第2196回 3連敗を喫したラグビー代表(2) 終盤に突き放されたプレトリアでの第1戦
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■35人が帯同した南アフリカ遠征
今年の6か国対抗では3位に終わったとはいえ、最終戦のウェールズ戦では劇的な勝利をおさめ、敗れたイングランド戦、アイルランド戦も前線が続き、夏の南アフリカ遠征には期待が寄せられた。
この遠征に35人が参加した。昨年の秋にフランス国内でサモア、豪州、ニュージーランドと対戦した際は32人のメンバーで戦っており、同じ相手と3試合戦うことから、メンバーを入れ替えながら個人レベルでの手ごたえをつかみ、チーム力をアップしたいところである。
FWはウイニ・アトニオ、エディ・ベンアルース、モハメド・ブガンミ、ヤクーバ・カマラ、カミーユ・シャ、グザビエ・チョッキ、ロアン・グージョン、ケビン・グルドン、ギエーム・ギラド、ポール・ジャドラジアック、アントニー・ジュロンチ、ジュリアン・ルドゥベデック、ベルナール・ルルー、ヨアン・マエストリ、クレマン・マイナディエ、ルイ・ピカモール、ジェファーソン・ポワロ、ラバ・スリマニ、ロマン・タオフィフェヌアの19人、BKはアンリ・シャバンシー、ジョナタン・ダンティ、ジャン・マルク・デュサン、ナン・デュクアン、ブライス・デュラン、アントワン・デュポン、ガエル・フィクー、ヨアン・ウジェ、マキシム・マシュノー、ダミアン・プノー、ジュール・プリソン、バンサン・ラッテス、バティスト・サラン、スコット・スペディング、フランソワ・トラン・デュック、ビリミ・バカタワの16人である。
■1995年ラグビーワールドカップで2勝したロフタス・ヴァーシフェルド競技場
第1戦は首都プレトリアのロフタス・ヴァーシフェルド競技場での戦いとなる。1995年のラグビーワールドカップ、2010年のサッカーワールドカップに使用された競技場である。1995年のワールドカップではフランスはこの競技場で予選プールを2試合戦い、トンガとスコットランドに勝利しグループ首位突破している。一方の2010年のサッカーのワールドカップはフランスにとっては屈辱的な結果となったが、プレトリアでの試合はなかった。
今回の3連戦のうち、第1戦のプレトリア(海抜1200メートル)と第3戦のヨハネスブルク(1700メートル)は高地での戦い、第2戦のダーバンは海沿いでの試合となる。フランスが南アフリカで複数回試合をしたのは2005年以来のことであるが、2005年も海沿いのポートエリザベスと高地のダーバンという組み合わせであった。高地での戦いは疲労がたまりやすいことに加え、空気が薄いことからキックしたボールが飛びやすくなる。
■高地のプレトリアでの第1戦に臨むフランスのフィフティーン
フランスにとって1995年のワールドカップ以来となるプレトリアでの試合、フランスの先発イレブンは次の通りである。第1列は左プロップにポワロ、フッカーにマイナディエ、右プロップにアトニオ、第2列のロックは左にルドゥベデック、右にマエストリ、第3列は左フランカーにカマラ、右フランカーにグージョン、ナンバー8にピカモールが控える。ハーフ団はスクラムハーフにマシュノー、スタンドオフにプリソン、スリークォーターバック数は左ウイングバカタワ、左センターにフィクー、右センターにシャバンシー、右ウイングにウジェとなり、フルバックはデュランが務める。
■2点差に追い上げるも後半に立て続けに3トライを奪われる
フランスは立ち上がりから押し込まれ、11分には南アフリカの波状攻撃にたまらずオフサイドの反則、日本の読者の皆様ならよくご存じのエルトン・ヤンチースが先制のPGを決める。15分にもヤンチースのPGで南アフリカはリードを広げ、31分に南アフリカはセンターのジェシー・クリエルがトライを決め、ゴールも決まって13-0となる。フランスの反撃は35分、ウイングのウジェまでボールがつながり、シャバンシーに戻してトライを返し、プリソンがゴールを決める。後半に入って55分には交代出場したスクラムハーフのサランがゴール真下にトライ、ゴールも決まって14-16と2点差に迫る。しかし、反撃もここまで、南アフリカは59分、61分、68分と3連続トライをあげて、最終スコアは37-14と大差がついてしまったのである。(続く)