第1853回 終盤を迎えたリーグ戦 (5) 第30節にして今季初の首位になったパリサンジェルマン

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ニース相手にホームで敗れたリヨン、首位陥落

 3月20日のロリアン戦、金曜日に行われたこの試合でのズラタン・イブラヒモビッチのハットトリックでパリサンジェルマンは暫定首位に立った。
 暫定とはいえ、首位を奪われたリヨンはその翌日の土曜日、本拠地ジェルランにニースを迎える。パリサンジェルマンに暫定首位を奪われたことがリヨンの選手に精神的な影響を与えたのか、本拠地の試合であるというのに動きが悪い。ボールを支配するものの試合をつくることができない。特にトップ下のヨアン・グルクフは完全なブレーキとなってしまった。ニースは23分にカルロス・エデュアルドが見事なオーバーヘッドキックで先制点を奪う。ニースは後半に入ってすぐ2枚目のイエローカードで選手を1人失う。数的優位に立ったリヨンはその3分後にマキシム・ゴナロンがPKで追いつき、このままいけばパリサンジェルマンと勝ち点で並ぶが、得失点差で上回り、首位の座をキープすることができる。しかし、86分にリヨンはバカリ・コネがペナルティエリア内でファウルし、PKを献上する。このPKをエイセリックが決めてリヨンは1-2と敗れ、首位から陥落する。

■第30節にして今季初めての首位になったパリサンジェルマン

 10人で勝利したニースはマルセイユ相手にも10人で勝利しており、数的不利になった時のジャイアントキリングに対して喜んでいるのはパリサンジェルマンのファンである。
 このニースの勝利により、パリサンジェルマンは第30節にして今季初めて首位になる。過去2年間パリサンジェルマンはリーグを連覇しているが、一昨年は38節中22節で首位であり、昨年は38節中29節で首位であったことを考えると今季はあまりに遅い首位奪還である。

■上位5チームのうち4チームが直接対決となる注目の第31節

 3月22日まで行われたフランスリーグは代表チームの国際試合のため、中断し、第31節は4月3日から再開する。パリサンジェルマンが首位として対戦する初めてのチームは宿敵マルセイユである。マルセイユはパリサンジェルマンが首位となった第30節ではアウエーでRCランスと対戦、前半こそ無得点であったが、後半はゴールラッシュで4-0と大勝する。インターナショナルマッチデーによる中断の段階での順位は首位パリサンジェルマン(勝ち点59)、2位リヨン(58)、3位マルセイユ(57)、すなわちこの直接対決でマルセイユが勝利すれば、少なくとも勝ち点でパリサンジェルマンを上回り、リヨンがギャンガンに敗れれば、首位に返り咲くのである。
 第31節ではリーグ上位陣は土曜日の4日にリヨンがギャンガンと対戦、すなわち、得失点差でパリサンジェルマンを上回るリヨンは引き分け以上で暫定首位となり、パリサンジェルマンに対して精神的なプレッシャーを与えることができる。さらに金曜日には勝ち点53の4位モナコと勝ち点52の5位サンテチエンヌが対戦する。この金曜日の勝者も見過ごすわけにはいかない。上位5チームのうちの4チームが直接対決する第31節は注目が集まった。

■ギャンガンに勝利したリヨンが暫定首位に

 サンテチエンヌを迎えたモナコであるが、試合を支配するもののシュートに結びつけることができず、なかなか枠をとらえたシュートを放つことができず、1点どまり。サンテチエンヌも1点を奪い、結局1-1のドローとなる。上位3チームに入り込むには引き分けという結果は両チームにとって不満の残るものとなったであろう。
 そして第31節とは逆にリヨンがパリサンジェルマンより1日早く試合を行う。ギャンガンでのアウエーゲームであったが、リヨンの誇る驚異の2トップ、アレクサンドル・ラカゼットとナビル・フェキルがこの日もコンビを組む。26分にフェキルが先制点、39分にPKでフェキルが追加点。さらに後半に入ってもリヨンはクリントン・ヌジエが3点目をあげ、ギャンガンの反撃を1点に抑え、3-1と勝利。リヨンは暫定首位となり、翌日のマルセイユ-パリサンジェルマンの結果を待つことになった。(続く)

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