第2071回 欧州カップ開幕 (1) 厳しいグループに入ったパリサンジェルマンとリヨン
平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。
■フランスから参戦する5チーム
前回までの本連載では8月中旬に開幕したフランスリーグの序盤戦を紹介したが、9月中旬になりチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグという欧州カップも本戦が始まった。今回は欧州カップの第1節を紹介しよう。
まず、欧州カップに出場するフランス勢を確認しよう。チャンピオンズリーグには昨季のリーグチャンピオンのパリサンジェルマン、リーグ2位のリヨンに加え、予備戦、プレーオフを勝ち抜いたリーグ3位のモナコの3チームが出場する。またヨーロッパリーグには昨季リーグ4位のニースが直接本戦に出場するのに加え、リーグ6位のサンテチエンヌが予備戦、プレーオフを勝ち抜いて出場する。
■チャンピオンズリーグ独特の第1シードの決定方法
本戦の組み合わせは8月下旬に行われた。まず、組み合わせの際のシード順は、過去の欧州カップでの戦績を数値化したUEFAインデックスで第1シードから第4シードまでに分けられるが、チャンピオンズリーグの場合、独特のルールがある。それは第1シード8チームは昨年の優勝チームに加え、UEFAインデックスでクラブではなく国別ランキングの1位から7位までのリーグチャンピオンが選ばれるということである。
ディフェンディングチャンピオンはスペインのレアル・マドリッド、それに加え国別ランキングで1位のスペインからバルセロナ、2位のイングランドからレスター・シティ、3位のドイツからバイエルン・ミュンヘン、4位のイタリアからユベントス、5位のポルトガルからベンフィカ、6位のフランスからパリサンジェルマン、7位のロシアからCSKAモスクワというメンバーである。この中で特筆すべきはレスターであろう。奇跡の優勝を果たしたレスターは、近年の欧州カップでは全く成果を残しておらず、UEFAインデックスでは本戦出場32チームの中では最下位であるが、第1シードに選ばれた。
■有力リーグの強豪チームが目白押しの第2シード
この方式はチャンピオンズリーグの名の通り、チャンピオンチームにステータスを与えているが、逆に有力リーグのチャンピオン以外のチームが第2シードに甘んじることになる。第2シードは有力チームがひしめき合い、スペインのアトレチコ・マドリッド、ドイツのボルシア・ドルトムント、イングランドのアーセナル、マンチェスター・シティ、スペインのセビリア、ポルトガルのポルト、イタリアのナポリ、ドイツのバイエル・レバークーゼンという8チームのうち、昨季のリーグチャンピオンは存在しない。第1シードで最下位のCSKAモスクワの次のリーグチャンピオンは第3シードのスイスのバーゼルまで下らなくてはならない。
■アーセナルと対戦するパリサンジェルマン、ユベントスと対戦するリヨン
また、パリサンジェルマン以外のフランス勢はリヨンが第3シード、モナコは惜しいところで第4シードにとどまった。
実力派の集まった第2シードのどのチームと対戦するかが組み合わせ抽選の注目点となった。パリサンジェルマンはグループAとなり、第2シードの相手はアーセナル、第3シードはバーゼル、第4シードはブルガリアのルドゴレツ・ラズグラドとなった。第2シードのアーセナルは近年のチャンピオンズリーグの上位の常連チームであり、第3シードのバーゼルも第3シードの中では最も高いランキングであり、限りなく第2シードに近い力を持っている。
リヨンはグループH、第1シードのユベントス、第2シードのセビリア、第4シードのディナモ・ザグレブ(クロアチア)と対戦する。
そしてモナコはグループEで第1シードはCSKAモスクワ、第2シードはバイエル・レバークーゼン、第3シードはイングランドのトットナム・ホットスパーである。
このようにみると、パリサンジェルマンとリヨンに関してはかなり厳しいグループを引き当ててしまったと言えるであろう。(続く)