第2429回 決勝トーナメントに2チーム進出 (1) ナポリに追いつかれたパリサンジェルマン、早々と脱落したモナコ
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■調子の上がらないフランス勢
本連載ではテニスのデビスカップについて取り上げてきたが、チャンピオンズリーグのグループリーグも終了した。前半戦の第3節まではすでに紹介してきたので、後半戦のフランス勢を取り上げたい。
第3節を終えた段階のフランス勢のポジションであるが、グループAのモナコは勝ち点わずかに1である。3戦全勝で勝ち点3のボルシア・ドルトムント(ドイツ)、勝ち点6のアトレチコ・マドリッド(スペイン)に大きく引き離され、同じく勝ち点1のクラブ・ブルージュ(ベルギー)が得失点差で上回り、モナコは最下位である。グループCのパリサンジェルマンは勝ち点4、勝ち点6のリバプール(イングランド)、勝ち点5のナポリ(イタリア)に続いて3位に甘んじている。リヨンだけが上位2チームに入っており、勝ち点6のマンチェスター・シティ(イングランド)に次ぐ勝ち点5、3位のホッフェンハイム(ドイツ)と最下位のシャフタール・ドネツク(ウクライナ)はいずれも勝ち点2である。
■ナポリとの直接対決で前半アディショナルタイムに先制点を奪ったパリサンジェルマン
本調子ではなく折り返したフランス勢であるが、第4節は11月6日にパリサンジェルマンがアウエーでナポリと、モナコがホームでクラブ・ブルージュと試合を行った。 パリサンジェルマンはMCNと言われるキリアン・ムバッペ、エディンソン・カバーニ、ネイマールの3人の得点力に問題がある。ナポリ戦はムバッペを中心に配し、左サイドにネイマール、カバーニを外して右サイドにアンヘル・ディマリアを起用した。目の上のライバルを倒したいパリサンジェルマンはアウエーの大観衆の中でボールを支配して試合を進める。そして前半のアディショナルタイムにフアン・ベルナトがムバッペのパスをゴール前で拾って先制点を決める。
■守備の乱れから追いつかれたパリサンジェルマン
2位のナポリを直接対決で下せば、順位が逆転するパリサンジェルマンはこの1点を残り45分間守り切りたいところであったが、肝心なところで守備にほころびが出る。62分にナポリのホセ・マリア・カジェホンをチアゴ・シウバとジャンルイジ・ブッフォンが挟んで倒してしまう。連携のとれていないプレーでナポリにPKを与えてしまい、これを163センチの小兵、ロレンツォ・インシーニェが決めて同点となる。その後もパリサンジェルマンは攻め込み、72分には相手ペナルティエリア内でベルナトが倒されたがホイッスルはならず、勝ち越し点を奪うことができず、ナポリとの連戦は2試合とも引き分け、2試合で勝ち点を2つしか積み上げることができなかった。ただリバプールが最下位のレッドスター・ベオグラード(セルビア)に敗れる。レッドスター・ベオグラードは久しぶりのチャンピオンズリーグでの勝利となった。この結果、パリサンジェルマンはナポリ、リバプールと勝ち点2の差で残り2試合を戦うこととなったのである。
■不振のモナコ、記録的敗戦でチャンピオンズリーグから去る
一方、モナコは完敗であった。国内外で不振のチームは監督をティエリー・アンリに交代、欧州での初陣となったアウエーでのクラブ・ブルージュ戦は引き分け、ようやく初めての勝ち点を獲得したが、第4節はホームでの最下位チーム同士の直接対決である。この試合に敗れた方が決勝トーナメント進出が閉ざされることになる。
必勝を期して臨んだ試合であったが、相手のクラブ・ブルージュの動きが良いのと、モナコは相変わらず動きが悪く、次々と失点を重ねてしまう。12分に長身のハンス・バナケンに先制点を許すと、17分にはアントニオ・バレカがペナルティエリア内でハンド、バナケンがPKを決めて2点差、24分にはウェズレイが3点目となり、絶望的な得点差となる。後半の終盤にもルート・フォルマーがゴールを決めて0-4と大敗し、モナコは3位以下が確定した。なお、モナコは欧州カップで200試合近く戦っているが、4点差で敗れたのはこれが初めて、さらに昨季からチャンピオンズリーグのホームゲームでは6連敗となったのである。(続く)