第2051回 金メダルを狙う女子サッカー(2) フランス選手団の先陣を切る女子サッカー
平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。
■18人しか登録されないオリンピック
金メダルを目指すフランス女子イレブン、6月30日からノルマンディー地方のプルーフラガンに28人の選手が集まって一次合宿を行った。9日間の合宿の最後にフィリップ・ベルジェロー監督はバックアップメンバーを含むメンバーを発表した。
昨年行われたワールドカップは23人のメンバー登録であったが、オリンピックは18人だけがメンバーに選ばれる。
■18人は全員昨年のワールドカップ出場組
金メダルを目指すメンバーはGKはサラ・ブハディ、メリーヌ・ジェラールの2人、DFはサブリナ・ドラノワ、ジェシカ・ウアラ、ローラ・ジョルジュ、アメル・マジリ、グリエッジ・ムボック、ウェンディ・ルナール、MFはカミーユ・アビリー、エリーズ・ビュサグリア、カディディアトゥ・ディアニ、ケイラ・アマラウイ、アマンディーヌ・アンリ、クレール・ラボジェ、ルイーザ・ネシブ、エロディ・トミ、FWはマリー・ロール・デリー、ユージェニ・ルソメというメンバーである。
昨年のワールドカップのメンバーからGKのセリーヌ・デュビル、DFのロール・ブロー、アナイ・ビュテル、MFのケンザ・ダリ、FWのガエタン・ティネの5人が外れ、新たにメンバーに入った選手はいなかった。
なお、バックアップメンバーとしてダリ、サキナ・カルシャウイ、クラリス・ルビアン、ラエティティア・フィリップの4人が登録された。
■バックアップメンバーから代表入りしたサキナ・カルシャウイ
22人のメンバーはクレールフォンテーヌに場所を移し、二次合宿に入る。この二次合宿中に通算成績でこれまで負け越していた中国とパリで対戦し、3-0と完勝する。誤算としてはジョルジュが負傷し、メンバーから離脱したことである。バックアップメンバーのカルシャウイを登録する。カルシャウイは昨年のワールドカップには出場しておらず、今年の4月に代表にデビューしたばかりである。チーム最年少の20歳である。フランスは大会前最後の親善試合としてオセールでカナダと対戦するが、カルシャウイも先発し、1-0と退けた。
フランスチームは7月25日の夜にフランスを離れ、その翌日にブラジルの地へ降り立ったのである。
■世界ランキング1位の米国と同じグループG
オリンピックの女子サッカー競技には12チームが参加する。4チームずつの3つのグループに分かれ、各グループの上位2チームと、グループリーグで3位だったチームのうち成績の良い2チーム、合計8チームが決勝トーナメントに進出する。世界ランキングを元にシード分けされ、組み合わせ抽選が行われたが、フランスにとっては不運な組み合わせになっている。女子の世界ランキングは変動が少なく、1位米国、2位ドイツ、3位フランスという序列が続いている。本来ならば、この3チームが第1シードとなり、それぞれ別のグループリーグに入るわけであるが、世界ランキング8位の開催国ブラジルが第1シードに入り、フランスは第2シードとなる。組み合わせ抽選の結果、フランスは世界ランキング1位の米国と同じグループGに入ってしまったのである。その他にグループGは第3シードからはオセアニア代表のニュージーランド、第4シードからは南米代表のコロンビアが入る。
フランスはコロンビア、米国、ニュージーランドの順に対戦する。8月3日のコロンビア戦、6日の米国戦はいずれもベロオリゾンテで行われるため、フランスはベロオリゾンテのホテルに宿泊し、戦いに備える。
オリンピックのサッカー競技のグループリーグは最初の2節は1日2試合同じ会場で行われ、最終節は別の会場で2試合が同時刻にキックオフされる。グループGの開幕戦は開会式の前々日の8月3日、すなわち他の競技に先駆けて行われ、米国がニュージーランドを2-0で下す。
そしていよいよ、8月3日22時、ベロオリゾンテで試合がキックオフされ、フランス選手団の先陣を切って戦いに挑むことになるのである。(続く)