第2410回 10月のチャンピオンズリーグ (5) 不運なモナコ、ボルシア・ドルトムントに大敗
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■パリサンジェルマンに次ぐシルバーメダルコレクターのモナコ
10月初めに行われたチャンピオンズリーグでのフランス勢の戦いを紹介しているが、リヨンはホームの無観客試合でシャフタール・ドネツク(ウクライナ)相手に2-2のドローに追いつき、パリサンジェルマンは27年ぶりの本戦出場となったレッドスター・ベオグラード(セルビア)相手に6-1と大勝した。リヨンは1勝1敗でグループFで首位をキープ、パリサンジェルマンはグループCで3位に浮上した。これら2チームとは異なり、国内外で低迷しているのがモナコである。
モナコは2年前のリーグチャンピオンであり、昨季はパリサンジェルマンに次いでリーグ2位、そしてフランスカップは初戦で敗れたが、リーグカップは準優勝、三冠のパリサンジェルマンに対し、2つのタイトルは準優勝であり、シルバーメダルコレクターとなっている。
■リーグ戦で18位に低迷するモナコ、今季負け知らずのボルシア・ドルトムント
しかしながら、今季はリーグ戦で不調である。開幕戦こそアウエーでナントに3-1と勝利したが、その後は1勝もしていない。10月を迎える時点の成績は1勝3分4敗の勝ち点6で降格圏内の18位である。8連勝で首位のパリサンジェルマン、5位のリヨンとは追う対照な成績である。そして何とか活路を見出したいチャンピオンズリーグも第1節は本連載第2398回で紹介したとおり、アトレチコ・マドリッド(スペイン)に敗れている。
国内外の公式戦でわずか1勝のモナコはチャンピオンズリーグの第2節はアウエーの試合となる。モナコのイレブンはドイツに飛ぶ。ドイツのボルシア・ドルトムントと対戦することになる。ボルシア・ドルトムントは第1節でベルギーのクラブ・ブルージュにアウエーながら1-0と勝利している。そしてモナコとは好対照であり、昨季はリーグ戦で4位にとどまったが、今季のリーグ戦では4勝2分と負けがなく、それ以外にドイツカップの初戦も突破しており、今季になってまだ負け知らずである。
モナコはリーグチャンピオンとして出場した昨季のチャンピオンズリーグでは期待を裏切り、2分4敗で1勝もできず最下位に終わっている。その前年も準決勝でユベントス(イタリア)に連敗しており、チャンピオンズリーグでは9試合連続で勝ちがないという記録を続けているが、モナコが最後にチャンピオンズリーグで勝利したのは2季前の準々決勝であり、それがボルシア・ドルトムント相手の準々決勝だったのである。この時はアウエーの第1戦もホームの第2戦もモナコが勝利しており、モナコは1年半ぶりのチャンピオンズリーグでの勝利を目指すのである。
■モナコ期待の新加入のアレクサンドル・ゴロビン
ただし、モナコとボルシア・ドルトムントのチーム状態には大きな差があり、さらに会場は熱狂的なファンの集まるジグナル・イドゥナ・パルクである。逆境のモナコの頼みとするのが新加入のアレクサンドル・ゴロビンである。今夏のワールドカップで開催国の予想外の快進撃を支えた22歳の若者がCSKAモスクワから移籍してきた。しかしモナコに加入して2日目の練習で負傷をしたことにより、フランスリーグにデビューしたのは第6節のニーム戦、これまでに3試合しか出場していない。このボルシア・ドルトムント戦では先発し、救世主として期待された。
■ディエゴ・ベナーリオ負傷、代わったダニエル・スバシッチが3失点
しかし、不振のチームに女神は冷たい。ゴロビンはまずまずの動きを見せるが、前半の終了間際にアクシデントが襲う。モナコの正GKはクロアチア代表のダニエル・スバシッチであるが、決勝まで戦ったことを考慮して、開幕戦はスイス代表のディエゴ・ベナーリオを起用、ベナーリオの起用によって勝利をあげた。このボルシア・ドルトムント戦でも先発し、無失点で抑えたが、前半終了間際に負傷し、後半からはスバシッチにポジションを譲った。不運なことにスバシッチは51分にヤコブ・ブルーン・ラーセンにシュートを決められ、72分にパコ・アルカセルに追加点を奪われ、アディショナルタイムにはマルコ・ルイスに得点を決められ、後半だけで3失点する。モナコは0-3と完敗したのである。(続く)