第2515回 グループリーグを首位で突破(2) ノルウェーに競り勝って決勝トーナメント進出決定

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■テレビの視聴者数も記録的だった韓国戦

 開幕戦でフランスは韓国に圧勝した。この試合はフランス女子代表の国内の最多観客動員となっただけではなく、テレビの視聴者数も980万に上り、今年最も視聴者数の多い番組となった。女子ワールドカップはスタッド・ド・フランスは利用せず、パリ並びに近郊での唯一の会場がパルク・デ・プランスとなる。決勝はリヨンのグルーパマ競技場で行われる。韓国戦では先発11人中7人がリヨン所属の選手、パリよりもリヨンの方が収容人員が多いため、フランスが決勝に残れば、新記録をリヨンの地で達成することになるであろう。

■女子サッカーの強豪ノルウェーと対戦

 その決勝を目指して第2戦はニースのアリアンツ・リビエラ競技場でノルウェーとの対戦となる。ノルウェーは1991年の第1回大会から8大会連続の出場であり、1995年大会では優勝している北欧の強豪である。現在は世界ランキングは12位、かつての力がないという評価もあるが、欧州予選では欧州女王となったオランダをおさえてグループ首位で予選を突破している。今大会では開幕戦の翌日に登場し、ナイジェリアに対し3-0と完勝している。グループAはフランスとノルウェーが二強、ナイジェリアと韓国が二弱という構図であり、フランスとノルウェーの一戦がグループ首位を決めるであろう。
 女子ワールドカップは24チームが参加し、16チームが決勝トーナメントに進出する。すなわち各グループの上位2位までと3位チームの中で成績の良い4チームが次のステージに進む。どのグループの3位チームが決勝トーナメントに進出するかで決勝トーナメントの組み合わせが決まるが、グループAの場合は首位になれば決勝トーナメント1回戦の相手は3位チームとなる。したがって両チームとも首位を狙いたいところであるが、問題は1回戦を勝ち抜いた準々決勝ではグループFの首位チーム、すなわち米国との対戦が予想される。このような状況であるが、両チームは互角の戦いを演じた。

■開幕戦とほぼ同じメンバーで臨む第2戦

 フランスの先発メンバーはGKはサラ・ブハディ、DFは右からマリオン・トラン、グリエッジ・ムボック、ウェンディ・ルナール、アメル・マジリ、守備的なMFはエリーズ・ビュサグリアとアマンディーヌ・アンリ、攻撃的なMFは右にカディディアトゥ・ディアニ、左にユージェニ・ルソメ、中央のトップ下にガエタン・ティネ、1トップはバレリー・ゴーバンという布陣である。第1戦の韓国戦と比べると比較すると、右の攻撃的なMFをデルフィン・カスカリノに代えてディアニを起用、ディアニが務めていたトップの位置にゴーバンが入る。
 これまでノルウェーとの戦績はフランスは5勝7分8敗と負け越しているが、フランスが最後にノルウェーに敗れたのは2003年の米国でのワールドカップが最後、この時は予選でも対戦し2敗している。しかし、その後はフランスが5勝4分と負けがない。相性はいいが、大量点の入りやすい女子サッカーにおいて過去8試合は引き分けまたは1点差の勝利である。ノルウェーの誇る攻撃陣は脅威である。また韓国戦ではフランスは高さで圧倒したが、ノルウェー相手に同じ戦術は簡単には通じない。
 前半はややノルウェーが押し気味に試合を進めた。決して高さに頼るのではなく、フランスを上回るパスワークを見せる。しかしながら前半はスコアレス、0-0のままエンドが代わる。

■抜擢起用のバレリー・ゴーバンが先制点、ベテランのユージェニ・ルソメが決勝点

 後半立ち上がり、ノルウェーが攻め込んだところをアンリがクリアする。このクリアボールを前方で確保したのがマジリである。マジリはペナルティエリア内へクロスをあげる。このクロスボールを今日先発メンバーに抜擢されたゴーバンが左足で決め、先制点となる。開幕直前の中国戦のゴールがこの日につながった。
 ところが、54分に韓国戦のヒロイン、ルナールが相手のクロスを誤って味方のゴールに入れてしまい、オウンゴールで同点に追いつかれる。
 ニースの満員の観客はそれでも声援を続ける。そして72分、ペナルティエリア内に攻め込んだトランがファウルを受け、PKとなる。今大会フランスにとって初のPKとなり、これをルソメが決める。ルソメは韓国戦に続くゴールでこれで代表76点目となる。
 連勝したフランスは決勝トーナメント進出を決めたのである。(続く)

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