第2017回 2015-16フランスリーグ、フィナーレ(1) 2位争いの直接対決でモナコを下したリヨン

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■優勝が決まってしまったが、見どころのある最終節

 3月半ばに早々とパリサンジェルマンの優勝が決定した今季のフランスリーグも5月14日に最終節となる第38節が行われた。
 優勝こそ決まってしまったが、この最終節での見どころはいくつかある。まず、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの出場権のかかる上位争い、そして2部への降格するチームがどこになるかという上位陣と下位の順位争いである。さらに忘れてはならないのは圧倒的な強さを見せつけたパリサンジェルマンがどれだけ各種の記録を更新するかである。

■最終節を迎える段階での上位陣の順位

 さて、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグへの出場権と最終節を迎える段階での順位を整理してみよう。
 来季のフランスリーグからチャンピオンズリーグにはリーグ戦の上位2チームが本戦への出場権が与えられる。そしてリーグ3位チームはチャンピオンズリーグの予備戦3回戦からの参戦となる。4位チームはヨーロッパリーグの予備戦3回戦出場になる。これらリーグ戦の成績に加えてフランスカップとリーグカップの優勝チームもヨーロッパリーグへの道が開かれている。
 ただし、リーグカップについてはすでにリーグ戦で優勝し、チャンピオンズリーグに出場するパリサンジェルマンが優勝しているため、リーグ戦の5位チームが繰り上がり、予備戦3回戦から出場する。
 また、フランスカップについてはリーグ戦最終節の翌週に決勝が行われ、パリサンジェルマンとマルセイユの間で争われる。パリサンジェルマンが国内三冠を達成すればヨーロッパカップのチケットはリーグ戦6位のチームに譲られることとなる。一方、マルセイユはこの時点でリーグ戦13位であり、リーグ戦の成績でチャンピオンズリーグやヨーロッパカップに出場する可能性はなくなっている。したがって、マルセイユが勝利した場合はマルセイユにヨーロッパカップの出場権が与えられ、他のチームが繰り上がることはない。
 さて、最終節を前にした上位陣の順位であるが、首位はパリサンジェルマン、29勝6分2敗で勝ち点93、2位はリヨンで19勝8分10敗で勝ち点65、3位はモナコで16勝14分7敗で勝ち点62、4位はニースで17勝9分11敗で勝ち点60、5位はサンテチエンヌで17勝7分13敗で勝ち点58、6位はリールで14勝15分8敗で勝ち点57となっている。

■第37節で同勝ち点で並ぶリヨンとモナコが直接対決

 パリサンジェルマンに次ぐ2位争いは第36節終了時で勝ち点62でモナコとリヨンが並んでいたが、第37節でリヨンとモナコが直接対決をするという千秋楽の前日に大関同士が戦う好カードとなった。今年の初めにオープンしたばかりのパルク・オランピック・リヨネにはホーム最終戦ということも重なり、56,698人という最多の観衆を集めた。この試合の翌週に行われたラグビーのチャンピオンズカップ決勝のサラセンズ(イングランド)とラシン92戦には58,017人という数の観衆が集まり、この数字は書き換えられることになったが、オープンしたシーズンの最終戦でリヨンにとって最高の舞台は整った。この試合は両チームにとって1部リーグでの100回目の対戦となった。過去の戦績はリヨン33勝、モナコ42勝、24の引き分け、通算成績で劣勢なリヨンは真新しいスタジアムでファンの期待に見事応えた。

■リヨン大勝で、2位を確定、新スタジアムでチャンピオンズリーグ

 開始早々の3分にラシド・ゲザルがアレクサンドル・ラカゼットからのパスを受けてシュート、先制点が決まる。今季8点目となるが、このうち7点は後半戦に決めている。8分にはラカゼットが追加点をあげ、早くも2点のリード。試合は一方的なリヨンペースとなる。モナコは反則が目立ち、23分にはラシナ・トラオレが早くも2回目の警告で退場する。34分にはCKからマプー・ヤンガ・エムビワがヘディングで3点目、35分にはラカゼットが追加点をあげ4-0と大量リードとなる。
 一方のモナコは41分にFKからリカルド・カルバーリョが1点を返すが、これが唯一のゴールとなった。後半に入りリヨンは59分にヤンガ・エムビワ、80分にはラカゼットがハットトリック達成となるゴールをあげて6-1と大勝する。
 残り1試合でリヨンとモナコの勝ち点差は3となったが、得失点差はリヨンが+27、モナコは+5となり、リヨンは2位をほぼ確定、新スタジアムでチャンピオンズリーグがお紺われるのである。(続く)

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