第2245回 中盤を迎えたチャンピオンズリーグ (4) パリサンジェルマン、4連勝で決勝トーナメント進出決定
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■第4節で決勝トーナメント進出決定の可能性のあるパリサンジェルマン
チャンピオンズリーグに出場しているフランス勢、前半戦を終えてモナコは1分2敗で最下位、パリサンジェルマンは3連勝で首位と明暗が分かれた。
後半戦最初の第4節は10月31日と11月1日に行われた。万聖節で学校は休み、小旅行を楽しむ家族も少なくないであろう。もちろんその休暇をアウエーでのサッカーの応援に使うこともできるが、モナコのファンにとってはベクシタシュの本拠地であるトルコのイスタンブールまで出かけようという気にはなれないであろう。一方、本拠地のパルク・デ・プランスにベルギーのアンデルレヒトを迎えるパリサンジェルマンのファンはこの時期に開催されるテニスのパリ・インドアの合間に行われるゲームで早く決勝トーナメント進出を決めてほしいであろう。
■最下位脱出を目指すアンデルレヒト
第4節は第3節と試合の順番が入れ替わりパリサンジェルマンの所属するグループBが10月31日、モナコの所属するグループGが11月1日に試合を行う。グループBの前半戦の順位は首位パリサンジェルマン(勝ち点9)、2位バイエルン・ミュンヘン(ドイツ、6)、3位セルチック・グラスゴー(スコットランド、3)、4位アンデルレヒト(0)となっている。第4節でパリサンジェルマンが勝利し、セルチック・グラスゴーが引き分け以下だと、パリサンジェルマンは2試合を残して決勝トーナメント進出を決めることができる。対するアンデルレヒトはアウエーとはいえ、何とか勝ち点ゼロの状態から脱したい。第3節でパリサンジェルマンに大敗してから、国内のリーグ戦では連勝しており、4年前同様にアウエーで何とか勝ち点を獲得し、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントに出場できる3位を目指したいところである。
■先制点は中盤のマルコ・ベラッティ
しかし、この試合でもパリサンジェルマンの爆発的な攻撃力はその勢いを失わなかった。第3節で途中出場し得点をあげたアンヘル・ディマリアの先発が予想されたが、パリサンジェルマンのウナイ・エメリ監督はリーグ戦同様にネイマール、エディンソン・カバーニ、キリアン・ムバッペの3人を先発させた。試合は立ち上がりからパリサンジェルマンの一方的なペースとなる。パリサンジェルマンはほぼ3分に1本の割合でシュートを放つが、なかなか得点が生まれない。しかし、この日パルク・デ・プランスに集まった4万6000人のファンは誰一人として心配していなかった。ファーストゴールは中盤の選手が記録した。30分に、ネイマールからムバッペへパスがつながり、ムバッペがマルコ・ベラッティにパスをし、ベラッティがゴールを決める。ベラッティはチャンピオンズリーグでは3年ぶりに得点をあげ、2得点目となる。一方のアンデルレヒト、37分にパリサンジェルマンのゴールを襲うが、アルフォンス・アレオラの守るゴールを破ることができない。対するパリサンジェルマンは前半終了間際にネイマールがしばしば得点機を作る。そしてアディショナルタイムの49分にCKから得点を奪い、2点差でハーフタイムを迎える。ネイマールはチャンピオンズリーグ通算25得点目であるが、そのうち4得点はパリサンジェルマン時代のもの、すなわち出場4試合で4得点をあげていることになる。またリーグ戦でも7得点をあげており、ネイマールのパリサンジェルマンへの移籍は本人にとっても正解であったと言えよう。
■左サイドバックのレイバン・クルザワがハットトリック
一方的な試合展開は後半も続いた。52分にはネイマールがFKからゴールを狙うが、これをアンデルレヒトのGKフランク・ブクスがクリア、そのクリアボールをレイバン・クルザワがシュートし、3-0とリードは大きくなる。クルザワはパリサンジェルマンに移籍してからチャンピオンズリーグでは初ゴールとなる。クルザワは72分にも追加点をあげる。そして驚きは78分、クルザワはこの日3点目、すなわちハットトリックを達成したのである。
パリサンジェルマンは5-0と勝利し、4連勝、同時に行われた試合でセルチック・グラスゴーの勝利したバイエルン・ミュンヘンとともに決勝トーナメント進出を決めたのである。(続く)