第1927回 中盤を迎えたチャンピオンズリーグ(3) パリサンジェルマンとレアル・マドリッド、全勝で対決

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■今季初のジェルランでの国際試合で敗れたリヨン

 チャンピオンズリーグのグループリーグの第1戦で白星スタートしたパリサンジェルマンと勝利を逃してドローとなったリヨン、第2節も似たような結果となった。
 第2節はリヨンがパリサンジェルマンより1日早く29日に試合を行う。リヨンは9月29日に本拠地ジェルランにスペインのバレンシアと対戦する。第2シードのバレンシアは第1戦で第1シードのゼニト・サンクトペテルブルクとホームで対戦、フッキの2ゴールで2点を先行されたものの一時は追いつく健闘を見せたが、76分に決勝点を奪われ、2-3と惜敗している。
 リヨンにとって今季初めて外国のチームをジェルランに迎える。新スタジアムが来年初めに完成することから、過去の幾多の名勝負を演じてきたジェルランでの国際試合も数少なくなった。ジェルランはほぼ満員の観客で膨れ上がった。試合はリヨンがボール支配率で上回るものの、決定的なチャンスはバレンシアの方が多くつかむという展開となった。バレンシアはシュートが枠に嫌われること2回、そして42分にバレンシアはフランス生まれのアルジェリア代表選手であるソフィアン・フェグリのシュートがクロスバーに当たりながら、今度は内側に曲がってゴールイン。バレンシアが先制点を奪う。リヨンもすかさず反撃、初戦のゲント戦でPKを失敗したアレクサンドル・ラカゼットが汚名返上とばかりにシュートを放つものの、クロスバーをたたき、ゴールはならず。終盤は両チームにイエローカードが次々と突きつけられ、退場者こそ出なかったものの、荒れ気味の中でタイムアップ、リヨンはホームで勝ち点を上積みすることができず、グループHで最下位に落ちたのである。

■シャフタール・ドネツクに第1節で大勝したレアル・マドリッド

 その翌日、30日にパリサンジェルマンはウクライナのシャフタール・ドネツクとアウエーで対戦する。シャフタール・ドネツクは第1戦でレアル・マドリッドにアウエーで0-4と大敗している。シャフタール・ドネツクは決して弱いチームではないが、パリサンジェルマンにとってこのグループの最大のライバルが第3節と第4節で対戦するレアル・マドリッドであることは明白、シャフタール・ドネツク相手にゴールラッシュを見せて天王山を迎えたいところである。

■開始早々で勝負をつけたパリサンジェルマン

 試合はその通りの展開となり、パリサンジェルマンは7分にセルジュ・オーリエが先制点、そして23分にはダビド・ルイスが追加点、試合は前半の半ばで決着がついてしまった。パリサンジェルマンはここでペースダウンし、シャフタール・ドネツクにボールを持たせ、シュートを打たせるものの、全く危なげのない試合運びであった。シュート数でパリサンジェルマンを上回ったシャフタール・ドネツクであったが、パリサンジェルマンのゴールを割ることはできず、反対に後半のロスタイムにはオウンゴールでさらに1点を献上し、第1節に続き連敗となる。一方のパリサンジェルマンは連勝し、序盤の2試合で5得点をあげ無失点。

■中盤戦で唯一実現した全勝対決

 そしてグループAのもう1つの試合はレアル・マドリッドがマルモ(スウェーデン)をアウエーで2-0と下し、こちらも2試合で6得点、無失点。グループAは予想通りこの両雄が他を寄せ付けず、10月21日にパリ、11月3日にマドリッドで行われる戦いに突入するのである。
 チャンピオンズリーグのグループリーグで2連勝しているチーム同士で中盤戦の第3節と第4節を戦うケースはこのグループAのパリサンジェルマンとレアル・マドリッドの対戦だけである。第1シードと第2シードがこの中盤戦で対戦するグループはこのグループA以外にグループFのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)とアーセナル(イングランド)の対戦があったが、第1シードのバイエルン・ミュンヘンは連勝したが、第2シードのアーセナルが連敗し、全勝対決にならなかった。
 秋の深まる中、パリとマドリッドで繰り広げられる全勝対決が楽しみである。(続く)

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