第2357回 ウルグアイにも勝利、南米勢に3連勝(1) 準々決勝の相手はウルグアイ
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■リオネル・メッシを完封したフランスの組織的な守備
前回大会準優勝のアルゼンチンを4-3という接戦で制したフランス、キリアン・ムバッペの2ゴール、バンジャマン・パバールのミドルシュートなど、ゴールシーンが注目されるが、組織的な守備でリオネル・メッシを封じたことを忘れてはならない。マンツーマンでマークしたのはエンゴロ・カンテであるが、カンテを補う形で他の選手もメッシ包囲網を形成した。
■準々決勝の相手はウルグアイ-ポルトガル戦の勝者
そのフランスの準々決勝の相手はアルゼンチン戦の終了した1時間後にキックオフされたウルグアイ-ポルトガル戦で決まる。ウルグアイはグループAで、エジプト、サウジアラビア相手に連勝し、ロシアとともに早々と決勝トーナメント進出を決めた。ロシアとの首位決定戦も制し、3連勝で首位突破である。
一方のポルトガルはグループBの初戦ではスペインとのイベリア対決から始まり、クリスチャーノ・ロナウドのハットトリックで3-3という壮絶なスコアでのドローで発進する。第2戦ではモロッコに1-0と最少得点で手堅く勝利し、同じくイランに1-0と勝利したスペインと並走し、両チームは決勝トーナメントが近づいたが、最終戦でイベリアの両雄は大苦戦をする。ポルトガルはイランとの試合で前半終了直前に先制しながら、後半のアディショナルタイムに追いつかれてしまう。ライバルのスペインも、すでに一次リーグでの敗退が決まっているモロッコに2たびにわたりリードを許す。後半のアディショナルタイムに追いついて何とか面目を保ったが、総得点の差でスペインが首位、ポルトガルは2位となる。
■2年連続フランスリーグ得点王のエディンソン・カバーニ
ルイス・スアレスとエディンソン・カバーニを擁するウルグアイとクリスチャーノ・ロナウドのポルトガルの試合は決勝トーナメント1回戦での屈指のストライカー対決となったが、カバーニが2得点をあげ、ウルグアイが2-1で勝利し、準々決勝に進出する。
フランスは2年前の欧州選手権の決勝で敗れたポルトガルではなく、このところ2年連続でフランスリーグの得点王に輝いているカバーニのいるウルグアイと準々決勝で対戦することとなった。
■5年前の南米遠征の敗戦の前は4試合連続スコアレスドロー
フランスがウルグアイと対戦するのは5年ぶりのことである。5年前の6月にフランスは南米遠征を挙行する。ワールドカップブラジル大会の1年前の遠征はウルグアイ、ブラジルと対戦したが、ウルグアイに0-1、ブラジルに0-3と両試合とも完封負けを喫したのである。
ウルグアイとの直近の試合は敗れているが、その前の4試合はいずれもスコアレスドローであり、フランスの最後の勝利は1985年のことである。またスコアレスドローの4試合には2002年と2010年のワールドカップの一次リーグというフランス人にとっては思い出したくない試合も含まれている。チームがどん底の状態でもスコアレスドローに持ち込めたということは相性がいいのかもしれない。また、フランスが惨敗し、育成を根本的に見直す機会となったワールドカップの1966年イングランド大会のグループリーグでも対戦し、ウルグアイが2-1と勝利しており、フランスはワールドカップではウルグアイに2分1敗と勝利したことがない。過去のワールドカップでフランスが勝利したことがないという点では決勝トーナメント1回戦で対戦したアルゼンチンと同じである。
さらにアルゼンチンにアンヘル・ディマリアとジョバニ・ロセルソがいたのと様にウルグアイにはカバーニというパリサンジェルマンの選手がいるのである。
他方、ウルグアイとアルゼンチンの違いを指摘するならば、今大会に入ってからのコンディションであろう。一次リーグを最後の最後で2位突破したアルゼンチンと、ここまで4連勝してきたウルグアイとではチームの勢いはおのずと異なる。
しかし、古豪復活を狙うウルグアイには思わぬアクシデントが起こったのである。(続く)