第2466回 パリサンジェルマン、パルク・デ・プランスで大逆転負け

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■仙台の姉妹都市レンヌの快進撃、国内で好調なパリサンジェルマン

 前回の本連載ではヨーロッパリーグで決勝トーナメントに初進出したレンヌがスペインのベティスにアウエーの第2戦で勝利して2回戦に進出したことを紹介した。レンヌといえば仙台の姉妹都市である。東日本大震災から8年、震災直後にアップした本連載第1225回では仙台カップについて取り上げたが、レンヌの快進撃は仙台をはじめとする被災地の皆様も喜んでいらっしゃるであろう。
 さて、レンヌが勝ち抜いた翌週に登場したのがパリサンジェルマンである。チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦ではマンチェスター・ユナイテッドと対戦し、アウエーで2-0と勝利している。パリサンジェルマンは国内リーグでも好調で首位を独走し、2月3日のリーグ戦でリヨンに負けたのを最後に、公式戦では8連勝中である。一方のマンチェスター・ユナイテッドもパリサンジェルマンに第1戦で敗れてからリーグ戦では2勝1分、FAカップ5回戦ではチェルシーに勝利し、復調気味であるが、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのノックアウト戦においてこれまでホームの第1戦を0-2で落として逆転したケースはなく、パリサンジェルマンが勝ち抜くであろうというのが妥当な予想だった。

■就任以来13勝2分1敗という成績を残すオーレ・グンナー・スールシャール暫定監督

 両チームとも負傷者を多く抱えているが、より深刻なのはマンチェスター・ユナイテッド、アントニー・マルシャル、ジェシー・リンガードなど9人の負傷者に加え、ポール・ポグバが出場停止である。昨年暮れにモウリーニョ監督の解任後に暫定監督となったオーレ・グンナー・スールシャールは13勝2分1敗という驚異的な成績を残しており、その采配に注目である。

■先制点と勝ち越し点を記録したロメル・ルカク

 試合はマンチェスター・ユナイテッドが先手を取る。開始2分にロメル・ルカクがFKから受けたボールをドリブルで持ち込み、最後はパリサンジェルマンの41歳のGKジャンルイジ・ブッフォンをかわして無人のゴールにボールを流し込む。マンチェスター・ユナイテッドにとってはプラン通りの先制点となった。
 しかし、このところイングランド勢に相性の良いパリサンジェルマンもその1分後に追いつく。12分にMCNのうち唯一出場しているキリアン・ムバッペが右サイドからグラウンダーでクロス、これをファン・ベルナトが決めて同点となる。ベルナトは今季のチャンピオンズリーグで3得点目となる。マンチェスター・ユナイテッドはこれであと2点が必要となる。その後もパリサンジェルマンがパスをつなぎ、試合を支配するが、次のゴールをあげたのはマンチェスター・ユナイテッドであった。30分にマーカス・ラッシュフォードがミドルシュート、ブッフォンがキャッチミスしたところをルカクが再びゴールに押し込む。

■圧倒的に試合を支配してきたパリサンジェルマン、終了間際のPKに泣く

 名手ブッフォンも衰えたのか、あと1点奪われたらマンチェスター・ユナイテッドに8強の座を譲ることになり、パルク・デ・プランスのファンには不安がよぎる。しかし、その後も試合は相手の4倍近くのパスをつなぎ、ボール支配率で75パーセントを誇るパリサンジェルマンが一方的に支配する。
 後半に入り、パリサンジェルマンは56分にアンヘル・ディマリアのシュートがゴールインするが、オフサイドの判定で追いつけない。マンチェスター・ユナイテッドもルカクの2点目を最後にシュートもないまま、時間は過ぎゆく。そして90分、ペナルティエリア内でパリサンジェルマンのプレスネル・キンペンベの腕にボールが当たる微妙なプレーがビデオ・アシスタント・レフリーの対象となる。その直後に後半アディショナルタイムは3分と表示され、ビデオ検証には長い時間がかけられ、主審はPKを指示する。エースナンバーの10番をつけたラッシュフォードがPKを蹴り、ブッフォンの守る壁を破り、3-1とする。この時、時計は94分、この直後にパリサンジェルマンはエディンソン・カバーニを投入する。しかし、100分に試合終了のホイッスルが吹かれ、パリサンジェルマンは大逆転負けを喫したのである。(この項、終わり)

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