第2242回 中盤を迎えたチャンピオンズリーグ (1) ホームで敗れたモナコ、大勝したパリサンジェルマン
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■第4シードのRBライプチヒと引き分けたモナコ
10月初めのワールドカップ予選で代表チームが本大会出場を決め、ファンの関心はクラブレベルに移った。本連載ではチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの開幕戦の模様を紹介したが、第2節は9月下旬、第3節は10月中旬、第4節は10月末と11月初めに行われる。
今回は第2節のフランス勢の戦いぶりを紹介しよう。9月26日と27日にチャンピオンズリーグが行われ、28日にヨーロッパリーグが行われた。
9月26日に登場したのがモナコである。昨季のリーグチャンピオンのモナコ、新星のキリアン・ムバッペをパリサンジェルマンに奪われ、同じく成長株のバンジャマン・マンディがベルナウド・シウバとともにマンチェスター・シティ(イングランド)に去り、他のクラブから若手選手を獲得して挑む今季、リーグ戦では6勝1敗でパリサンジェルマンに次ぐ2位の座をキープしており、地力のあるところを見せている。ところがチャンピオンズリーグの第1節では第4シードのRBライプチヒ(ドイツ)にアウエーとはいえ、引き分けに終わってしまい、勝ち点を1しか獲得できなかった。
■モナコよりもUEFAインデックスでは上位のポルト
モナコの第2節の相手はポルト(ポルトガル)である。モナコが第1シード、ポルトが第2シードとシード順ではモナコが上位であるが、モナコが第1シードを確保できたのはリーグ優勝したからである。第2221回の本連載で紹介している通りUEFAインデックスではモナコよりもポルトの方が高い数字を記録している。しかしそのポルトも第1節ではアウエーで戦い、トルコのベシクタシュに1-3と敗れている。第1節で思うような成績を残せなかった上位同士の対戦はモナコのルイ二世競技場で行われた。
■ホームで17年ぶりの敗戦となったモナコ、ポルトに0-3と敗れ、最下位に転落
モナコはホームでのグループリーグでは過去14試合負けていない。最後にモナコがグループリーグで敗れたのは2000年9月に行われたグラスゴー・レンジャース戦である。
試合はホームのモナコがパスをつないで優勢に試合を進めるが、なかなかシュートに結びつけることができない。そして均衡が破れたのは31分であった。ポルトはロングスローからゴール前にボールを運び、ダニーロ・ペレイラがボレーシュート、モナコのGKはダニエル・スバシッチがRBライプチヒ戦で負傷し、代役のディエゴ・ベナーリオ。ベナーリオがクリアするが、そのボールをバンサン・アブバカルが右足で押し込んで先制点を奪う。さらに後半に入っても、69分にアブバカルがまた右足で追加点を奪い、リードを広げる。さらにポルトは試合終了直前の89分にもミゲル・ラジュンが3点目を奪う。
トマ・ルマール、ジブリル・シディベという若手の代表選手も出場したモナコはホームで0-3と予想外の黒星となる。第2節を終えて、グループGで最下位に転落したのである。
■首位攻防戦でライバルに大勝したパリサンジェルマン
一方、モナコとは全く逆の展開となったのがパリサンジェルマンであり、ドイツチャンピオンのバイエルン・ミュンヘンをパルク・デ・プランスに迎えた。上位シードの両チームは第1節に勝利し、首位攻防戦となった。
この試合は開始2分にパリサンジェルマンがダニエウ・アウベスのゴールで先手を取る。バイエルン・ミュンヘンはパスをつないで優位に進めるが、次のゴールを記録したのもパリサンジェルマンであった。中央に入ったエディンソン・カバーニが31分に追加点を決める。このカバーニの左右には新戦力が控える。右はムバッペ、左はネイマールである。この3人の攻撃陣が今季のパリサンジェルマンの魅力である。63分にはムバッペがネイマールにパス、ネイマールは簡単にゴールを決めて3-0、パリサンジェルマンはバイエルン・ミュンヘンに快勝する。パリサンジェルマンは第1節のアンデルレヒト(ベルギー)戦の5-0に続き、大量点を記録した。そして2試合連続のクリーンシートの立役者はバイエルン・ミュンヘンの攻撃を果敢に防いだGKのアルフォンス・アレオラなのである。(続く)