第2033回 決勝トーナメント1回戦の相手が決定 (1) 複雑な3位チームの組み合わせ決定方法

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■グループ3位のチームと対戦するフランス

 スイスと引き分けたフランスはグループAで2勝1分、首位となる。グループAの2位はスイス、3位は最終戦でルーマニアに勝利したアルバニア、最下位は勝ち点1に終わったルーマニアである。
 フランスは決勝トーナメントの1回戦を6月25日にリヨンで行うことは前回の本連載で紹介したとおりであるが、1回戦の相手はグループリーグの全日程が終わるまで決まらない。というのも、本大会は24チームが出場し、6つのグループリーグの上位2チームに入った12チームと、グループリーグで3位に入ったチームのうち成績の良い4チームを合わせた16チームが決勝トーナメントに進出し、グループAの首位通過チームは3位チームと対戦することになっているからである。

■1回戦で対戦する可能性のある3つのグループの3位チーム

 この3位チームの組み合わせの決定方法は少々複雑である。まず、決勝トーナメントの組み合わせの原則として、同じグループの首位と2位チームは決勝まで対戦しないようにトーナメント表は作成されている。さらに成績の良い4チームが進出するグループの3位チームについても同じグループの首位あるいは2位チームと準決勝まで対戦しないようになっている。
 決勝トーナメントの1回戦で3位チームと対戦するのはグループAからDまでの4つの首位通過チームである。また、これらの4チームが1回戦を勝ち抜き、2回戦に相当する準々決勝に進出した場合、他のグループの首位または2位のチームの勝者と対戦することになる。例えば、グループAの首位チームは準々決勝に進出した場合、グループBの2位とグループFの2位チームの勝者と対戦する。したがって、グループAの首位チームと1回戦で対戦することができるのはグループC、グループDあるいはグループEの3位チームである。

■15通りの決勝進出チームの組み合わせに合わせて、トーナメント表を作成

 一方、グループリーグで3位に入った6チームのうち成績が良い4チームが決勝トーナメントに進出するわけであるが、この組み合わせは15通りある。決勝トーナメント進出4か国のそれぞれの組み合わせに従って、上記のようにこれらのチームが準決勝まで同じグループリーグのチームと対戦しないようにトーナメント表が作成された。例えば、グループA、B、C、Dの3位チームが決勝トーナメントに進出した場合、グループAの3位チームはグループCの首位チームと、グループBの3位チームはグループDの首位チームと、グループCの3位チームはグループAの首位チームと、グループDの3位チームはグループAの首位チームとそれぞれ対戦するという具合である。
 この15通りの組み合わせを見てみると、フランスが決勝トーナメント1回戦で対戦するのは、グループCの3位が9通り、グループDの3位が3通り、グループEの3位が3通りとなり、グループCの3位と対戦する可能性が高い。

■スロバキア、北アイルランド、ポルトガルが決勝トーナメント進出決定

 しかし、確率論通りにはならなかった。グループリーグの最終戦は6月22日、グループEとグループFの各2試合が行われた。グループAからDまでは日程が終了、グループBのスロバキア(勝ち点4)とグループCの北アイルランド(勝ち点3、得失点差±0)が決勝トーナメント出場を決め、グループAのアルバニアとグループDのトルコはいずれも勝ち点3、得失点差-2で、最終日の結果待ちである。
 グループEはイタリア、グループFはハンガリーがグループリーグを決めているが、両グループともそれ以外の3チームに決勝トーナメント進出の可能性がある。グループFは18時にアイスランド-オーストリア戦、ハンガリー-ポルトガル戦が同時にキックオフされ、アイスランドがオーストリアに勝利し、ハンガリーとポルトガルは引き分けた。その結果、首位がハンガリー、2位がアイスランドとなり、3位になったのはポルトガル。ポルトガルの成績は勝ち点3、得失点差±0となり、アルバニアとトルコに得失点差で優り、3位チームとして3番目のチケットをつかんだ。同時に総得点でトルコに下回るアルバニアは敗退が決まった。残り1枚のチケットは21時から始まるグループEの2試合で決まるのである。(続く)

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