第1863回 フランスリーグ最終節 (1) モナコ、マルセイユ、サンテチエンヌが3位争い

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■最終戦のファンの注目は3位から5位までの争い

 前回まではラグビーに欧州カップで強すぎるトゥーロンを紹介してきたが、サッカーの世界では欧州の舞台では勝てないとはいえ、国内はパリサンジェルマンの独壇場である。今季は前半戦では首位に立つことはなかったが、3月に首位に立ってからはほとんどの試合で勝利し、最終節を前に第37節で優勝を決めた。
 最終節でのファンの注目は3位から5位までの順位争いである。というのも上位に入れば、来季のチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの本戦または予備戦への出場権が与えられるからである。
 最終節を迎える段階での順位は1位パリサンジェルマン(勝ち点80)、2位リヨン(72)までが確定し、3位はモナコ(68、得失点差+24)、4位マルセイユ(66、+31)、5位サンテチエンヌ(66、+20)、6位ボルドー(60、+2)となっている。3位から5位までの順位が確定していないが、ちょうどこの順位が来季の欧州カップでのスタート地点に大きく影響する。

■フランスから6チームが参戦する来季の欧州カップ

 フランスから欧州カップに出場できるのはリーグ上位4チーム、フランスカップ優勝チーム、リーグカップ優勝チームの6チームであるが、リーグ優勝を果たしたパリサンジェルマンがすでにリーグカップを獲得しているため、リーグ戦の5位チームにも欧州カップ出場のチケットが与えられる。そして5月30日にはフランスカップ決勝がパリサンジェルマンとオセールの間で行われるが、もしパリサンジェルマンが勝利すればリーグ6位のボルドーにもチケットが与えられる。

■リーグ3位までが出場できるチャンピオンズリーグ

 フランスからはチャンピオンズリーグの本戦にリーグ1位と2位の2チームが出場、チャンピオンズリーグの予備戦3回戦にリーグ3位の1チームが出場する。欧州の頂点を目指すためにはリーグ3位以内に入る必要がある。
 4位以下並びにフランスカップの勝者はヨーロッパリーグに出場することになる。本戦に1チーム、ヨーロッパリーグの予備戦3回戦に2チームが出場できるが、オセールがフランスカップの優勝チームとなれば、ヨーロッパリーグの本戦に出場し、リーグ4位と5位のチームがヨーロッパリーグの予備戦3回戦に出場することになる。一方、パリサンジェルマンがフランスカップでも優勝して三冠を取れば、リーグ4位のチームがヨーロッパリーグの本戦に出場、5位と6位のチームが予備戦3回戦からの参戦となる。
 最終節を迎える段階で3位から5位までの順位が決まっていないわけであるが、チャンピオンズリーグに出場できるのは3位だけとあって、各チームとも3位に入りたいであろう。

■上位5チームの顔ぶれが変わらなかった後半戦

 今季のフランスリーグは後半戦は上位5チームは変わらず、パリサンジェルマン、リヨン、マルセイユ、モナコ、サンテチエンヌが順位表の上5つを占め、2月以降は上位2チームがパリサンジェルマンとリヨン、3位から5位が残りの3チームと順位がほぼ固定しているが、前半戦のこれらのチームの成績は対照的である。マルセイユはスタート直後こそつまずいたものの、秋以降は首位をキープし、秋の王者として首位で折り返した。サンテチエンヌは開幕直後は好調であり、一時は2ケタ順位に落ちたものの、12月以降は5位以内に入っている。モナコは前半戦は低迷したが12月から成績を伸ばし、後半戦は5位以内を確保してきた。
 首位に立ってからの終盤戦のパリサンジェルマンの驚異的な強さはあったものの、上位5チームの力は拮抗していると言えよう。
 勝ち点で2ポイント上回るモナコはアウエーで16位のロリアン戦、逆転を狙うマルセイユはホームで11位のバスティア戦、サンテチエンヌはホームで10位のギャンガン戦、5月23日21時に同時にキックオフされるのである。(続く)

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