第2069回 フランスリーグ序盤戦(1) マリオ・バロテッリ、デビュー戦で2ゴール
平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。
■チャンピオンズトロフィーで大勝したパリサンジェルマン
今季のフランスリーグも8月12日に開幕した。開幕前に行われたチャンピオンズトロフィーはリーグ4連覇中のパリサンジェルマンがフランスカップも制したため、リーグ2位のリヨンと対戦することになった。
パリサンジェルマンはズラタン・イブラヒモビッチ、ルカ・ディーニュ、グレゴリー・バンデルビールなどがチームを去った。
これまでのチャンピオンズトロフィーでリヨンは最多の7回の優勝を誇り、パリサンジェルマンの5回を上回っている。また、両チームは昨季のリーグ戦の2月28日でリヨンで対戦したのが最後であるが、この試合はリヨンが2-1と勝利し、勝ち点96で優勝したパリサンジェルマンの数少ない黒星がこのリヨンでの試合である。
オーストリアのクラゲンフルトで行われたこの試合、リヨンの勝利を予想する声も少なくはなかったが、パリサンジェルマンはハビエル・パストーレの先制ゴールに始まって4ゴール、リヨンは試合終盤に1点を返すにとどまった。今季もパリサンジェルマン強し、という印象をファンの脳裏に刻みこんでシーズンが開幕した。
■開幕2連勝した昨季優勝のパリサンジェルマンと2位リヨン
そのとおり、パリサンジェルマンは第1節はアウエーでバスティアに1-0と勝利、第2戦はホームに戻ってきてメッスに3-0と勝利する。パリサンジェルマンは第2節を日曜日に戦ったため、前日までに試合を終えていたリヨン、ニースに並んで2連勝で首位に並ぶ。
■第3節でパリサンジェルマン、リヨンとも初黒星
序盤戦でパリサンジェルマンは5連覇に向けて順調にシーズン開幕のスタートダッシュを切ったかに見えたが、8月最後の週末に波乱が起こった。チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの本戦のグループリーグの組み合わせ抽選が行われた直後に行われた第3節、モナコ-パリサンジェルマンというチャンピオンズリーグ本戦に出場するチーム同士のカードが組まれた。ここまで1勝1分のモナコは13分にジョアン・モウティーニョが先制点をあげ、前半のアディショナルタイムにもダビド・ルイスのファウルから得たPKをファビーニョが決めて2-0で折り返す。パスをつなぎ、ボール保持率でも圧倒したパリサンジェルマンであるが、シュートが打てなくては得点は上げられない。
後半に入りパリサンジェルマンは63分にエディンソン・カバーニのヘディングシュートで1点を返すが、80分にはセルジュ・オーリエが痛恨のオウンゴールを記録してしまう。パリサンジェルマンは今季初黒星を喫した。
また、第3節では昨季リーグ2位のリヨンも敗れ、2勝1敗となり、第3節を終了した時点で2勝1分のモナコ、ギャンガン、ニースが勝ち点7で首位に並んだのである。
■ニースに移籍してきたマリオ・バロテッリ、いきなり2ゴール
第4節は月が替わり、インターナショナルマッチデー明けの9月9日から行われた。金曜日の9日と土曜日の10日の上位勢の戦いであるが、パリサンジェルマンはホームでサンテチエンヌと1-1の引き分け、2試合連続で勝ち星をあげることができなかった。リヨンはボルドーに敗れて連敗、ギャンガンはモンペリエと1-1の引き分け、モナコはアウエーでリールに4-1と勝利する。土曜日の夜の時点の首位はモナコ、2位はボルドーであり、ニースが日曜日に試合を行う。
8月末に移籍を締め切ったが、最後にニースが獲得したのがイタリア代表のマリオ・バロテッリである。9月11日の試合がバロテッリのデビュー戦となったが、ホームのマルセイユ戦である。地中海ダービーで大物が姿を現した。そしてこれまで多くの伝説をつくってきた悪童バロテッリはこのニースでも大物ぶりを発揮、7分にはPKで先制ゴール、さらに1点を追う78分には貴重な同点ゴールを決める。そしてニースは87分にシプリアンが勝ち越しゴールを決めて、3-2と勝利、アリアンツリビエラ競技場には「スーパーマリオ」の大合唱が鳴り響いた。3勝1分のニースはモナコと同勝ち点で2位になったのである。(続く)