第2403回 不振のドイツに勝利(1) オランダに公式戦で26年ぶりに敗れたドイツ
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■10月はアウエーで2試合戦うドイツ
アイスランドに2点を先行されながら、最後の4分間で2点を奪って引き分けに持ち込んだフランス、舞台をギャンガンからサンドニのスタッド・ド・フランスに舞台を移してUEFAネーションズリーグのドイツ戦を迎える。
前回のワールドカップの優勝チームであるドイツとは開幕戦でアウエーで対戦し、スコアレスドローであったが、今回のワールドカップでの惨敗はすでに紹介した通りである。9月はフランスとスコアレスドローとなった3日後にはペルーと親善試合を行い、2-1と勝利し、ワールドカップのグループリーグの第2戦のスウェーデン戦以来久しぶりに勝利した。そして10月に入り、13日にオランダ、16日にフランスといずれもアウエーでUEFAネーションズリーグを戦うことになる。
■今世紀、ドイツと4戦して、勝ち星のないオランダ
アムステルダムのアリーナはヨハン・クライフアリーナいう名称に変わり、ドイツを迎える。両国の最近の対戦成績であるが、オランダは2000年に親善試合で勝利しているが、その後はドイツが2勝2分と今世紀に入ってからは負けていない。また、公式戦に限ってみれば、オランダがドイツに勝利したのは1992年の欧州選手権までさかのぼらなくてはならない。両国はその後も欧州選手権で2度対戦しているが、2004年は1-1の引き分け、2012年はドイツが2-1と勝利している。
2006年に就任したヨアヒム・レーブ監督はしたがってオランダには負けたことはなく、この試合が168試合目となるが、これは1954年まで代表監督を務めたセップ・ヘルベルガー監督の持つ監督としての最多試合記録を更新する。記念すべき試合を相性のいい隣国のライバル相手に飾りたいところである。
■フランスの有力クラブから2人ずつ選出された両国の代表
またフランスのサッカーファンにとってもUEFAネーションズリーグの同じグループのチームの試合というだけではなく、ドイツにはパリサンジェルマンのユリアン・ドラクスラーとティロ・ケーラー、オランダにはマルセイユのケビン・ストロートマンとリヨンのメンフィス・デパイがいることから、ライバル心を持つ各チームのファンもちょうど同日にはフランス代表の試合もクラブの試合もないことから注目を集めた。
両チームともUEFAネーションズリーグでは2試合目となるが、1試合目はいずれも引き分け以下であり、勝ち点3が欲しいところである。ドイツの先発メンバーのうち9人はワールドカップ出場メンバーである。ワールドカップ以外のメンバーはエムレ・チャンとマルク・ウートの2人だけである。シャルケ04に所属するウートは27歳にして初めての代表招集、そしていきなり1トップとしての先発出場となったが、こういう選手を起用しなくてはならないところにレーブ監督の苦悩が見て取れる。
■オランダがドイツを圧倒、26年ぶりに公式戦で勝利
試合はオレンジ色のユニフォームのオランダが白いユニフォームのドイツを試合開始直後から圧倒する。そして30分、4人のフランスリーグ勢のうち、唯一先発したデパイがチャンスを作る。デパイが放った右CKをバベルがシュートするがドイツのGKノイアーがクリアする。これをファンダイクがヘディングで押し込んでオランダが先制点を奪った。その後もオランダが押し込み、前半を1点リードして折り返す。
後半に入り、反撃に出たいドイツであったが、なかなか同点に追いつくことができない。終盤になってオランダはとどめを刺す。87分にはオランダはカウンターアタックからデパイが右足でシュートし、ドイツのGKマヌエル・ノイアーは左足で止めることができず、時点差を2に広げる。さらに3分間のアディショナルタイム、デパイのシュートはノイアーに阻まれるが、93分、ドイツからボールを奪ったオランダはジョルジニオ・ワイナルドゥムがシュート、戦意を失ったノイアーは全く動けず、ドイツは0-3と敗れる。ドイツはオランダに公式戦で26年ぶりに敗れるとともに、年間の敗戦数がこれまでのワースト記録と並ぶ5敗となり、フランス戦に臨むのである。(続く)