第1912回 欧州勢相手に順調に連勝(1) 主将ティエリー・デュソートワール、スコットランド戦で復帰
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■今年最大のスポーツイベント、ラグビーワールドカップ
今年最大のスポーツイベントはイングランドで開催されるラグビーワールドカップである。前回大会準優勝のフランスはこの4年間、これといった成績を残すことなく、ワールドカップを迎えることになる。
夏のイングランドとのテストマッチは1勝1敗、これまでなかなか勝てなかったイングランドにホームとはいえようやく勝てたこと、そして本大会では第1シードとなり、プールCでアイルランド、イタリア、カナダ、ルーマニアと対戦する。南半球勢との対戦をこの段階で避けることができ、比較的恵まれた組み合わせである。本大会ではイタリア、ルーマニア、カナダ、アイルランドの順に対戦する。
■大会前最後のスパーリングマッチのスコットランド戦
大会前最後のスパーリングマッチが9月5日にスタッド・ド・フランスにスコットランドを迎えて行われた。 スコットランドは前回大会では初めて決勝トーナメントに進出することができず、近年の6か国対抗では不振が続く。8月にはイタリアとホームとアウエーでスパーリングマッチを行い、イタリアのトリノで16-12、スコットランドのエジンバラで48-7と連勝している。近年の6か国対抗のBクラスはフランス、スコットランド、イタリアであり、フランスはイタリアとはワールドカップの初戦で対戦することから、このスコットランド戦で快勝し、本大会での南半球や6か国対抗の上位国との対戦に備えたいところである。前回大会の成績は好対照であるが、同じく最終のスパーリングマッチとなるスコットランドも近年の欧州での地位は低下しており、このフランス戦で波に乗りたいところである。
■スコットランド戦の先発メンバーに名を連ねたティエリー・デュソートワール
会場のスタッド・ド・フランスに集まった観衆はわずか4万7000人であった。ラグビーの代表の方がサッカーの代表よりも観客動員数に勝っているが、この観衆の少なさはファンの期待の低さを表している。
フランスの先発フィフティーンは次のとおりである。第1列は左からエディ・ベン・アルー、ギレム・ギラド、ラバ・スリマニ、第2列はパスカル・パペとアレクサンドル・フランカール、第3列はフランカーにティエリー・デュソートワールとダミアン・シューリー、ナンバー8はルイ・ピカモールという陣容。そしてハーフ団はスクラムハーフにセバスチャン・ティルズボルド、スタンドオフにフレデリック・ミシャラク、バックスはセンターにウェスレー・フォファナとマチュー・バスタロー、ウィングは左にノア・ナカイタシ、右にヨアン・ユジェ、フルバックはスコット・スペディングとなる。
なんといっても負傷で戦列を離れていた主将のデュソートワールの復帰は心強いばかりである。また注目のハーフ団はティルズボルドとミシャラクのコンビ、これまでフランスに多大な貢献をしてきたスタンドオフのミシャラクに期待がかかる。ハーフ団の控えとしてモルガン・パラとレミ・タレスの2人がベンチ入りしている。また、スリークォーターバックもイングランド戦とは大きくメンバーが変わった。
■スコットランドが先制、フレデリック・ミシャラクのペナルティゴールで追いつく
紺のジャージーのスコットランドのキックオフで試合は始まり、フランスは赤いジャージーで90試合目となるスコットランド戦に臨む。6分にフランスはミシャラクがペナルティゴールを狙うが、外れる。先制点はスコットランドが奪う。9分に久しぶりの試合となったデュソートワールがオフサイドの反則、スコットランドの主将グレイグ・レイドローが40メートルのペナルティゴールを決める。15分にもデュソートワールがオフサイドの反則を犯し、試合から遠ざかっていたからであろうか。
18分にフランスはバスタローの突進からスコットランドの反則を誘う。ミシャラクが30メートルのペナルティゴールを決め、フランスは追いついたのである。(続く)