第214回 コンフェデレーションズカップ2003 (3) グループリーグ3連勝、首位で準決勝へ

■オセアニア選手権優勝チームのオールホワイツ

 コロンビア、日本と1点差で勝利を収め、グループリーグ最終戦を迎えるフランス。ようやくブルーがスタッド・ド・フランスに姿を現した。すでにフランスは決勝トーナメント進出を決定し、最終戦の相手は純白のユニフォームで「オールホワイツ」という知られざる異名のあるニュージーランド。ニュージーランドは昨年のオセアニア選手権のチャンピオンとして今大会に出場しており、1999年のメキシコ大会以来の出場であり、今大会も約半数のメンバーは4年前の大会に出場している。

■オセアニア選手権以降未勝利のオセアニアの王者

 しかし、オセアニア選手権以降勝ち星に恵まれず、昨年7月14日のオセアニア選手権決勝の豪州戦が最後の勝利である。さそして歴史をさかのぼるならばニュージーランドは国際試合を行って今年が100年目となり、1982年のワールドカップにも出場した経験があるが、その長い歴史の中で一度も欧州のフル代表のチームに勝ったことがないのである。今大会も初戦で日本に0-3、続くコロンビア戦も1-3と連敗し、決勝トーナメントへの道はすでに閉ざされている。実力の差に加え、モチベーションにも大きな差があり、ニュージーランドの欧州からの初勝利の可能性は極めて少ないであろう。
 このように実力・意欲に差がある対戦となったが、フランスにとってニュージーランド戦で引き分け以上ならば首位となり、準決勝をニュージーランド戦と同じスタッド・ド・フランスで戦うことができる。また、決勝トーナメントを前に起用される選手の活躍にも注目したい。

■格下相手に攻撃的布陣で大量点を狙う

 日本戦出場メンバーで確実にメンバーから外れるのは退場処分を受けたビリー・サニョルと試合中に負傷したジェローム・ロタンである。それ以外のメンバーについてはジャック・サンティーニ監督が各選手の出場時間数などのバランスを考慮しながらメンバー表に名前を書き込む。まず、今までの2試合に出場していないGKのミカエル・ランドロー、攻撃的MFのルドビック・ジウイが優先される。しかし、温情采配だけではない。相手の力量を考慮して守備的MFは1人、攻撃的MFに3人を配置するという攻撃的布陣。格下の相手に大量点を取ることが必要になる状況も想定した上でのテストであろう。
 スタッド・ド・フランスでの先発メンバーはGKのミカエル・ランドロー、DFは右からリリアン・テュラム、フィリップ・メクセス、ジャン・アラン・ブームソン、ビシャンテ・リザラズ、MFは守備的位置にブルーノ・ペドレッティ、攻撃的位置にシルバン・ビルトール、オリビエ・カポ、ジウイ、FWはジブリル・シセとティエリー・アンリ、大量得点での勝利を期待する3万6000人の観衆の見守る中でのキックオフ。

■ベンチとファンの期待に応えた大量得点ショー

 なんとか欧州勢から初勝利を、と願うニュージーランドはラグビーの代表がファーストジャージにしている黒のユニフォームをまとって登場する。そのニュージーランドの思いよりも大量得点を期待するフランスベンチとスタッド・ド・フランスに集まった地元ファンの思い通りの展開になった。17分にカポが先制点、20分にはアンリが追加点。両国の力関係を考慮すれば、ここで勝負あった、と言えよう。その後白いユニフォームのフランスがゴールネットを揺らすまでには時間がかかったが、ニュージーランドのチャンスはほとんどなく、日もとっぷりと暮れた70分にシセが3点目を決めた。日曜日の夜の試合ということでパリジャンが家路につき始めたロスタイムに入り、フランスは大量得点ショーをみせる。90分にジウイ、91分に途中からビルトールに代わって出場したロベール・ピレスが5点目。フランスはエジプト戦と同じスコアの5-0でオールブラックスに大勝したのである。日本戦で代表にデビューしたウスマン・ダボも後半から出場、イタリアのチームに所属するダボにとってスタッド・ド・フランスでプレーする最初の機会となった。
 さて、2大会連続の優勝を目指し、休養十分で臨む準決勝は26日。準決勝ではどのようなメンバーがスタッド・ド・フランスのピッチにたつのであろうか。(続く)

このページのTOPへ