第2400回 アイスランドと親善試合(1) 唯一の初招集、タンギ・ヌドンベレ

 おかげさまで第2400回の連載を迎えることになりました。連載開始以来17年で2400回もの連載を続けることができたのは読者の皆様のおかげです。読者の皆様に改めて感謝するとともに、引き続きのご愛読をよろしくお願いいたします。

■ワールドカップとほぼ同じメンバーが登場した9月の連戦

 本連載第2381回から第2388回では今年から始まったUEFAネーションズリーグのドイツ戦とオランダ戦の模様を紹介したが、10月には16日にホームでのドイツ戦が予定されている。そしてそれに先立ち11日にはアイスランドとの親善試合が組まれている。9月の連戦では負傷した1人を除き、ワールドカップと同じメンバーを選出し、試合に先発出場した選手もほぼワールドカップと同じであった。結果としてはドイツと引き分け、オランダに勝利するというまずまずの成果を残したが、2年後の欧州選手権、4年度のワールドカップに向けてチームは進化を遂げなくてはならない。

■10月の連戦を戦う23人のメンバー

 UEFAネーションズリーグでは9月の序盤戦に勝ち点を積み重ねて余裕ができたこと、そして2試合中1試合は親善試合であるということから、10月の連戦に向けたメンバー選出にファンは注目した。アイスランド戦の1週間前に発表されたメンバーであるが、GKはウーゴ・ロリス、スティーブ・マンダンダ、アルフォンス・アレオラ、DFはルカ・エルナンデス、プレスネル・キンペンベ、ルカ・ディーニュ、バンジャマン・パバール、ママドゥ・サコ、ジブリル・シディベ、ラファエル・バラン、クルト・ズーマ、MFはエンゴロ・カンテ、ブレーズ・マツイディ、スティーブン・エンゾンジ、ポール・ポグバ、タンギ・ヌドンベレ、FWはアントワン・グリエズマン、フローリアン・トーバン、キリアン・ムバッペ、ウスマン・ダンベレ、トマ・ルマール、ナビル・フェキル、オリビエ・ジルーとなる。

■6人が入れ替わり、アイスランド、ドイツと対戦

 9月のメンバーと比べると、GKでは負傷して外れていたマンダンダが復帰、ブノワ・コスティルが外れた。DFではワールドカップ優勝後に代表からの引退を示唆していたアディル・ラミが外れた以外には、サミュエル・ウムティティ、バンジャマン・マンディがリストから漏れた。新たに加わったのはディーニュ、サコ、ズーマが復帰した。MFならびにFWではコランタン・トリッソが外れてヌドンベレが入った。また、メンバー発表後にフェキルが負傷で外れてディミトリ・パイエが招集され、全部で6人が入れ替わった。  外れたメンバーのうち、代表引退となるのはラミだけであり、それ以外の5人は負傷を含むコンディションの問題であろう。
 一方、加わったメンバーのほとんどは復帰組であり、マンダンダはワールドカップのメンバー、ディーニュ、ズーマ、サコ、パイエはワールドカップの予備メンバーである。

■唯一の代表初招集、タンギ・ヌドンベレ

 唯一の初めての代表選出となったのがヌドンベレである。本連載の読者の皆様であれば、前回の本連載でエンドンベレが登場したことを覚えられているであろう。チャンピオンズリーグの初戦でマンチェスター・シティを破ったリヨンのトップ下として勝利に貢献した。1996年12月生まれの21歳、この23人の中ではムバッペ、ダンベレに次いで3番目に若い選手である。パリ近郊のエッソンヌ県の出身、エッソンヌ県は茨城県と姉妹県であることから、鹿島アントラーズ、水戸ホーリーホックとプロチームを複数擁するサッカーどころのファンの皆様は良くご存じであろう。19歳の時にアミアンとプロ契約、ナショナルリーグから2部に昇格したばかりのアミアンを1シーズンで1部に昇格させ、ここでの活躍が認められアンダーエイジの代表に選出されるとともに、リヨンに移籍する。リヨンではリーグ戦ではほとんどの試合に出場したが、ヨーロッパリーグでは全10試合に出場し、リーグ3位、チャンピオンズリーグ出場の原動力となるとともに、国際試合の経験を積んだことが、今季のチャンピオンズリーグでの活躍、代表初招集につながったと言えよう。
 このヌドンベレ、14歳から16歳までの3年間、武者修行ということでギャンガンに所属している。このギャンガンではアイスランド戦が行われる。ギャンガンでの代表デビューは実現するであろうか。(続く)

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