第2280回 リーグ戦再開前に行われたリーグカップ (1) ベスト16は1部勢15チームと2部のトゥール
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■フランスカップベスト32決定戦の直後に行われたリーグカップ準々決勝
前回までの本連載は今年初めての週末に行われたフランスカップのベスト32決定戦について紹介してきた。その次の週末からリーグ戦再開の第20節が行われるが、その前にリーグカップの準々決勝が火曜日の1月9日と水曜日の10日に行われた。準々決勝に進出したのはすべて1部勢、すなわち、年が明けてから2試合連続でノックアウト形式のカップ戦をこの8チームは戦うわけである。
準々決勝に進出したのは前半戦の順にパリサンジェルマン(1位)、モナコ(2位)、ニース(6位)、モンペリエ(7位)、レンヌ(9位)、アミアン(13位)、トゥールーズ(17位)、アンジェ(19位)という顔ぶれである。
■1部20チーム、2部20チーム、ナショナルリーグ4チームがエントリー
準々決勝の戦いを紹介する前に、ここまでのリーグカップを振り返ってみよう。まず、参加したチームは1部20チーム、2部20チームに加え、今季ナショナルリーグに陥落した2チーム(ラバル、レッドスター)と昨季ナショナルリーグに陥落したクレテイユ、財政的な問題から1部からナショナルリーグに陥落したSCバスティアの4チームがエントリーしている。
1回戦はリーグ戦開幕とほぼ同時期の8月8日に行われた2部とナショナルリーグのチームが出場したが、SCバスティアはプロのステータスが確保できなかったため、不戦敗となる。実際に試合が行われた11試合のうち5試合がPK戦で決着がついた。なお、リーグカップは延長戦はなく、90分が終わった時点で同点の場合はPK戦となる。なお、ナショナルリーグではレッドスターだけが勝ち残った。
2回戦は8月下旬に行われ、この時点で2部以下は6チームに絞られ、ナンシー、クレルモン、バランシエンヌ、トゥール、ロリアンとナショナルリーグのレッドスターが1部勢も加わってくるベスト16決定戦に相当する3回戦に駒を進めた。
■ナショナルリーグのレッドスター相手に今季ホーム初勝利をあげたメッス
10月下旬に行われたベスト16決定戦は2部以下の6チームと1部で欧州カップに出場していない14チームの20チームが10試合を行った。
この時点で唯一のナショナルリーグのレッドスターは抽選の結果、ホームに1部最下位のメッスを迎えることになった。しかし、リーグ側からレッドスターの本拠地であるサントゥーアンのボーエ競技場が規格に達していないということで、この試合はメッスのサンサンフォリアン競技場で行われることになった。成績不振で試合の3日前に監督のフィリップ・アンシュベルジュを更迭し、ジョゼ・ピノが暫定的に指揮を執ることになった。
そのようなメッスにとってはホームゲームとなったのは思わぬプレゼントであり、後半の66分に決勝点を奪って、今季初めてホームで勝利することができたのである。
■リーグ戦上位のナント、サンテチエンヌは姿を消す
これ以外の試合を紹介すると、この時点で最も成績が良かったナント(3位)はアウエーでトゥールと対戦し、1-3と敗れてしまった。次に順位が上位のチームは6位のサンテチエンヌであるが、17位のストラスブールにPKで敗れてしまう。
リーグ戦中位の1部勢は直接対決を除くとそろって勝利した。8位のモンペリエは11位のギャンガンに、9位のカーンは2部のロリアンに、10位のトゥールーズは2部のクレルモンに、12位のアンジェは2部のナンシーにそれぞれ勝利した。
これ以外には16位のアミアンが13位のトロワを下し、15位のレンヌが18位のディジョンを下す。そして降格圏の19位のリールはバランシエンヌと対戦して2-2のままPK戦となり、競り勝った。
この結果、ベスト8決定戦は2部で唯一勝ち残っているトゥールのほか、1部のモンペリエ、カーン、トゥールーズ、アンジェ、レンヌ、アミアン、ストラスブール、リール、メッスに加え、欧州カップに出場しているパリサンジェルマン、モナコ、リヨン、マルセイユ、ボルドー、ニースを交えてグチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグの終了した12月中旬に行われるのである。(続く)