第2463回 フランスカップ準々決勝(1) ベスト4一番乗りはパリサンジェルマン
8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■欧州カップの決勝トーナメント進出チームがフランスカップでも活躍
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの決勝トーナメント1回戦でのフランス勢3チームの戦いを紹介したが、この3チームはフランスカップでも快進撃を続けている。
フランスカップのベスト8は本連載第2453回と第2454回で紹介したとおり、パリサンジェルマン、リヨン、レンヌ、ディジョン、ナント、カーンの1部勢6チームと2部のオルレアン、4部に相当するN2のビットレである。準々決勝の組み合わせ抽選は2月6日に行われ、パリサンジェルマン－ディジョン、レンヌ－オルレアン、リヨン－カーン、ビットレ－ナントという結果となった。
フランスカップは週の半ばに行われ、準々決勝も2月26日から28日にかけて予定されている。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントを戦うパリサンジェルマンは2月12日と3月6日、リヨンは2月19日と3月13日、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントを戦うレンヌは2月14日と2月21日に試合があり、これらの3チームは2月から3月にかけては週2回試合をするスケジュールが続くが、この3チームは実力の違いを見せ、準々決勝を勝ち抜いた。
■週2試合のペースの続くパリサンジェルマン、ターンオーバー制で臨む
この3チームの試合はパリサンジェルマンが2月26日、レンヌとリヨンが27日に予定され、奇しくも欧州カップの決勝トーナメントに出場したのと同じ順番でフランスカップの準々決勝に登場した。
選手も過密スケジュールであるが、ファンも過密スケジュールである。にもかかわらず2月26日の夜、パルク・デ・プランスには4万3000人のファンが集まった。リーグカップの準決勝でギャンガンに敗れたパリサンジェルマンであるが、フランスカップでは2015年から3連覇を果たし、現在12連勝中である。しかし、パリサンジェルマンのトーマス・トゥヘル監督は来るべきマンチェスター・ユナイテッド（イングランド）との第2戦も考慮した布陣で臨まなくてはならない。さらにパリサンジェルマンはネイマール、エディンソン・カバーニを負傷で欠き、レイバン・クルザワは出場停止である。トゥヘル監督はマンチェスター・ユナイテッドとの第1戦とほぼ同じメンバーでこの一戦に臨んだ。
■ジャイアントキリングを狙うリーグ19位のディジョン
他方、ディジョンはこの時点でリーグ順位は降格圏内の19位、首位のパリサンジェルマンと同じ25試合を消化して、パリサンジェルマンの勝ち点は68、他方ディジョンは20にとどまり、その差は実に48になる。しかし、26年前のUEFAカップのレアル・マドリッド（スペイン）戦でパリサンジェルマンの歴史に残るヘディングシュートを決めたアントワン・コンブアレの率いるディジョンはパルク・デ・プランスでのジャイアントキリングに虎視眈々である。
パリサンジェルマンとディジョンの試合はリーグ戦では12月中旬の第18節と5月中旬の第37節に予定されているが、第18節の試合はジレ・ジョーンヌの混乱のため3月に延期されており、1部勢同士の戦いであるにもかかわらず、フランスカップがシーズン初対戦という珍しいケースになった。
■MCN抜きのパリサンジェルマン、猛攻でベスト4一番乗り
パリサンジェルマンの攻撃陣は中央にカメルーン代表のマキシム・シュポ・モティン、右にアンヘル・ディマリア、左にユルゲン・ドラクスラー、いわゆるMCN（キリアン・ムバッペ、カバーニ、ネイマール）抜きであったが、立ち上がりから圧倒した。8分に先制点をあげたのはディマリア、この時点でディジョンのシュートはゼロである。さらにパリサンジェルマンは攻撃を続け、27分にもディマリアが追加点を決める。
後半に入ってもパリサンジェルマンが一方的に攻め続ける構図は変わらず、76分にはトマ・ムニエが左足でシュートを決め、3－0とする。
4連覇を目指すパリサンジェルマンがベスト4一番乗りを決めたのである。（続く）
