第2399回 チャンピオンズリーグ開幕(6) リヨン、マンチェスター・シティをアウエーで破る
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■欧州カップの常連チームとなったリヨン
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグの開幕日の9月18日に登場したパリサンジェルマンとモナコがいずれも黒星でスタートしたことを紹介した。近年のフランスサッカーのタイトルを分け合っていた両雄が強豪相手とはいえ、初戦で敗れたことは大きな衝撃を与えた。
2日目の9月19日にはリヨンが出場する。リヨンは昨季リーグ3位、今季からの大会方式の変更により、予備戦やプレーオフを経ずに本戦に出場する。リーグ7連覇以降はリーグ優勝から遠ざかっているリヨンであるが、その後もチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの常連である。リヨンは1997-98シーズンから継続してチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに出場し、2014-15シーズンにヨーロッパリーグのプレーオフで敗れるまで、17季連続で欧州の舞台に立った。連続出場記録の途絶えた翌年の2015-16シーズンにはチャンピオンズリーグに復帰、復帰初年はグループリーグで敗退したが、その翌年の2016-17シーズンはチャンピオンズリーグではグループリーグで敗退したものの、ヨーロッパリーグに転戦して準決勝まで勝ち進む。今年は4年連続の欧州カップ出場となる。20年強に渡って欧州カップに出場しているリヨンであるが、特筆すべきはほとんどのシーズンでグループリーグ等を勝ち抜き、越年していることである。
■リヨンの初戦はアウエーで第1シードのマンチェスター・シティ戦
そのリヨンは第3シードとしてグループFに入る。グループFに入ったのは第1シードのイングランドのマンチェスター・シティ、第2シードのウクライナのシャフタール・ドネツク、第4シードのドイツのホッフェンハイムと戦う。リヨンの初戦はあろうことか、第1シードのマンチェスター・シティ、しかもアウエーゲームとなった。パリサンジェルマンのリバプール(イングランド)、モナコのアトレチコ・マドリッド(スペイン)といい今季のフランス勢は初戦で厳しい相手と戦うことになった。
欧州での実績は十分に積んでいるリヨンであるが、今季のリーグ戦の序盤戦では2勝1分2敗、順位は7位にとどまっている。一方のマンチェスター・シティは昨季のリーグを制しただけではなく、今季も4勝1分と首位をキープしている。
■先発したフランス人選手たち
マンチェスター・シティにはバンジャマン・マンディ、エリアキム・マンガラ、アイメリック・ラポルテと3人のフランス人選手が在籍しているが、この中でフランス代表出場経験のないラポルテだけが先発メンバーに名を連ね、ペップ・グアルディオラ率いる世界のスーパースターの中でプレーする。一方のリヨンは15人のフランス人選手を抱えるが、先発したのはファーランド・マンディ、ホッセム・オーアル、タンギー・ヌドンベレ、ナビル・フェキルの4人、代表経験者は主将を務めるフェキルだけである。フェキル以外のリヨンのフランス人選手は育成機関育ちの若い選手である。また、外国人選手でも世界的に活躍したのはブラジル代表のラファエル、ポルトガル代表のアントニー・ロペスくらいで格の違いは明白である。
■守勢一方のリヨンが勝利
試合は終始ホームのマンチェスターが支配する。しかし、劣勢の中でリヨンは要所を締めた守備と反撃を試みる。26分にはオーアルとフェキルがワンツーパス、フェキルがあげたクロスにマクスウェル・コルネが左足で合わせて先制点となる。前半終了間際にもフェキルが追加点をあげ、リヨンはまさかと言える展開で2点をリードして後半を迎えた。
後半に入ってマンチェスター・シティは攻勢を強めたが、ロペスがスーパーセーブを連発する。マンチェスター・シティは67分にベルナウド・シウバが1点を返すにとどまり、守勢一方のリヨンが2-1と勝利したのである。
リーグチャンピオンとしてイングランドの期待を担ったマンチェスター・シティは欧州カップで初めてフランスのチームにホームで敗れたのである。(この項、終わり)