第2268回 フランス勢のヨーロッパリーグ (1) アタランタとともに決勝トーナメントに進出したリヨン
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■第1節と第2節は負けに等しい引き分けに終わったリヨン
前回までの本連載ではフランスからチャンピオンズリーグに出場しているパリサンジェルマンとモナコのグループリーグ終盤戦の模様を紹介したが、今回からはヨーロッパリーグに参戦しているフランス勢3チームについて紹介しよう。
本連載では第225回の連載でリヨン、マルセイユ、ニースの第1節の戦いについて紹介したが、第2節以降は3チームが別々の歩みで年末を迎えた。
まず、第1節にキプロスのアポロン・リマソルと対戦し、後半アディショナルタイムに同点ゴールを奪われてドロー発進となったリヨンであるが、決勝トーナメント進出を決めた。
第2節はイタリアのアタランタをホームに迎えた。昨季リーグ4位でヨーロッパリーグに出場したアタランタは第1戦でイングランドのエバートンに勝利し、首位の座にある。しかし、リヨンは一方的に試合を支配する。そして次々とシュートを放つが、ようやくゴールネットを揺らしたのは前半終了間際の45分であった。ベルトラン・トラオレがいい時間帯に先制点を奪ったが、リヨンは57分に追いつかれる。リヨンは終始試合を優位に進め、シュートを浴びせるが、追加点はならず、第1節とは違った展開で負けに等しい勝ち点1に終わってしまった。
■不調のエバートン相手にアウエーで勝利
グループEの序盤戦は引き分けが多く、エバートン-アポロン・リマソルも引き分けであり、第2節を終えた時点でアタランタが一歩リード、リヨンとアポロン・リマソルが並んで2位であり、エバートンが出遅れていた。リヨンの中盤戦はその出遅れているエバートンが相手であり、まずリバプールでの対戦となる。昨季リーグ7位のエバートンは国内でも調子が上がらず、この時点でリーグ16位と低迷している。今季マンチェスター・ユナイテッドから加入したウェイン・ルーニーもベンチ入りメンバーから外れている。
しかし、それでもグディンソン・パークには3万5000人の観衆が集まる。エバートンは開始早々の5分にDFのメイソン・ホルゲートがペナルティエリア内でウッサム・アウアを倒してしまい、リヨンにPKが与えられる。このPKをナビル・フェキルが決めてリヨンが先制、その後もアウエーのリヨンは攻め続けるが、前半は1点だけのリードで終了する。後半に入って試合のリズムが変わり、エバートンが盛り返すとともに、荒れた試合となりイエローカードが舞い飛ぶ。68分、エバートンは中盤で得たFKをギルフィ・シグルズソンがゴール前に蹴りこみ、これをウェールズ代表の主将を務めるアシュリー・ウィリアムズがゴール前で合わせて同点ゴールとなる。攻守の切り替えの早い展開となり、75分にはゴール前でトラオレがヒールキックでシュート、かつてのアルジェリアの名手ラバ・マジェールの名からマジェールと呼ばれるヒールでのシュートにイングランド代表のGKのジョーダン・ピックフォードも対応できず、リヨンが勝ち越しを決め、初勝利をあげたのである。
■ホームで3点奪ってエバートンに連勝
1勝1分と負けなしのリヨンは続く第4節ではエバートンをホームに迎える。前半こそもたついたものの、終盤になるとギヤをあげ、68分にはトラオレがゴール、前の試合から通算すると3ゴール連続で記録している。76分にはロングパスを受けたアウアが追加点をあげる。その後、エバートンに退場者が出たこともあり、リヨンの攻勢は強まり、88分にはデパイのゴールで3-0と突き放す。リヨンはアタランタとともに勝ち点8で首位に並んだのである。
■アポロン・リマソルにも大勝、アタランタとともに2位以内を確定
そして11月23日、リヨンはアポロン・リマソルをホームに迎える。この日もリヨンはゴールラッシュを見せる。29分にディアカビ、32分にフェキルと立て続けにゴールを奪い、優位に立つ。後半に入っても67分にディアス、そして90分にミジアン・マオリダが得点し、4-0と勝利する。この日エバートンに勝利したアタランタとともに2位以内を確定する。
最終節でアタランタに0-1と敗れたものの、リヨンは2位で決勝トーナメントに進むことになったのである。(続く)