すれば、パリサンジェルマンは今季初めての首位に躍り出ることができる。
 しかし、ジェルランでの連勝記録を10まで伸ばし、クラブのホームでの連勝記録に並んだリヨンは、ここでパリサンジェルマンを下せば、首位固めをするとともに、ホームでの連勝記録を更新するのである。(続く)

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